《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》274.【5巻発売記念】みんなで安旅行③

「ダイアナさん! 今日はこの子達三人の水著を買いたいんです!」

「あら、可い三人! うーん、貓耳ちゃんにはそのとおそろいに白がいいかしら? 黒いツノの子にはやっぱり元気なじの赤かしらねえ? お上品そうなお嬢さんには、ワンピースタイプのが似合うかしら……」

そういいながら、「いらっしゃぁい」と店の中に案してくれた。

「はわわわ! こんなにが出るのを著るんですかぁ!?」

店のラインナップを見て、普段はワンピースのミィナが驚いている。

「そうよ! 快適に水遊びをするにはこれくらいがいいわ。可いし! さあ、どれが気になる?」

そう言って私はミィナとウーウェン、そしてカチュアに好きな水著を選ぶように促す。ダイアナさんも選ぶのを手伝ってくれた。

その結果、ミィナが選んだのは白いフリルの付いたワンピースタイプの水著。白い耳と尾とおそろいで可らしい。ウーウェンはタンクトップ型の赤の水著、カチュアは髪のとおそろいの水のワンピースタイプの水著だった。

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「あとは、海遊びするための遊び道がいるわよねえ……」

前回來たときは、マルクが手際よく準備してくれたけれど、今日はいない。慣れた私が選ばないといけないだろう。

「あらあ。だったら三軒先に海遊び用のボールや浮きを売っているお店が新しく出來たわよ」

悩んでいると、ダイアナさんが救いの手を差しべてくれた。

「ありがとうございます! 行ってみます!」

こうして私達は、遊び道も難なく手することが出來たのだった。

「マーカス、ルック!」

私達は、無事に二人と合流して、海の方へ向かう。

そして、ようやく海岸にたどり著いた。

「わあ! 水が打ち寄せています!」

ルックがザブンザブンと打ち寄せる波に目を見開いて、その波打ち際ギリギリに走って行って、足を海水に浸す。

「じゃあ、海の中でボール投げをして遊びましょうよ! ここは遠淺だから、安全よ!」

私は早速買ったビーチボールに息を吹き込んでまん丸にする。

そして、率先してザブザブと海の中をかき分けていった。

「デイジー様!」

マーカス、ルック、アリエル、ミィナ、カチュア、ウーウェン、リーフが追いかけてくる。

海水が腰の高さまでのところで進んで止まって、「おーい!」とみんなに呼びかける。

「ここでボール遊びをしましょう!」

私はそう言うとえいっとアリエルのもとにボールを投げる。

「はいっ、ミィナさん!」

「えっ! はわわわ!」

アリエルは用に打ち返し、ミィナに向けて打つ。ところが、慌てたミィナはボールを落としてしまい、ぱしゃんとボールが海面に落ちてしまう。

「あああ、しっぱいしちゃいましたぁ!」

おろおろするミィナをフォローするように、リーフがすいすいと犬かきで泳いできて鼻先でそのボールを拾い上げる。

「いきますよ!」

そして、トンッと鼻先でボールを投げ上げると今度はルックの番。

「わっ! こっちきました!」

「大丈夫、打ち返してあげるよ!」

落としそうになったボールは、かろうじてフォローにったマーカスが投げ返した。

「ボクにもちょうだい~!」

ボールが回ってこなくてふてくされ気味のウーウェンを見て取って、私はボールをウーウェンに回してあげる。

「ほら、上手に取って!」

「やったぁ!」

「次は私の番ですわね!」

カチュアもここぞとばかりに楽しそうにボールを打ち返す。

こうして私達は海遊びを楽しんだのだった。

「おなかがすいたぁ」

ボール遊びが一段落すると、ウーウェンが盛大におなかを鳴らしながら訴えだした。

「じゃあ、味しい海の幸を食べましょう!」

ここも以前來たことがある私がリードする番。

前に味しい網焼きを食べさせてくれたおじさんの顔があったので、早速聲をかける。

「七人と従魔一頭、席あるかしら?」

「おお、こないだの大ダコ退治のお嬢ちゃん! 大人數大歓迎だよ!」

そう言って、席を作ってくれた。

「わぁ! これって採れたばっかりのものを焼いてくれるんですか?」

育ち盛りのルックが目を輝かせている。

「おうよ! 今朝そこの海で採れた魚介をたんまり食べさせてやるぜ」

「予算に糸目はつけないから、じゃんじゃん焼いちゃってちょうだい!」

「おう! 任せとき!」

屋臺のおじさんは腕をまくってから、海産をどんどん網に乗せ始めた。

石を組んだ中には、炭火焼き用の炭が置かれ、空気をけて赤く燈る。その上に、金屬製の網が置かれている。

大きな海老や貝、イカや魚の魚醬焼き。もちろんリーフには大きな魚の切り

「わー! いい匂いがしてきました!」

ミィナが鼻先をクンクンさせる。

「ほら、この辺のイカや貝はもう食べられるぞ!」

そう言って、各自の取り皿に乗せていってくれる。

「いただきまーす!」

みんなで熱々焼きたての魚介を頬張る。

「この間のお土産も味しかったけど、海の近くで取れたて焼きたてを食べるのは格別ですね!」

マーカスが舌鼓をうちながら、味しそうに頬張っている。

「こんな海辺で焼いたばかりのものを食べるなんて初めてです!」

カチュアも瞳を輝かせて初めての験にしている。

「はふっ。あつっ」

貓舌のミィナは焼きたての貝に苦戦しているようだ。

「もっと! もっと食べられるよ!」

実は赤竜のウーウェンのおなかは底なしのようで、もっともっととおじさんにせがむ。

うわぁ。この間よりも予算が上回りそうだわ!

そうして、みんながおなかいっぱい、満足するまでごちそうになったのだった。

ちなみに、もうタコの魔獣は出なくなったんだって!

【お知らせ】

王都の外れの錬金師5巻が10/7に発売になります。

どうぞよろしくお願いいたします。

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