《無職転生 - 蛇足編 -》12 「人形の歩いた日 後編」
その時間、シルフィは四クリスティーナの面倒を見ていた。
「いいよクリス、そのまま、手を離して、ママの所まできて」
「んー! ママー、こっちきてぇ……!」
よちよち歩きが早かったリリに比べて、クリスはまだ摑まり歩きがせいぜいといった所だ。
なので最近はこうしてママたちに訓練を施されている。
もっとも、クリスは訓練が嫌なようで、半泣きになりながら首を振っているが。
「クリスが來るんだよ、ほら、よちよちって、よちよちって」
「んー! んーぅ……ママァ……きてぇ……」
「ダーメ。ほら、すぐここだよ」
ぐずり、泣き出すクリス。
とはいえ、クリスは出來ない子ではない。
甘えているだけなのだ。
「んーんー……んっ!」
最終的には目を瞑り、トテテっと走ってシルフィのへと飛び込んだ。
「よしよし、よく出來たね。偉いよクリス」
「んー……」
シルフィはいつものようにクリスを抱いて、その頭をでた。
クリスはグスグス鼻を鳴らしながら、シルフィに力強く抱きついた。
好奇心旺盛で活発なリリに対して、クリスは臆病で甘えんぼだ。
さらに言うとインドア派で、あまり外には出たがらない。
時にエリスが外に連れ出すが、外ではエリスにベタッとくっついて離れず、何かあるとビービー泣いてしまうので、すぐに帰ってくることも多い。
なので散歩にも付いていかず、お留守番をしていることが多い。
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「もう、クリスは甘えんぼさんだね。誰に似たんだか……」
シルフィはそう言ったが、まぁ、間違いなくルーデウスに似たのであろう。
「ママァ……パパ、おかえりなさいまだ?」
「うん、まだおかえりなさいじゃないよ」
そんなクリスは、いわゆるパパッ子だった。
生まれてから泣いてばかりの子だったが、ルーデウスに抱かれるとすぐに泣き止む子だった。
アルスとまったく逆だ。
最近では、ルーデウスの膝の上がクリスの指定席となりつつある。
「あ!」
「……ん?」
と、そこでり口の方から音がした。
誰か帰ってきたのだろうか。
「パパ?」
「どうかなぁ……パパじゃないと思うけど」
ルーデウスは昨日から出かけている。
帰ってくる正確な日を聞いていなかったが、2~3日はかかると言っていた。
なら、まだだろう。
「お姉ちゃん?」
「お姉ちゃんにしては、ちょっと早いね」
しかし、學校に行ってるロキシーやルーシー、傭兵団に出向いているアイシャが帰ってくるにはまだ早い。
散歩に出たエリス達か。
いや、今日は遊びたがりのジークが一緒だから、もうし遅くなるだろう。
なら、買いに出ているリーリャとアルスか。
いいや、二人は先ほど出て行ったばかりだ。流石に早すぎる。
忘れをとりに戻った、という可能ももちろんあるが……。
もしかすると、ゼニスだろうか。
彼は自室で寢ているはずだが、いつの間にか庭の方に出ていたのかもしれない。
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などと考えつつ、シルフィはクリスをクッションの上に乗せた。
「クリス、そこにいてね」
シルフィはし不可解な気分で玄関へと向かった。
リビングを抜けて、廊下に出ると、ギィという音を聞こえた。
玄関が半開きになっていた。
だが、シルフィの目にとまったのは、扉ではなかった。
「……」
そいつは、扉の側に立っていた。
半開きになった玄関の隙間から差し込む西日が逆行となり、彼を照らしていた。
黒髪の。
見る者が見れば、彼のことをナナホシと呼んだだろう。
あるいは、親しげに聲を掛けたかもしれない。
しかし、シルフィは彼の見た瞬間、眉をひそめた。
「……君は、ナナホシじゃないね?」
その言葉をけてか、彼は笑った。
口元を歪め、ニィと。
逆が顔に影を作り、口元が不気味な形に裂けて見えた。
「はい。違います。なぜお分かりになられたのですか?」
「ナナホシは何度この家に來てるからね。玄関を開ける時の癖もあるんだ。コンコンって二回ノックして、返事がなかったらちょっと迷ってから、しだけ扉を開けて小聲で「ごめんください」って言うんだ」
