《《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜》勇者として

後には靜寂だけが殘された。

俺も……そして他のメンバーも、なにも言わない。

ただただ、遠くで立ち上っている火柱を眺めるのみだった。

――あの火柱が上がっている場所こそが……まさしくフェミア街だ――

先ほどユーマオスが発していた言葉がに突き刺さる。ずっとレクドリア家にげられ、それでも日々を懸命に生きてきた父さん。外れスキルを授かってもなお、明るい表で俺をれてくれた母さん。

そしてい頃から苦楽をともにしてきたユリシア。

他にも知り合いは沢山いる。

その全員が、あの炎のなかに呑み込まれたと――

「あ……あの。アルバート……」

そんな俺に向けて、後ろからルリスに聲をかけられた。

「え……と、フェミア街にはいまから軍を派遣するわ。急ぎで行ってもらうから、だから……」

「ありがとう……ルリス。でも大丈夫だ」

「え……?」

――俺は勇者になった。

もちろん最初のうちは戸いしかなかったし、こんな俺に勇者が務まるのかと不安にもなった。

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だけど。

俺はずっと、夢見てきたはずだ。

フェミア街のみんなが、平和な毎日を送っていることを。

父や母とともに、將來を心配することのない、明るい日々を過ごしていることを。

――だったら。

ここで立ち上がらずして、なにが勇者だろうか。

「俺も行く。魔王だかなんだか知らないが……みんなで力を合わせれば、きっと勝てるはずだ」

「ア、アルバート……」

「うむ。よくぞ言ったアルバート。それでこそ勇者だ」

そう言ってきたのは歴戦の戦士バルフレイ。

「まだ街の狀況が詳しくわかっていない以上、悲観しているのも違うだろう。各地にいる勇者らも集め、至急、蘇ったという魔王を討伐しにいこう」

「はい……!」

父さん。母さん。ユリシア。

俺が必ず助けにいく。

どうか、どうか無事でいてくれよ……!

そんな決意とともに、俺は自の両頬を叩くのだった。

「こ、これは……!」

フェミア街に到著した俺は、思わずその場に立ち盡くしてしまった。

――地獄絵図。

そうとしか表現できない大慘事が、目の前に広がっていたからだ。

「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ……‼」

「だ、誰か、助けてくれぇえええ……!」

人々の悲鳴が、び聲が、助けを求める聲が。

街のそこかしこから聞こえてくる。

各所で火柱もあがっていることから、被害をけているのは町民だけではない。

俺が半生をともにしてきたフェミア街は――見るも無殘な《火の海》になっていた。

「くっ……!」

無意識のうちに、両の拳を強く握り締めてしまう。

「父さん、母さん、ユリシア……!」

先に冒険者や軍関係者らが駆け付けているはずだが、この分ではまともに機能していないっぽいな。

地面のあちこちで剣士らしき男たちが倒れていることからも、それこそ大勢の戦士たちがやられてしまったんだろう。

「ひ、ひどい……」

同じく馬車を降り立ったエリも、自の口元を覆って絶句している。

「まさか……これほどとはな……」

バルフレイも同様の想を抱いているようだな。

いままで多くの経験を積んできたはずの剣士でさえ、フェミア街の慘狀には言葉が浮かばないようだ。

「…………」

だが、かといって怯んではいられない。

俺は勇者。

大事な故郷を守れずして、なにが勇者だというのか……!

「ルリス。やっぱりここは危険だ。ここから遠く離れて……みんなの避難導を頼めるか」

「うん、もちろんよ」

馬車の窓から、ルリスが顔だけを覗かせてきた。

王族が來るにはあまりにも危険すぎる場所だが、だからといってルリスも引くことはなく。せめてできることはやりたいと、避難導役を買って出てくれたわけだな。

「もし、アルバートのご両親らしき人を見かけたら教えるから。だから……絶対に死なないで。生きて帰ってね」

「ああ……。もちろんさ」

ルリスの切なそうな表に対し、俺は親指を立てて返事をする。

――違うわよ。設定なんて関係ない――

――正真正銘、私はあなたのことが好き。だから戻ってきてほしい。……ただ、それだけなの……――

つい先日、ルリスから想いを告げられたことを思い出す。

相手が誰であろうと関係ない。

のためにも。両親や馴染のためにも。そして街のみんなのためにも。

ここは絶対、引いていられない――!

「行きましょう、皆さん。相手は手強いですが、俺たちならきっと勝てます。どうか力を貸してください……!」

「はいっ!」

「ふ、任せるがよい……!」

頼もしい返事をする二人だった。

――――

【全自レベルアップ】によってアルバートのレベルが急速に上がりました。

レベル:902

攻撃力:80002

力:70032

魔法攻撃力:73221

魔法防力:61983

速さ:97632

神域覚醒まで:あと88

使用可能なスキル一覧

・【鑑定】

・【闇屬魔法】

★覚醒の時にっています。

平常時よりレベルアップの速度が増しています――

―――

※新作投稿しました!

外れスキル《0ターンキル》で、俺は戦う前から勝利する ~ゴミスキル扱いされて実家を追放されたけど、これは敵を即死させる最強スキルでした。世界を創った神に溺されていて今更戻れない~

https://ncode.syosetu.com/n2390hu/

かなり力をれて書いていますので、ぜひお越しください……!

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