《【書籍化&コミカライズ】小系令嬢は氷の王子に溺される》9

しだけ休んだ後、リリアーナを伴って挨拶まわりだ。

ダンスよりも何よりも、これが一番大変だったりするのだが。

中にはまだ、さり気無く自分の娘を薦めてくる様な馬鹿もいたりした。

大抵は黙って睨んでやると、娘の方から泣きそうになって、何かしら理由を付けて逃げて行ったが、知らん。

私の気分を害した事に気付き、慌ててリリアーナを褒める様な素振りもまた、私の苛立ちに拍車を掛けるだけだというのに。

くだらん輩の相手をするだけ時間の無駄と、リリアーナを連れて他の貴族達と挨拶をわしていく。

先程とは反対に、必要以上に(・・・・・)リリアーナを持ち上げてくる輩もいた。

そういった者も信用は出來ない輩だ。

短い時間に數々の貴族達と言葉をわしながら、私の頭の中には『信用に値する者』『信用出來ない者』『まだどちらとも言えない者』のリストが出來上がっていく。

今のところ『信用出來ない者』と『まだどちらとも言えない者』が多いがな。

これは裏を返せば私はまだ、彼らの信用を得られてはいない事を表している。

これから自分の味方である『信用に値する者』を増やしていかねばならない。

の挨拶まわりが終わり、忙しくホールき回る使用人に飲みを頼む。

パーティーが始まってから、何も口にしていない。

リリアーナとグラスをカチンと合わせてから「お疲れ様」とを潤した。

大した話もしていないのだが、がカラカラになっている。

リリアーナもが渇いていたのであろう。

味しそうにグラスの飲みをチビチビと飲み、あっという間にグラスは空になった。

「お代わりはいるか?」と聞けば、せっかく料理の取り置きをしてもらっているのに、飲みでお腹一杯にしては勿無いと言われた。

笑いながら「了解」と頭をでる。

私主催の初めてのパーティーは無事に終わり、リリアーナと料理の取り置きをしてある部屋へと向かう。

苦手なパーティーに疲れはしたが、リリアーナがいてくれたおしだけ楽しむ事も出來たと思う。

リリアーナは數々の料理とデザートを前にとても嬉しそうな顔をし、それを見た私も、漸く落ち著いて重圧から解放された事を実する。

改めて、私の橫に居るのが彼で良かったと思ったのだった。

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