シルフィはそう言いつつ、右手に魔力を込めていた。
得の知れない存在が、知人に化けていつの間にか家に侵していた。
家を守ると心に決めているシルフィにとって、當然の行であった。
今のところ 目の前のから敵意はじない。
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口調にしてもはこもっていないが、丁寧なものだ。
だが、味方であると楽観するほど、シルフィは甘くはなかった。
「君は、誰なのかな? もし君がヒトガミの手先だっていうなら、ボクが相手になるよ」
相手になるといいつつ、シルフィは脳なフル回転していた。
いかにして目の前のの目を晦まし、リビングにいるクリスと二階にいるゼニスを連れて、この場から逃げるか。
敵がこの家に侵してくる可能は覚悟し、シミュレートしていたが、自分にはやれるのだろうか。
戦闘の音は聞こえなかったが、門柱に巻き付いていたビートはすでにやられたのだろうか。
今しがた指に魔力を送ってエリスとロキシーに合図を送ったが、二人は気付くだろうか。
事務所にいるオルステッドやアレクは、この事態を把握しているのだろうか。
逃げるべきか。
それとも、時間稼ぎをすべきか。
様々な思いを無表に押し込めて、シルフィは目の前の相手を睨む。
「私には、まだ名前がありません」
「……?」
「あなたのお名前を聞いてもよろしいでしょうか」
「シルフィエット・グレイラット」
唐突に聞かれ、シルフィは反的に答えた。
「では、あなたがルーデウス様の奧方のシルフィ様ですね」
「そう……だよ」
名前の確認。
反的に答えたが、答えなかった方がよかったかもしれないと思いつつ、シルフィは油斷なく彼を見た。
見た所、武は持っていない。
隙だらけにも見える。
でも油斷はならない。徒手空拳で自分を圧倒できる者など、いくらでもいるのだから。
「シルフィ様は、私がいるとルーデウス様をお怒りになるのでしょうか?」
「……?」
「シルフィ様は、なぜ私に納得していただけないのでしょうか?」
「言ってる意味がわからない、何を言ってるの……」
わされている。聞いてはいけない。
もしかすると、これは幻か何かかもしれない。
一瞬そう思って、シルフィは警戒しつつ、一歩後ろへと下がった。
「危険です」
瞬間、がび、手をばした。
その速度はシルフィを凌駕していた。
明らかに自分より素早い相手。だが、シルフィとてそれは想定していた。
見えないほどでも、対応できないほどでもない。
下がろうとした一歩で床を踏みしめ、半になりつつ相手の攻撃をけ流し、カウンターで魔力を叩きつける。
シルフィは瞬時にそう判斷し……。
「っ!」
自分の足元に、クリスがいるのが気づいた。
いつの間にか。
そう、いつの間にか、クリスはハイハイで玄関まで移してきていたのだ。
シルフィの「待っていて」という言葉に従わず。
何の因果か、シルフィが今まさに踏もうとしている位置に。
気づいた時にはもう遅い。
シルフィはクリスを踏み潰しそうになるのを、なんとかをひねって回避した。
しかし、バランスは崩れた。
上をふらつかせ、回避もおぼつかなくなる。
そんなシルフィの瞳に、凄まじい速度でばされるの手が映った。
---
ルーデウスが到著した時、家は不気味なほどに靜かだった。
ビートの巻き付いた門。
アイシャの家庭菜園。
レオの犬小屋。
誰もいない。
鍵のかかっていない玄関を開けると、よく掃除された廊下と、半開きのリビングへの扉が見える。
靜かだった。
いや、音が無いわけではない。
ただ家中に泣き聲だけが響いていた。
聞き慣れた聲。
クリスの泣く聲だ。
それは悲痛な泣き聲だ。
まるで何か、大切なものを失ってしまったかのような、大きな悲しみに満ちた泣き聲。
ルーデウスにとっては聞き慣れた泣き聲。
自分が近づくと、すぐに止まる泣き聲。
それが聞こえているというのに、なぜか、靜かに思えた。
「……傭兵団は、外で待機していてくれ」
ルーデウスは玄関でそう言うと、出來る限り音を殺しつつ、玄関から中にった。
