《《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜》覚醒のとき

「なんだ……? どういうことだ……?」

かくいう俺も、驚きを隠すことができない。

ユーマオスは昨日、間違いなく冒険者らに引き渡したはず。それなりの重傷を負わせたわけだし、獄なんぞできるはずもないんだが……

「ふふ……。|あの方【・・・】の実力は、貴様ら人間の常識をはるかに超えている。この程度のことは、さしたる問題ではないのだよ」

「…………」

そういえば昨日も、なんの前れもなく魔が出現してきたな。

まさしく《瞬間移》とでも言うべき能力を、ユーマオスまで持っているということか。

「…………」

俺をはじめ、エリやバルフレイもほぼ同時に戦闘の構えを取る。

こいつだけは絶対に逃がすまいと、ユーマオスの一挙手一投足を観察する。

「やれやれ。そんなに怖い顔をしないでくれたまえ」

そんな俺たちに対し、ユーマオスはひょいと肩を竦めた。

「私はただ、みなにお禮を言いにきただけなのだよ。特にフェミア街の住民――アルバート君にはね」

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「は……? 俺に?」

「ああ。聞いたことがあるだろう? 魔王は人々の《負の》をエネルギーとする。憎しみや怒り、悲しみ……そういったのすべてが、魔王様の糧となるのだ」

「…………」

そういえば……ルリスから聞いたことがあるな。

古くから王家に伝わる書にて、魔王は《負の》を喰らう度に強くなっていったと。だからそのために、人々に苦しみを與え、怯えさせ続け、暴の限りを続けていたと。

――ん? 待てよ。

「そうか……そういう、ことだったんだな……」

俺は怒りのこもった視線をユーマオスに向ける。

「あんたが理不盡な圧政でフェミア街のみんなを苦しめてきたのは――その《負の》を生み出し続けるのが目的だったてことか……⁉」

「ふふ、ご名答。貴様の両親もたしか苦しい毎日を送っていたな。そのおかげで、私は悲願を就できるようになったというわけだ」

「…………」

本當に、とんだクズだ。

あのレオンが可く思えてくるレベルだぞ。

と。

「ユーマオス……!」

椅子に座ったままの國王もまた、怒りの聲を発する。

「魔王を蘇らせてどうするつもりじゃ。いまの平和を壊してでも……いまだに王の座を狙おうとでもいうのか……⁉」

「クク、當然だろう。いまの時代に必要なのは力。周辺列國にも負けぬ武力をにつけることが、我がレベルオン王國において最も重要なことなのだよ!」

「き、貴様……!」

國王が苦々しい表で歯ぎしりをした、その瞬間。

ドォォォォォォォオオン‼ と。

突如にしてすさまじい轟音が響きわたり、俺は思わずを竦ませる。

慌てて窓に向けると――俺はそこに、到底ありえない景を見た。

「あ、あれは……⁉」

そう。

俺が生まれ育ってきた故郷――

フェミア街の方面から、闇の火柱が立ち上っているのだ。

しかも一本だけではない。

街のあちこちから、細い火柱がいくつも立ち上っているのが見て取れる。

「な、なんだあれは……⁉」

「ふふふ……」

いったいなにが面白いのか、呆気に取られる俺に対し、ユーマオスは冷靜に両肩を揺らすのみ。

「人々の《負の》は、いまこのときをもってピークに達し。同じく《負の》に捉われた傀儡によって、魔王の降臨となるのだよ‼」

「魔王の、降臨……」

――ということは、まさか。

人々の間で恐れられてきた、最悪の魔王。

これまで多くの生命を奪い、人類に恐慌をもたらしてきた最悪の化け

そいつがフェミア街の近辺で再臨したということか。

さすがに信じたくはないが、あんなに禍々しい火柱が出現してしまった以上、あながち噓とも否定しきれない……!

「ふふ……いいことを教えてやろう、アルバート君」

いまだ窓を見つめている俺に、ユーマオスは醜悪な笑みを浮かべていった。

「あの火柱が上がっている場所こそが……まさしくフェミア街だ」

「…………っ‼」

父さん。母さん。ユリシア。

これまで故郷で暮らしてきた思い出の數々が、俺の脳裏に浮かんでくる。

「君は知らぬだろうが、フェミア街こそが、《剣聖》によって魔王が討ち滅ぼされた因縁の地でね。我が悲願を葉えるためには……これ以上ない好立地だったということだ」

「おのれユーマオス! 貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁああああ‼」

さすがに耐えきれなくなったのか、バルフレイが勢いよくユーマオスに斬りかかる。

――が。

「おおっと」

ユーマオスはそれをこともなげに躱【かわ】すと、悠々と宙に浮かび始めた。

「これで計畫の第一段階は完了。アルバートよ。唯一レベルの概念が許された貴様が、どこまで食い下がれるか……見屆けさせてもらうぞ」

「ま、待ちなさい……!」

今度はエリが斬りかかろうとするが、時すでに遅し。

エリの剣が到達するより先に、ユーマオスの姿は宙に溶けて消えた。

またしても《瞬間移》――

現代には存在しないはずのかなにかを用いて、姿を消したらしい。

――――

【全自レベルアップ】によってアルバートのレベルが急速に上がりました。

レベル:864

攻撃力:78943

力:68732

魔法攻撃力:71004

魔法防力:60921

速さ:95432

神域覚醒まで:あと134

使用可能なスキル一覧

・【鑑定】

・【闇屬魔法】

★覚醒の時にっています。

平常時よりレベルアップの速度が増しています――

―――

※新作投稿しました!

外れスキル《0ターンキル》で、俺は戦う前から勝利する ~ゴミスキル扱いされて実家を追放されたけど、これは敵を即死させる最強スキルでした。世界を創った神に溺されていて今更戻れない~

https://ncode.syosetu.com/n2390hu/

かなり力をれて書いていますので、ぜひお越しください……!

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