《【書籍化&コミカライズ】小系令嬢は氷の王子に溺される》1

「あの、お気持ちは嬉しいのですが、自分の分だけで大丈夫ですので……」

それはリリアーナが王太子妃教育をけ始め、國王一家と夕食を共にする様になり、皆から譲られるデザートへの初めてのお斷りの言葉だった。

「リリアーナ、何処か合でも悪いのか?」

「リリアーナがデザートを斷るなど余程の事に違いない。醫師を呼べ」

どんな時でもにこにこ幸せそうな顔をして食べる姿が可らしく、いつしか國王一家の癒しキャラとなっていたリリアーナ。

そんな彼が初めて(自分の分以外の)デザートをお斷りしたのだ。

心配しない訳がない。騒がない訳がない。

リリアーナはそんな様子に慌てて合が悪いわけでは無いと否定するのだが、國王一家の耳には屆かず。

彼らは使用人に急ぎ部屋を用意させ、それと同時に直ぐに醫師を連れて來る様に申し付けていた。

ウィリアム殿下は有無を言わさずリリアーナをお姫様抱っこすると、用意された部屋へと急ぎ向かった。

ただ、デザートを斷っただけなのに。

どうしてこうなった?

リリアーナは申し訳ない気持ちと、皆が本気で心配してくれている姿に嬉しく思う気持ちと、しの呆れと。

々なが混じり、どうして良いのか分からない。

そもそもリリアーナがデザートを斷った理由だが。

それはその日の朝の出來事が原因だったりする。

◇◇◇

それはいつもの様に朝食を終えた後。

學園に向かうまでし時間に余裕があったので、モリーにお気にりのハーブティーを淹れてもらっていた。

読みかけの本の続きを読もうとして、手に取った本を誤って落としてしまい。

モリーがそれを拾いにく前に。

「いいわ、自分で拾いますわ」

片手でモリーを制し、それを拾おうと手をばし掛けた時だった。

「ブツッ」という音と共にちょっとだけ窮屈だった制服がし緩くなった気がした。

「お嬢様、今の音は……」

「何やら背中からした様な気がするわね」

モリーは一度ハーブティーを淹れる手を止めて、慌ててリリアーナの背中側に回り込み、ジッと見やると一言。

「……お嬢様、背中のボタンは何処に行ってしまわれたのでしょうね」

「……」

道理で窮屈さが無くなった訳である。

「とにかく今は時間がありません。直ぐに制服の替えを用意致しますので、急ぎ著替えますよ」

言うが早いかクローゼットの中へと飛び込み、替えの制服を手にして出て來たモリーに背中のボタンが無くなった制服を剝ぎ取られ、著替えさせられたのでした。

著替えによってれた髪を直していれば。

余裕のあった筈の時間はギリギリの時間となり、ハーブティーを口にする事なく急ぎ馬車へと乗り込んで學園へと向かうのであった。

既に馬車の中で待っていたエイデンに

「姉様?隨分と待たされたけど、何かあった?」

「なんでも無いわよ?」

そう答えたのだが、エイデンには通用しなかった。

ジト目で黙って見ているエイデンに耐えられず、渋々先程起こった事を白狀させられ、學園に到著するまでお腹を抱えて笑われていたのだ。

出がけにモリーに言われた

「お嬢様、暫くはお菓子の過剰摂取止ですからね」

同じ臺詞をエイデンにも言われました。

「……はい」

……という訳で、モリーからお菓子の過剰摂取止令が出てしまいましたので、自分の分以外のデザートをお斷りした次第です。

それがまさか、こんなに大騒ぎになってしまって、どうしましょう(泣)

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