ここも、靜かだ。
よく掃除された廊下。
ちらりと橫を見れば、玄関に設置した鏡に青い顔をした自分の顔が映っていた。
だが、なんだろう。
この鼻にツンとくるような臭いは。
決して、心地良いとはいえない臭いは。
長時間かぎ続ければ、えづいてしまうような臭いは。
放置しておけばハエが集るような臭いは。
ルーデウスはその臭いにわれるように廊下を歩いた。
行き先はリビングであった。
泣き聲はそこから聞こえており、同時に臭いの元があると確信していた。
しっかりと閉じられたリビングの扉。
ルーデウスは、その扉を、意を決して開いた。
信じられない景が広がっていた。
まず、目にったのはテーブルの上。
仰向け寢転がされ、泣きぶクリスだ。
そして、そのクリスに覆いかぶさるような姿勢でいる、黒髪の人形。
人形の手は、汚れていた。
乾いたのような茶で汚れていた。
その茶はいまだり気を帯びており、強い匂いを放っていた。
むせ返るような匂い。
その臭いはまさか……。
「あーもう、ウンチが手に付いちゃったじゃないか」
「問題ありません。この程度の汚れであれば行に支障ありません」
「ダメ、ちゃんと拭くの、ほら。それから、汚れたオムツはこうやって丸めて、こっちの籠に、後で洗濯するから」
「汚れに対する洗浄は早急に、ということですね。學習しました」
そして、シルフィは人形の手についたものを拭いていた。
人形の手についているもの。
そして廊下にまで漂う臭いを発しているもの、
それは、クリスのウンチであった。
クリスはテーブルの上で仰向けに寢かされ、汚れたオムツをがされてビービー泣いていた。
「パパ! パパだ!」
が、ルーデウスの姿を見つけるとすぐに泣き止み、花のような笑顔を向けた。
「……あれ?」
ルーデウスとて、ある程度、想像はしていた。
戦うシルフィ。
傷だらけになった家族……あるいは、倒れて、かない家族。
が、人形が不用な手つきでオムツ換をしている景は、想定の範囲外であった。
「あ、おかえりなさい、ルディ」
「シルフィ……怪我は……なさそうだね……?」
「うん。あるわけないでしょ」
頷くシルフィの後ろには、人形が立っていた。
無表である。
無機質な顔で佇むその姿は、いきなりシルフィの元から短剣が生えそうなほどに不気味であった。
だが、人形はルーデウスの視線をけると、ほんのしだけ、シルフィの影へと隠れた。
さながら、シルフィを盾にでもするかのように。
だが、ルーデウスの目には、し異質に映った。
まるで人形が、ルーデウスから見られることを恐れているかのようにも見えたのだ。
「シルフィ、そいつから離れてくれないか」
「……なんで?」
そして、シルフィもまた、人形をかばうかのような立ち位置を取った。
「その人形、俺とザノバで作ったんだけど、暴走したんだ。
多分だけど、俺たちの話を聞いて、シルフィを排除するか、れ替わろうと考えたんだと思う」
ルーデウスもそう説明しながら、それにしてはおかしいなと思っていた。
「まあ、ちょっと違ってたみたいだけど」
とはいえ、人形の意図がわからないのは、依然として同じであった。
ルーデウスは警戒を解くこと無く、人形を睨みつけた。
「ふうん、ボクの聞いた話と、ちょっと違うけどな」
「話?」
首をかしげるルーデウスに、シルフィは微笑んだ。
「うん。そのことで話があるから、座ってよ」
「ああ……」
ルーデウスは言われるがまま、その場にあぐらをかいて座った。
するとシルフィは「あれ?」と首をかしげた。
「ルディ。座り方が違うんじゃないかな?」
「え!? あ、はい」
ルーデウスは、シルフィの口調からあるものをじ取り、座り方を変えた。
シルフィの口調に含まれるもの、すなわち怒り。
となればルーデウスがする座り方は正座の他ない。
「じゃあ、どうぞ」
それを確認したシルフィはをれ替え、人形を前へとおしやった。
人形はルーデウスの前へと押しやられ、無機質な表で彼を見下ろした。
「マスター・ルーデウス、私を破壊するのですか?」
「ああ、破壊する」
即答したルーデウスに、人形はじろぎ一つしなかった。
