《《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜》あと一歩

後書きに重要なお知らせがあります!

不幸中の幸いというべきか、住人の死を見ることは一度もなかった。

「あ、ありがとう……。アルバートさん……」

「いえいえ、あなたも無事でよかった……」

そう言いながら、俺は腰を抜かしたままのに手を差しべる。

に取り囲まれていたところを、俺たちがすんでのところで駆け付けた形だな。

ここ近辺に大勢の魔は棲息していなかったはずだが――それもまた、以前のように《瞬間移》でもしてきているのか。

「本當に……強くなっちゃって。勇者になったっていう噂は、本當だったのね……」

「はは……。いえいえ」

後頭部を掻きながら、ほっと息をつく俺。

あまりにも巨大な火柱が上がっていたものだから、街が跡形もなく崩壊しているのかと心配したが。

現時點においては、そこまで考える必要はなさそうだ。

周囲にも生存者の気配がちらほらあるし、みんな無事、うまいことを隠しているようである。

Advertisement

――そう。

長い間ユーマオスの圧政で苦しんできた俺たちが、こんな簡単に負けるわけがないんだ。

「あっちのほうに、Sランクの冒険者が避難導しています。どうか早いうちに……避難してください」

そう言って俺が手差しする先には――Sランク冒険者のエリ・ファーラス。

戦線は俺とバルフレイに任せて、彼も避難導を行ってくれている形だな。

各所に手強そうな魔が出沒している関係上、中堅の冒険者たちもほとんど負傷しているのが現狀だ。

「うん……。わかった」

はそう言って俺の片手を強く握ると、なぜか頬を赤く染めながら言った。

「私、見直したよ。アルバートさんがこんなにかっこよくなるなんて……。絶対、生きて帰ってね」

「はい……。もちろんです」

俺の返答に、はこくりと頷くと。

避難導を行っているエリのもとに、一目散に駆けていった。

――フェミア街。

バルフレイいわく、そこは「隠された歴史」の多い場所らしい。

初代國王とともに戦場を駆け抜け、絶大なる功績をしたという《剣聖》。その《剣聖》がフェミア街の出だということはわかっているが、では誰が《剣聖》なのか――歴史では公にされていない。

さらにもうひとつ。

なんとこのフェミア街こそが、かつて魔王が打ち倒された場所だという。

《剣聖》に滅ぼされ、もう蘇ることがないよう、地下深くに封印された場所。

それがこのフェミア街であると、道中でバルフレイが教えてくれた。

ユーマオスがこの地で圧政を築いていたのは、きっとこのためなんだろう。魔王が封印されているこの地で、《負の》を集め続け。

誰にも気づかれず、著々と――魔王復活のときを狙っていたに違いない。

それもすべて、レベルオン王國そのものに復讐するために。

「アル、バート……! アルバー……ト……‼」

そしておそらく、その魔王復活の最後のきっかけになったのが「彼」なんだろう。

領主の息子にして、昔から俺にちょっかいをかけてきた馴染――

――レオン・レクドリア。

「アルバート……! アルバートォォォォォオオオオ……!」

禍々しいオーラに包まれたレオンは、しかし完全に理をなくしているようだった。

のおかっぱ頭だったはずの髪型は、おぞましい闇に染まりきり。悪戯っぽかったはずの目は真紅に染まっている。

――まさに魔王。

伝承に殘された魔王のように、見境なく暴れまわっている。

「なるほど……」

び聲を上げ続けるレオンに対し、バルフレイは苦々しい表を浮かべて言った。

「ユーマオスの言っていた《負のに囚われた傀儡》というのは……レオン殿のことだったか」

「ええ。……そのようですね」

どこからどう見ても、いまのレオンは普通ではない。

それはまさしく、魔王に憑依されているというべきか。

ユーマオスが失腳したことで、あいつの神はズタボロになった。おそらく、そこに付ける隙があったのだと思われる。

それを思えば、昨日ユーマオスが拘束されたのも狙ってのことだったのかもしれない。

侯爵家という後ろ盾を失ったことで、レオンの地位は文字通り崩壊寸前だった。

まさしく大きな《負の》を抱くにはうってつけの人材だったわけだ。

仮にも自分の息子に対して酷すぎる仕打ちであるが、あのユーマオスのことだ。たとえの繋がった息子であろうとも、なんとも思っていない可能がある。

「ッァァァァァァァァァァァァァァァアアア!」

かくしてレオンは魔王となり、故郷たるフェミア街を壊滅させることになってしまった。

「アルバート! アルバートォ……!」

「くっ……!」

そしてどういうわけか、俺は昔からレオンに嫌われていた。

先日ユーマオスを捕らえたことも含めて、相當に憎悪を抱かれているのは想像に難くない。

「アルバート……。アルバァァァァァト!」

そうぶレオン――否、魔王の瞳が……ぴたと、俺に據えられた。

――來る!

俺がかっと目を見開いたのも束の間、魔王がその場から消えた。

そして瞬きを終えた頃には、なんと目前に迫ってきているではないか。

「なっ……!」

慌てて剣を抜こうとするが、さすがに間に合わない。

「ダァァァァァァァァァァァァァアアッ!」

「ぐおっ……!」

の欠片もじられない、本能にを任せたような毆打。

それは異次元ともいえる速度と重量で、俺の腹部に襲いかかってきた。

鋭い激痛が全を襲い、俺はなすすべもなく後方に吹き飛ばされる。

そのまま民家の壁面にぶつからなければ、はるか遠くまで飛んでいってしまうところだった。

「アルバート‼」

をあげるバルフレイだが、ここで冷靜さを失わないのはさすがというべきか。

まずは剣を引き抜き、高速で魔王との距離をめるが。

「キカヌナ……」

「な、に……⁉」

が首筋に直撃したにもかかわらず、魔王はどこ吹く風。

「我は魔王……。人間ゴトキの攻撃ナド、通じはセヌ……!」

そう言いながら、魔王はバルフレイの右肩に毆打を敢行。

ゴキッという破砕音とともに、バルフレイも激しく後方に吹き飛んでいってしまった。

「う、噓だろ……」

壁面にもたれかかったまま、俺は掠れた聲を発してしまう。

あれが……復活した魔王か。

さすがに常軌を逸しているぞ……!

「スキル発……【鑑定】」

ぼそりと呟き、俺はレオンのステータスを確認する。

そして次の瞬間に浮かんできた數字の列に、俺は絶せざるを得ないのだった。

――

魔王ベルファルト 鑑定結果

レベル:2356

攻撃力:325021

力:221742

魔法攻撃力:618054

魔法防力:716073

速さ:512093

★管理者が一柱。これといった弱點はなし。

――

「う、噓だろ……?」

これはあまりにも絶的すぎる。

俺よりもはるかにレベルが高いし、各種ステータスも桁違いだ。

これでは……勝てない。

――――

【全自レベルアップ】によってアルバートのレベルが急速に上がりました。

レベル:999

攻撃力:81034

力:70902

魔法攻撃力:73921

魔法防力:62709

速さ:98532

神域覚醒まで:あと1

使用可能なスキル一覧

・【鑑定】

・【闇屬魔法】

―――

本作が10/7、いよいよ書籍化いたします!

番外編ではアルバートとルリスが溫泉に行っています。

超面白くなるように書きましたので、ぜひお手に取りくださいませ!

下に表紙絵もありますので、よろしくお願い致します!

    人が読んでいる<《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自動レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください