《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》帰郷

「それじゃあ、留守の間はしっかりと頼むぞ」

「ううう、ティムさん。早く帰ってきてくださいね」

目の前ではガーネットが瞳を潤ませて寂しそうな聲を出している。

「くれぐれも、フローネの言うことを聞くんだぞ。フローネ、あまり甘やかさないように頼む」

「かしこまりました、主人様」

俺が頼むと、フローネは頭を下げるとそう答えた。

「な、なんですか。二人して……」

ガーネットがむくれた様子を見せる。

第一印象はおとなしいだと思っていたガーネットだが、打ち解けた相手には甘え癖がでるようで、俺やフローネの前では子どもじみた態度を見せるようになった。

今回、やむ終えぬ事で離れることになってしまったので、心配だったが、しっかりしているフローネがいるなら安心して任せられるだろう。

「あっちに戻ったら冒険者ギルドを使って連絡するから、ギルドに顔だけはだしてくれよ」

どちらにせよ、定期的に連絡はれるつもりつもりだ。

「はい、毎日ギルドで待機しています!」

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ガーネットがそう答える。

主人様、戻りをお待ちしております」

二人に見送られた俺は、乗合馬車へと向かうのだった。

~先日~

『ティムさん! やっと繋がりましたっ!』

「どうしたんですか、サロメさん?」

魔導越しにサロメさんの聲が響く。その聲は懐かしくもじるのだが、急の要件と前置きするだけあってどこか焦りがじられる。

『どうしたじゃありません! ティムさん全然戻ってこないじゃないですか! このまま王都に移転するつもりなんですか?』

俺が質問すると、サロメさんはまくしたてるように聞いてきた。

「いえ、そこはまだ決めかねてるんですけど、々あったので……」

ガーネットとパーティーを組む話やフローネの奴隷問題など、最近非常に忙しくしていた記憶が蘇る。

『グロリアさんやオリーブさんも心配して、毎日私に『ティムさんはまだ戻らないの?』と確認しにきてますよ』

元の街で親しくしていた人たちの姿が浮かぶ。

あの事件の時に、周囲を欺く必要があり俺が危篤だと伝えてもらっていたのが、そのせいでグロリアとマロンが俺を回復させるレアアイテムを求めてダンジョンに籠っていたらしい。

結果としてだますことになってしまったので、彼たちに謝る必要があるだろう。

俺が今後しなければならないことを思い浮かべていると……。

『このままだと、ティムさん冒険者資格を失ってしまいますよ?』

「えっ?」

魔導越しにとんでもない容が伝えられた。

「一、どういうことか説明してもらえませんか?」

慌てて聞き返す俺に、サロメさんは説明をしてくれる。

『冒険者カードの更新ですよ。冒険者は在籍している街で一定期間ごとに更新料をはらって手続きする必要があります。このまま放っておかれると、更新する意思なしということになって冒険者名簿から抹消されてしまいますよ』

冒険者名簿というのは、現在その街で働いている冒険者を記録したものらしく、冒険者ギルドが現時點でけられる依頼の総數などを管理するのに使われている。

中には行方不明になっていたり、既に冒険者活を行っていなかったりする人間もいるので、名簿の人數やランクなどからギルド職員が注する仕事の量を調整したりすることがある。

俺の冒険者カードはそろそろ更新の期限が近いらしく、失効する前にサロメさんが連絡してくれたらしい。

「わかりました。ひとまずそっちに戻りますから!」

『本當に、お願いしますからね!』

こうして俺は、用事があるからとガーネットとフローネを殘し、王都を後にするのだった。

馬車の外を警戒しながら歩いている。

現在、俺は冒険者ギルドで乗合馬車の護衛依頼をけていた。

王都に向かう際は客として乗車したのだが、今回はガーネットもいないので、地元に戻るついでに金を稼ぐことにした。

馬車の周囲には他にも依頼をけた冒険者パーティーもいて警備をしているのだが、単獨で依頼をけている俺とは違って周囲を警戒しつつも楽しそうに話をしている。

(あいつらは……いないようだな)

以前、フローネをめていた冒険者の顔を探してみる。

鉢合わせしないようにガーネットとフローネを王都に置いたつもりだったのだが、見當たらないので殘念だ。

もし見かけたら、どうしようか悩んでいたのだがもしかして王都にいるのかもしれない。

もっとも、パセラ伯爵家のメイド服を著ているので、手を出すことはできない。

王都でウイング氏の影響力は大きいので、その點に関しては安心しても良いだろう。

「おっ!」

「どうした?」

馬車の逆側を歩いている冒険者が聲を掛けてきた。

「數百メートル先にモンスターが五匹います」

俺は開いていた『地図表示』に『索敵』によって出現した赤い點の數を數えた。

「最初は半信半疑だったが、本當にモンスターがいるからな。お前さんのお蔭で今回の護衛依頼が楽だな」

乗合馬車商會に雇われたリーダーの男が心した様子で俺を見た。

「よし、それじゃあ中衛の1パーティーを前に出すから、モンスター討伐してくれ」

「了解です」

それから、リーダーによって招集された冒険者パーティーと合流すると、俺たちはモンスターの反応があった地點まで先行するのだった。

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