《【書籍二巻6月10日発売‼】お前のような初心者がいるか! 不遇職『召喚師』なのにラスボスと言われているそうです【Web版】》第205話 知將ゼッカに策アリ
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「ゴブリンが……消えた?」
「消えたんじゃなくてHPがゼロになって消滅したんですよ。ヨハンさん、どうしてメダルを思いっきり叩きつけるようなことを!?」
「だ、だってここからゴブリンの居たところまで結構距離があるじゃない? 屆かないかと思ってつい力んでしまったのよ……」
「野球選手みたいなフォームで投げてませんでした!?」
「運は割と得意だから……」
「もはや魔球でしたよ……消える魔球」
「消えたのはボールじゃなくてバッターだけどね」
野球なら普通に反則である。
「今のヨハンさんはGOOでも隨一の筋力の持ち主。軽くトスするだけでも十分です。大谷選手を越えるような球速は出さなくていいんです」
「優しく……」
先ほどのゼッカの所業が脳裏を過るヨハンだったが、大人なのでスルーした。
「わかったわ。次はもうしやさしく投げてみる」
「ええ。GOOは力を抜けば相手へのダメージを抑えられますから。調整すれば大丈夫なはずですよ。あっ。ウワサをすればまたゴブリンが現れました! 気付かれる前にメダルを當てましょう」
「ええ。それにしてもこの皇居ベースのフィールドにゴブリンは似合わないわね……」
和洋折衷の難しさをじながら、ヨハンはゴブリンに狙いを定める。
「えいっ」
可らしい聲と共に、ヨハンの手からメダルが放たれた。
「駄目だわゼッカちゃん」
「ですね……」
「こんなメダル一つでやられるゴブリン側にも問題があると思わないかしら?」
「そこを否定してはいけませんよ。ゴブリンだって好きで雑魚に生まれたわけではないんですから」
「そうね。でも、あれよりやさしく投げるというのは難しいわ」
「むむむ……」
腕を組んで考えるゼッカ。
そしてしばらくすると、表がぱっと明るくなる。
何か思いついたようだ。
「閃きましたヨハンさん! 私に良い考えがあります!」
「本當? それじゃ聞かせて!」
「はい」
***
***
***
「居た。ゴブリンですよ」
「そのようね」
三度ゴブリンを発見したヨハンとゼッカ。
ゴブリンに気付かれる前に作戦を開始する。
「いくわよカブタン!」
「ビジジ……」
ヨハンは足下の赤いカブトムシのようなモンスターに語りかける。
このモンスターの名はカブタン。
新しいバチモンイベントで手した初級の召喚獣だ。
「ゴブリンに接近してスキルを発するの」
「ビジ」
ヨハンの指示をけたカブタンはしゃかしゃかと地面を音もなく掛ける。
「飛ばないんだ」と靜かに思うゼッカが見守る中、遂にカブタンが敵の背後をとった。
「今よ――【エレクトロウェーブ】」
「ビジィイイイ」
カブタンの角から微弱な電磁波が放たれゴブリンを襲う。
「シビレエエエエエエ」
【エレクトロウェーブ】は確率で相手を【スタン狀態】にするスキルだ。初級召喚獣のスキルらしく狀態異常を與えるだけでダメージは與えられない。
クワガイガーの【放電】の下位互換スキルなのだが、今回に限ってはダメージなしが優位に働いた。
「今ですヨハンさん!」
「ええ任せて」
ゼッカの聲にヨハンが頷く。
ここでまたメダルを投げてしまえば先ほどの二の舞だ。
ヨハンは駆け足でけないゴブリンの側に近寄る。そしてメダルをそっとゴブリンの背中に當てる。
はずだった。
「ぐぎゃあああああああああああああああああああ」
「きゃあああ!?」
なんとヨハンの腕はゴブリンのを貫通。そのHPを一瞬にして奪ってしまう。
「ビジッビジッ」
「あわわ……またやってしまったわゼッカちゃん」
嬉しそうに勝利モーションを踴るカブタンの橫で青ざめるヨハン。
どうやらヨハンのプレイヤースキルとキャラクタースペックが相まって、最弱クラスのゴブリンの友達化難易度が高くなっているようだ。
もしここがメダモンの世界であれば、このエリアは序盤も序盤。まさかここまで苦戦するプレイヤーが居るとは運営も想定外だろう。
そんな絶するヨハンを他所に、ゼッカは何かを覚悟したような表だ。
「……ゼッカちゃん?」
「ぎましょう」
「え?」
「ヨハンさん。全部いでください! 大丈夫です悪いようにはしませんから!! さぁ!!!」
ゼッカの次の策略とは……。
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