《【書籍二巻6月10日発売‼】お前のような初心者がいるか! 不遇職『召喚師』なのにラスボスと言われているそうです【Web版】》第203話 パクリ? いいえインスパイアです

メダモンコラボイベント、通稱【GOOGO】を開始したヨハンは、一足先にプレイしていたゼッカと共に初心者向けエリア【ふれあいパークエリア】を探索していた。

皇居ベースに作られたこの場所は面影はあるものの、どこかファンタジーチックなアレンジがされており、歩いているだけで楽しい。

ヨハンが非現実的な景を楽しみつつ歩いていると、ゼッカが「そろそろですね」と裝備を変更した。片手用の鎌のような裝備が二本握られる。

「そろそろ?」

「ええ。もうすぐモンスターが出現すると思うので、裝備を変更したんです」

「モンスターかぁ。張するわね」

「あはは! 大丈夫ですよヨハンさん。ここに出てくるモンスターなんて、ヨハンさんに掛かれば小指一本で全滅させられますから」

「そ、そうなの?」

そういえばGOO初心者向けのエリアだと始めに聞いたことを思い出す。

「それじゃ、どうして裝備を変更したの?」

「それはですね、普段の裝備だと強すぎてモンスターを殺してしまうからです」

「何か問題があるの?」

「……えっと」

キョトンと首を傾げるヨハンに、ゼッカが説明を始める。

「モンスターをともだちにするには、殺してはいけないんです」

ゼッカの並べた言葉の違和じるが、言われてみれば當たり前だった。

「そ、そうよね。友達になるのだから、殺してしまってはいけないわよね」

「ええ。だからこの殺傷力の低い【生カサズ殺サズ】でHPを限界まで削る必要があるのです」

「待ってゼッカちゃん。々説明を省かれている気がするわ」

ヨハンの言葉にゼッカは嫌がることなく、このイベントのシステムを解説してくれた。

モンスターを友達にするには【ともだちメダル】をモンスターにぶつける必要がある。

【ともだちメダル】をぶつけると、そこから確率による判定がり、ともだちにできるかどうかが決まる。

「この功率はモンスターごとに違います。貴重なモンスターほどともだちになる確率は低く設定されています。まぁここは本家と同じですね」

「な、なるほど……」

だがこのともだち化の確率をあげる方法がいくつかある。

1つ目はHPを削ること。

死ぬギリギリであればあるほど確率は上がる。因みにやり過ぎて殺してしまうともうともだち化は不可能である。

2つ目は狀態異常を付與すること。

中でも痺れ狀態や氷結狀態など、きを封じる系の狀態異常はともだち確率が大きく上がる。

そしてゼッカが持つ【生カサズ殺サズ】は攻撃力が低い代わりに一定の確率で【麻痺】を付與する裝備。

まさにこのイベントのための裝備といって良かった。

「まぁゲームとしては面白いけど。とてもともだちになろうとする態度じゃないわね」

「ま……まぁやってることはエグいですが、ゲームですし。あ、丁度いいのがいました!

まず私がお手本を見せるので、見ていて下さい」

ヨハンたちが進む道の先に、一のゴブリンが現れた。

ヨハンはアイドルスターズイベントで戦った法被を著た個を思い出す。おそらくアレのモデルになったモンスターだろう。

「ゴブリッ」

こちらに気付いたのか、手に持った鉈を構えるゴブリン。だがその頃にはすでにゼッカがゴブリンの背後に回り込んでいた。

「シュ――」

鎌の先っちょの方を數回、ゴブリンの後頭部に優しく當てるゼッカ。

「ゴブッ……ゴブガ」

數回目のツンで【痺れ】が発生。けなくなったゴブリンは膝をつき、苦しそうにもがく。そんなゴブリンを機械的な目で見下ろすゼッカ。どうやら殘存HPを確認しているようだ。

「HPは殘り21……か」

冷たくそう呟くと、ゴブリンの橫にしゃがみ込む。

そして。

ザクッ

ザクッ

ザクッ

ゴブリンの腹部に三回、鎌を差し込んだ。

「ゴブッ」

「これで殘りHP3……よし!」

どうやらHPを調整していたようだ。

ゼッカは小さく笑うとともだちメダルを取りだしゴブリンに當てる。

メダルをにぶつける際のダメージも計算済み。

ゴブリンのの粒子となってメダルに吸い込まれ、やがて地面に転がったメダルにゴブリンを象ったクレストが出現。

ともだち化功である。

「ふぅ……これでゴブリンと友達になれました……あれヨハンさん? どうしてそんな辛そうな顔を?」

「いや……とても友達になるようなじじゃなくて戸っているだけよ」

現実世界で例えるなら道ばたを歩いている人を薬で痺れさせ。

暴行し抵抗する気力を奪い。

ハイエースに乗せて走り去るようなじだろうかと妄想するヨハン。

「あはは。すぐ慣れますよヨハンさん」

「本當にそうなりそうで怖いわね……」

だがまぁ今回のともだちターゲットにバチモンは含まれいないのは調査済みだ。

バチモンが今のような目に遭わされていないのならば別に構わないかと気持ちを切り替えるヨハン。

「あ、ヨハンさん! またゴブリンが出ましたよ!」

「本當だわ! それじゃゼッカちゃん。今度は私がやってもいいかしら?」

「はい!」

ゼッカのあまりにも完されつくしたきにし引いていたヨハンだが、自分でやるとなると、しだけワクワクしてきた。

「よ、よし! やるわよ~!」

そしてメダルを手に気合いをれるのだった。

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