だが、ルーデウスは知っている。
魔導鎧と同じ材質で作られた骨格と、特製の人口によって作られたは、聖級剣士並の能を持っている。
そんな危険な代がいうことを聞かないとなれば、破壊する他ない。
魔導鎧を著込み、魔眼を使っている今、遅れを取ることはない。
とはいえ、まだ油斷は出來ない。
「…………私は、破壊されたくありません」
と、そこでルーデウスは気づいた。
「……」
人形が怯えているのだ。
見た目は、ただ立っているだけだ。
表だって無表だ。
口調だって単調だ。
しかし、怯えているのがわかった。
そんな人形の視線が、シルフィを向いた。
無機質な瞳だが、なぜかシルフィには、それが助けを求める視線に見えた。
「ルディ、わかっていないみたいだから、ちゃんと最初から話してあげて」
シルフィがそう言うと、人形はルーデウスと、いつしか家の中にってきていたザノバを見た。
そして、淡々と語りだした。
「ルーデウス様とザノバ様はおっしゃいました。
私がいると、ルーデウス様の奧方様が怒ると。
エリナリーゼ様はおっしゃいました。
ルーデウス様の奧方は、シルフィ様とエリス様とロキシー様だと。
エリス様はおっしゃいました。
シルフィ様は、ナナホシは納得できない……と以前に話していたと。
エリナリーゼ様は、私をナナホシと呼稱しました。
私は考えました。
きっと、私はナナホシ様に酷似しており、それが原因で廃棄されるのだと。
しかし、私はナナホシ様ではありません。
ならば、何か方法はあると考えました」
口調は変わらず単調だ、しかし、必死さをじ取れた。
人形は必死で何かを模索していたのだ。
「私は廃棄されたくありません。
ルーデウス様とザノバ様は、私の誕生に喜んでくださいました。
私は、もっとお二方の役に立ちたいのです。
破棄されては、それは葉いません」
召喚魔は、時にその力が大きすぎると、者に災いをもたらすこともある。
だが、基本的には者に逆らわない。
召喚魔で呼び出された魔獣は、主人に対して忠誠をつくすなのだ。
災いをもたらすのは、者のために起こした行の結果なのだ。
そして、この人形にも、そうした式を組み込まれている。
なにせ、ペルギウスの召喚魔を元に作られているのだ。
組み込まれていないわけがない。
とはいえ、ペルギウスの霊は自我を持つ。
召喚されたその瞬間から、自我を持って行するのだ。
主のために。
より長く生き、より長く役立つために。
「ゆえに、それまでの報から、最も私の存在を忌避するであろうと予測されるシルフィ様に教えていただこうと思ったのです」
彼のロボット三原則は、壊れてなどいなかった。
ただ原則に、召喚霊としてのが勝ったのだ。
「どうすれば、あなたは納得していただけますか、と」
唐突に現れ、家に勝手にってきた人形。
それに対し、シルフィは必要以上に警戒した。
だが、人形には最初から敵意などなかった。
敵意を丸出しにするシルフィに対し、ヘタクソな笑顔で笑いかけ、対話をんだ。
娘を踏みそうになり、倒れそうになったシルフィのを支え、お怪我はありませんかと気遣った。
唐突に踏み潰されそうになり、ビビっておしっことウンチを同時にらしたクリスを気遣い、オムツの換を申し出た。
そんな彼は、シルフィに訴えたのだ。
死にたくない、悪いところを直します、お役に立ちたいのです、だから殺さないでください、お願いします、と。
そのことが、シルフィのを強く打った。
「ルディ、ボクは怒ったりするつもりはないよ。
ルディがこういうのを作っていたってのは知ってたしね。
思ったより、人間臭かったけど……。
でも、いい子だし、ちょっと欠陥があっても、使って上げてしいな」
シルフィの言葉で、人形の説明は終わった。
あとは、ルーデウスの言葉を待つのみである。
いつしかルーデウスは口をへの字に曲げて、腕を組み、顔を伏せていた。
その肩はふるふると震えている。
「ううぅ」
見ると、後ろに立つザノバがプルプルとを震わせていた。
何事か、とシルフィが思った瞬間、
「うおおおおぉぉん!」
ザノバが、雄びを上げながらに突進した。
「そんな風に考えていたとは!
全て我らの為だったとは!
