《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》273.【5巻発売記念】みんなで安旅行②

そうして、し門から離れて、開けた場所まで移する。ウーウェンが竜化する必要があるからだ。

「じゃあ、大きくなるから、離れて見ててね!」

そう言って、ウーウェンがボンッと本來の大きな赤竜の姿に変化する。

「はわわわ! すっごくおおきいです~!」

ミィナは顔を真っ赤にして大興している。しっぽが一瞬たわしのようにぶわっとしたから、驚いてもいるのだろう。

「本當にすごい。赤竜だって言うのは本當だったんですね!」

「うわーかっこいい! 本當にこれに乗れるんですか!?」

マーカスもルックも大興している。

「守護竜が従っているっていうのは本當だったのね……」

カチュアもその大きさを見て、あらためて唖然とした様子で眺めていた。

「もっちろん、みんな乗って! まとめてびゅーんって運んであげるよ!」

赤竜からウーウェンの聲がして、早く背中に乗るようにせかされる。

みんなが背中に乗ると、ウーウェンが羽ばたきを始める。

「ボクはすっごく高く、速く飛ぶから、みんなしっかり摑まっててね!」

それを聞いて、みんながウーウェンの背びれなどにしっかりとしがみつく。

「じゃあ、いっくよー!」

バッサバッサと羽ばたきすると、次第にウーウェンのが浮いていく。

「わわわ。本當に浮いていきますぅ~!」

「竜に乗って飛びたい」というのが夢だったミィナが大興していた。

やがて高度も上がり、王都の町並みが模型のように見えてくる。

「わー! 街があんなに小さく見えます!」

したルックが眼下を見て目を瞬かせる。

「アトリエはあそこあたりですかね?」

マーカスは、アトリエがあるであろう場所を的確に指さしていた。

「すごいですわ。王都だけでなく、道も畑も何もかも、まるでおもちゃのようです」

カチュアも大空から見る初めての景に嘆の聲をらしていた。

「私の夢が葉いましたぁ!」

ミィナは大興だ。生まれて初めて街を出て、それが夢にまで見た竜に乗っての空の旅なのだから。

「ウーウェン。目的の港町はあっちよ! あそこに山があるでしょう? あの山の近くにある港町を目指して」

私は、かつてマルク達と素材採取で行ったエストラド大火山の方角を指さす。

「わかりました!」

そう言うと、バサリとひときわ大きく羽ばたかせて旋回し、私が指さした方へと目指すのだった。

「空の旅はあっという間でしたね」

南部の方なので暑いのか、マーカスがシャツをまくりながら話しかける。

「すごい、あんなに青くて! あれ全部水なんですよね! 海って言うんですよね!」

ルックは、初めて見る海に大興。今にも走りだしそうな勢いだ。

「こらこら。海は逃げないんだから、そんなに慌てないの」

そんなルックはアリエルに窘められていた。

「はぁい」

しぶしぶといった様子で返事をするルック。

「うわぁ。青でも緑でもなくて。そして、お日様に當たってキラキラしてます!」

ミィナも海を眺めながら早く行きたそうだ。

「ボクも海は初めてだな。早く遊びたい!」

ウーウェンもうずうずしている。

「じゃあ、水著を買いに行きましょう。マーカス、ルックのことはお願いね」

向けと向けの店は違うので、ルックの面倒はマーカスにお願いする。

「承知しました。じゃあ、ルック、行こうか」

マーカスがルックの手を取って、男向けの店のある方へとつれて行く。

「私達はこっちだね」

私とアリエルは前に買った水著を持ってきたから大丈夫。今日は、ミィナとウーウェン、そしてカチュアのために『マリリンの店・二號店』を目指す。お供のリーフもこっちについてくる。

そこは、王都でお世話になっているマリリンさんの妹(・)のダイアナさんが経営する、可い水著を置いてある店なのだ。

「こんにちは! お久しぶりです!」

私とアリエルとミィナとウーウェンとカチュアで尋ねていく。すると、ダイアナさんは私とアリエルの顔を覚えてくれていたらしく、笑顔で対応してくれた。

「あらあ~! 久しぶりじゃない! 今度は見ない顔の子もいるのね?」

ダイアナさんは立派な男軀なのに、フリルたっぷりのブラウスをのラインピッタリで著ていて、パンツは黒のピチピチレザーパンツ。爪には真っ赤なネイルを塗っている。だからか、ミィナとウーウェンとカチュアがびっくりしていた。

「あらぁ~。私の格好は趣味なの。無害だから、あんまり警戒しないでね」

と、バチン! とウインクをしている。

それをけて、二人は目をパチパチさせていた。

【お知らせ】

王都の外れの錬金師5巻が10/7に発売になります。

どうぞよろしくお願いいたします。

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