《【書籍化】勝手に勇者パーティの暗部を擔っていたけど不要だと追放されたので、本當に不要だったのか見極めます》07 ルナの愉悅

距離と日數に関しては、わりとガバ設定なのが問題です。特別な移方法があるのかもしれない。

「あははははっ! ついにやりやがったぜ、あいつらっ! いやー、カツカツになるとは思ってたけど、こうもあっさりとはなぁ……くっ、くくくくっ♪」

ギフティアの本部、ルナの住居。

その私室に、ご機嫌な笑い聲が響いている。

「楽しそうだな、ルナ」

「あったりめーだろぉ? ダーリンを追いだしたお花畑どもが、こうも落ちぶれていくってのは、わかりきってても笑えるっての♪」

機に並べられる報告の資料には、勇者パーティの現狀が記されていた。

無數のぼったくり被害に加え、雇ったスカウトによる全財産の持ち逃げ。

それにともなうアルバイト生活において、勇者パーティともあろうものが薬草摘みにをだし、そのない報酬から、さらに中抜きされているという事実。

にいたっては勇者に苦労をかけさせまいと、仲間の目を盜み、ギフティアの運営する水商売にもをだしているそうだ。

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をだすっていうか、だされるって――」

「やめろ、ルナ」

の口から溢れる下ネタを制するも、彼の意地悪な笑みはおさまらない。

「いやー、一応は口止めしてるけどよぉ? これ教會にバレたら、聖様おしまいだろうに……どうするつもりなんだか」

「ミラはそもそも、アシュラムに仕えられればなんでもいいってくらい、あいつを信奉してたからな。教會から破門されたところで、痛くもかゆくもないんだろ」

逆にこの事態をアシュラムが知ったほうが、影響は大きそうだ。

「ま、王陛下に金の無心もしたみたいだし、店のほうは上がりかもなぁ」

とはいえ、その無心に対する王宮の反応も、非常に冷ややかである。

リンゴット伯の沒落も、冷たさに拍車をかけているのかもしれない。

そのリンゴット伯――父親の死亡と、生家の沒落を知ったリネアの反応も、報告書には詳細に記されていた。

現在は、ボロボロなくせに割増し料金を請求する、あこぎな安宿に引きこもり、食事すら取れずに塞ぎ込んでいるとのことだ。

今後の旅を続けていくことは、彼には難しいかもしれない。

「金がなくなった瞬間にこれとか、不幸の連鎖は怖いねぇ、ひひひひっ♪」

「俺もその一端を擔ってはいるけどな」

結果的に手を下すことになってしまったが、できることなら直接の関與をせず、顛末を見屆けたかったというのが本音だ。

「なんだよー、後悔してんのかー?」

「伯爵のほうは自業自得だろ、後悔することなんてないさ」

なくとも、ルナのために処理した仕事には、なんのためらいもなかった。

それを伝えるように、彼の頭を抱き寄せてやると、その笑みがけていく。

「んぅ……そんじゃ、あとはこれの処理だけかねぇ?」

これ――というのは、二人の腰かけるソファから見える位置に、で拘束されて転がされている、例のスカウトのことだ。

「ごめんなさいっ、許してくださいぃぃっっ! ギフティアのボスのっ、その旦那様のっ、関係者とは知らなかったんですっ! 本當ですぅぅっっ!」

「おー、旦那様ってのはいいなぁ。わかってんじゃねーか♪」

ご満悅といった表のルナを見て、スカウトの目に安堵とびが浮かぶ。

その反応に気づかないふりをしながら、ルナはクスクスと笑う。

「せっかくだし、人にするってのはどーよぉ♪ 絶倫すぎるダーリンの相手は、ひとりじゃがもたねーんだよな~」

もちろん、その目は笑っていなかったが。

人になりますっ! 奴隷でもかまいませんっ、やらせてくださいっっ! ですからどうかっ、命だけはっっ!」

そんなルナの言葉を額面どおりにけ取り、スカウトが必死にぶ。

ヒドゥンはそれを聞いたところで、彼の命運が盡きたことを悟った。

(まぁ――どのみち俺も、許すつもりはなかったけどな)

元仲間から金を奪ったことが理由――では、もちろんない。

あくどい冒険者による犯罪、特にスカウトによる詐欺や竊盜といった行為を、ギフティアは斷固として認めていなかった。

それらが発覚した場合は、すぐさま実行部隊をぶつけ、速やかに処分している。

今回、彼が捕らえられたのは、ヒドゥンの意向を確認するためだけだ。

そしてヒドゥンも、ルナの隣にいると誓った以上、ギフティアの方針に背くようなことはしない。

「……せめて苦しまないよう、ひと思いにやってやれ」

「んだよー、ダーリンはやさしいなぁ♪」

ケラケラと笑うルナを見て、スカウトはしばらく、きょとんとした反応を見せていたが――男たちに擔がれたところで、自の命運を悟る。

「え――ま、待ってくださいっ! 許してっ、なんでもしますからっっ! あああぁぁぁぁっ、いやあぁぁぁぁっっ! 死にたくないのぉぉぉっっ!」

その命乞いの絶は、彼が部屋から引きずりだされた時點でピタリとやみ、それきり聞こえなくなった。

ノイズが消え、その靜けさに能をくすぐられたのか、ルナはヒドゥンの腳にスルリと腳を絡め、太ももにるようにを寄せてくる。

「よかったのか~? あいつので、こんなになってるくせにさぁ~♪」

「あいつのせいじゃなくて、お前がくっついてくるからだ」

の手が太ももの付けれ、艶めかしくで上げてくるのをじ、ヒドゥンは小さくを揺らした。

「ほぉんとかよぉ~?」

「信用できないとなんか、寢られるわけもないからな」

こんな挑発をしてくるというなら、もう我慢は必要ない。

背中と腳に手を添えると、ルナも心得た様子で首に腕を回してくる。

細くて軽いだが、はとても溫かく、上質の絹のようになめらかだ。

しでも力を加えれば折れてしまいそうな、そんな華奢なをやさしく、丁寧に抱き上げ、奧に置かれる大きなベッドへ移する。

「んぅ……はぁっ、それじゃ――オレのことは、信用してんだ?」

「當たり前だ、誰よりもしてるさ。ルナ以外のは、しばらく信用できないだろうし――できるようになる日も、おそらくこないだろうな」

甘い香水の匂いがふくらむ、艶やかな黒髪をすくい上げ、鼻先を埋めるように口づける。

そのにピクリとを震わせた彼は、甘い吐息とともにヒドゥンに抱きつき、ひと言――。

「ん、そっか……」

ポツリと、そうつぶやいた。

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