すまぬ! 暴走などと言って、余が間違っていた! すまぬぅ!」
滂沱の涙を流しつつ、人形にすがりつくザノバ。
そんなザノバを見ながら、ルーデウスもまたズビっと鼻を鳴らした。
彼もまた、目元をうるませていた。
ルーデウスは懐から取り出したハンカチで鼻をビーッと鳴らすと、立ち上がり、人形の手を取った。
「ザノバの言うとおりだ。目の前で廃棄なんて言われたら、そりゃ逃げるよな。
どうにかしようと思うよな……。
わかったよ。シルフィが怒ってもいい、俺とザノバが、お前を最後まできちんと完させて、きちんと使ってやるよ」
「余も、ジュリの怒りをけ止めようではないか!」
人形にすがりついて、泣きだした二人。
シルフィの目には、人形がきょとんとした顔をしているように見えた。
問題が解決していないのに、なぜか許された、という顔だ。
まあ、なんにせよ一件落著だ。
シルフィは微笑ましい気持ちでほっとをなでおろし、ルーデウスにかまってもらえずグズり出したクリスをでた。
と、そこで彼はあることに思い至った。
「ルディ、最後に一つ質問があるんだけどさ。今の流れで、どうしてボクが怒ると思うの?」
そう聞くと、ルーデウスがビクリとを震わせた。
彼は振り返り、正座をした。
そして、こほんと咳払いを一つ。
説明を開始した。
「実はその人形、あっちの方も巧に――」
シルフィは怒った。
ともあれ、一連の騒はこれにて一件落著となった。
その晩、ルーデウスが妻と寢ることが出來たのかどうかは、また別の話である。
---
この事件の結果、人形の廃棄は取りやめ、
製造した自人形は出來る限り保持していく方針となった。
それに伴い、今回の一件の中心となった彼は正規ナンバーとなった。
自人形1號機である。
今後は研究所や魔法都市シャリーアで実験に従事しつつ、ルーデウスの様々な計畫に使用されていくことだろう。
また、後日。
人形のがナナホシにも知られることとなった。
彼は自分の顔をした人形が行為可能であると知ると、骨に気持ち悪そうな顔をした。
だが、ルーデウスの低頭平の姿勢と、そういう目的では使わないとシルフィと約束したという言葉で、ひとまずは溜飲を下げた。
「まあいいわ。それでこの子、名前はなんて言うの?」
「名前……は、まだ付けてない」
「そう、じゃあ私が付けていい?」
ナナホシの命名により、
自人形第一號機には『アン』と名付けられた。
さらに、もし後世にナナホシの知り合いが現れた時に、日本っぽい名前でナナホシの存在を知ってもらうため『七星 一(はじめ)』という呼稱も用意された。
もし彼がナナホシの知り合いと出會い、その名前を聞いた時にはそう名乗り、ナナホシとの関連を説明するだろう。
正式名稱は『自人形 SS-01 アン』。
2號機にドゥー、3號機にトロワという名前をつけるかどうかはわからないが、それはそれだ。
ちなみにSSとはセブンスターの略である。
こうして、セブンスターシリーズの記念すべき第一作目『アン』は作られた。
彼の兄弟姉妹は、長い年月を掛けてゆっくりと増えていくことになる。
だが、首がついていたのは彼だけであった、と明記しておこう。
【書籍化&コミカライズ2本】異世界帰りのアラフォーリーマン、17歳の頃に戻って無雙する
【日間&週間&月間1位 感謝御禮】 ブラック企業で働いていたアラフォーリーマンの難波カズは、過労死で異世界転生。 異世界を救い、戻ってきたのはなんと十七歳の自分だった。 異世界で身につけた能力を使えることに気付いたカズは、今度こそ楽しい人生をやり直せると胸を躍らせる。 しかし、幼なじみの由依をきっかけに、もといた世界にも『人間を喰う異形――ヴァリアント』がいることを知る。 カズは過去の記憶から、近い未來に由依が死ぬことを察してしまう。 ヴァリアントと戦う使命を持つ由依を救うため、カズはこちらの世界でも戦いに身を投じることを決める。 ★ファミ通文庫さんのエンターブレインレーベルから、書籍が9月30日に発売します。 文庫よりも大きめサイズのB6判です。 ★日間ローファンタジーランキング 最高1位 ★週間ローファンタジーランキング 最高1位 ★月間ローファンタジーランキング 最高1位 ※カクヨムにも掲載しています。
8 62俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。
ハクスラ異世界×ソロ冒険×ハーレム禁止×変態パラダイス×脫線大暴走ストーリー=前代未聞の地味な中毒性。 ⬛前書き⬛ この作品は、以前エブリスタのファンタジーカテゴリーで一年間ベスト10以內をうろちょろしていた完結作品を再投稿した作品です。 當時は一日一話以上を投稿するのが目標だったがために、ストーリーや設定に矛盾點が多かったので、それらを改変や改編して書き直した作品です。 完結した後に読者の方々から編集し直して新しく書き直してくれって聲や、続編を希望される聲が多かったので、もう一度新たに取り組もうと考えたわけです。 また、修整だけでは一度お読みになられた方々には詰まらないだろうからと思いまして、改変的な追加シナリオも入れています。 前作では完結するまで合計約166萬文字で601話ありましたが、今回は切りが良いところで區切り直して、単行本サイズの約10萬文字前後で第1章分と區切って編成しております。 そうなりますと、すべてを書き直しまして第17章分の改変改編となりますね。 まあ、それらの関係でだいぶ追筆が増えると考えられます。 おそらく改変改編が終わるころには166萬文字を遙かに越える更に長い作品になることでしょう。 あと、前作の完結部も改編を考えておりますし、もしかしたら更にアスランの冒険を続行させるかも知れません。 前回だとアスランのレベルが50で物語が終わりましたが、當初の目標であるレベル100まで私も目指して見たいと思っております。 とりあえず何故急に完結したかと言いますと、ご存知の方々も居ると思いますが、私が目を病んでしまったのが原因だったのです。 とりあえずは両目の手術も終わって、一年ぐらいの治療の末にだいぶ落ち著いたので、今回の企畫に取り掛かろうと思った次第です。 まあ、治療している間も、【ゴレてん】とか【箱庭の魔王様】などの作品をスローペースで書いては居たのですがねw なので、まだハクスラ異世界を読まれていない読者から、既に一度お読みになられた読者にも楽しんで頂けるように書き直して行きたいと思っております。 ですので是非にほど、再びハクスラ異世界をよろしくお願いいたします。 by、ヒィッツカラルド。
8 105高校生である私が請け負うには重過ぎる
海野蒼衣(うみのあおい)、高校三年の春。 そんな時期に転校してきたのは黒衣をまとった怪しげな男子高生。 彼には決して表向きには行動できないある『仕事』を行なっていた⁉︎ そしてひょんな事から彼女は、彼の『仕事』へと加擔せざるを得ない狀況に陥ってしまう。 彼女の奇妙で奇怪な最後の一年間が始まろうとしていた。
8 159フェンリル
2037年、世界はこれまで保っていた平和を突然失った。 世界中で紛爭が起こり、ヨーロッパはテロにより壊滅的打撃を受けた。 この影響は日本にも広がり、日本拡大を目指す『戦爭派』と國を守る『國防派』に別れていった。 19歳の青年、雪風志禮は元々死刑囚だったが、政府の政策で、國防軍の軍人となることを條件に釈放された。 既に人間らしさを欠いてしまっていた志禮は仲間や出會った少女の時雨と迫る敵を押しのけながら感情を取り戻してゆく。
8 110ただの世界最強の村人と雙子の弟子
とある村にある森に、世界最強の大英雄が村人として生活していた。 そこにある雙子の姉妹がやってきて弟子入りを志願する! 主人公は姉妹、大英雄です。 學生なので投稿ペースは一応20時を目安に毎日投稿する予定ですが確実ではありません。 本編は完結しました。 次回作は公開しているので、そちらも是非 誤字・誤用等があったらお知らせ下さい。 初心者なので訂正することが多くなります。 気軽に感想・アドバイスを頂けると有難いです。 Twitterもありますので、そちらでも感想等を受け付けてます @hi_rosyumi
8 189極限まで進化した頂點者の異世界生活
主人公の黒羽海斗は他の人間とは違うものを持っていた。完全記憶能力、そして、絶対なる力・・・破壊と創造の力を・・・ これは人間が進化をした先にもつ頂點の能力だった・・・ 力を使い、大切な物を守り抜く。 これはそんな主人公の異世界生活の物語。 注意無雙はしません。 応援お願いします。 更新は進みしだい更新します。 不定期の更新だと思います。
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