《【書籍化】勝手に勇者パーティの暗部を擔っていたけど不要だと追放されたので、本當に不要だったのか見極めます》08 ティアナを襲う悲劇

しかなり鬱かもしれません。ご容赦ください。

※21/10/14追記

警告ったので大幅カットしました。

困窮した懐合も改善した勇者一行だが、彼らはいまだ、辺境の小さな町に逗留していた。

理由は言うまでもない、リネアが完全に気力を失っているからだ。

「リネア、今日も出てこないわね……無理もないけど」

「ああ……だけど、無理に引きずりだすわけにもいかないからね」

アシュラムの言葉はやさしいように聞こえて、厳しいものである。

彼らがリネアにむものは、自分の足で立ち、悲しみを乗り越え、再び魔王討伐の旅に復帰してくれることだ。

どうしても不可能ということがわかれば、無理にでも連れだし、別れを告げ、馬車に押し込んで、王都に強制送還することになるだろう。

だが、まだそのときではない。

いつまでも待つことはできないが、訃報を聞いてからの日數を考えれば、まだ判斷を下すには早いタイミングである。

なくともアシュラムは、そう考えていた。

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「――ともかく、せめて彼が顔を見せてくれるまでは、滯在しておかないとね」

そういって立ち上がる彼には、今日もギルドの仕事がっている。

薬草摘みの実績のおかげか、し前から簡単な討伐依頼も注できており、資金調達は順調だった。

王家からの援助金はもちろん殘っているが、さすがに彼らも學習はしており、すぐに手をつけたりはしない。

それはいざというときの備えで、なくともリネアが戻ってくるまでは、ギリギリの生活でしのぐつもりだった。

なことに、まず文句を言いそうな彼は、その元気すらない狀態だ。

「それじゃあ、いってくるよ」

「ええ、気をつけてね」

出かける彼を見送ったティアナは、まるで夫婦のような會話だったと思いいたり、頬を熱くする。

ヒドゥンが去ってからの厳しい道中で、ティアナは幾度もアシュラムに勵まされ、支えられてきた。

そんな彼に惹かれないはずもなく、められ、を重ねたこともある。

初めてキスをしたときは、ミラに申し訳ない気持ちでいっぱいになったが、最近は気にならなくなっていた。

いまの彼は――あまり口にしたくない、聖らしからぬ仕事をしている。

それをアシュラムに伝えないのは不誠実だし、そんなミラが彼の隣にいるのは、はっきりいって好ましくないとじていた。

自分がその分、彼に誠実に盡くそうと考えるのは、なくともティアナにとっては自然な発想なのである。

(別に、ミラが邪魔っていうわけじゃないけど……私のほうが想っているって、彼には伝わっているのかしら……)

このを無理にでも擁護するなら、ヒドゥンと別れ、過酷な生活を続けたことで、ティアナの神もギリギリまで耗させられていたのだろう。

その心を支える――悪くいえば依存する対象として、彼の無意識はアシュラムを選んだのだ。

彼の心を惹きつける方法を考え、やがてティアナはポンと手を打つ。

「……そうだわ。討伐依頼なら、きっとお腹を空かせて帰ってくるわよね。今日はしだけ、手の込んだ料理にしようかしら」

安宿は食事も出ないため、食生活は基本的に自炊である。

四人のうち、まともに料理ができるのはティアナだけであり、食費についてはある程度の裁量が與えられていた。

それを活かしてアシュラムの胃袋をつかもうと、ティアナは鼻歌まじりで財布を手にし、食材の買いだしに向かう。

その行が、彼にとって最大の悲劇を招くとも知らず――。

辺境の町というだけあり、その土地は非常に貧しかった。

しかも一行が泊まっているのは、貧しい町でも選りすぐりというべきか、最安値のボロ宿である。

そうした店ばかりが並ぶ界隈は、いうなればスラムだ。

そんな場所をか弱い士がひとり、武も持たず無防備に、財布だけを持って歩き回るなど、明らかな自殺行為である。

その士がしく、満なバストを中心にスタイルもよく、上質なローブを著た小綺麗な格好をしているとなれば、的になることは避けられない。

、羨、嫉妬、憎悪――。

様々なをぶつけられながら、それらにまったく頓著しないティアナは、薄汚れた路地を抜けて大通りへ向かおうとする。

それでも普段なら、アシュラムという存在が付近にいることを危懼し、そうした悲劇は招かなかっただろう。

だが、彼らは知っていた。

その男は先ほどギルドに出かけ、その依頼で町の外へ出向いていることを。

あるいは『彼』さえ殘っていれば、そんなことにはならなかった。

あらゆる悪意から彼を守り、いころからナイトとして傍にいた存在。

自分が傍にいられないときでも、自衛のために必要なことを教え、それを守るよう徹底して言い含めていた。

せめて、それだけでも覚えていればよかったのだが――もはやあとの祭り。

彼から離れたことが原因か、それとも、厳しくも平穏な日常を送ることで、危機が薄れてしまったのか。

はたまた、意識的に彼の存在を頭から消し去ることで、いまのパートナーにすべてを捧げていると、自の心を演出したかったのか。

いずれにせよ彼は、大事な教えすらも忘れ去ってしまうという、最大の過ちを犯していた――。

「確か、ここを抜ければ近道なのよね――んぅっっ!?」

一瞬の出來事だった。

ほったて小屋のような薄暗い家屋からびた手が、ティアナの口を塞ぎ、四肢を捉え、暗がりの中へ引きずり込む。

「んぐっっ、んんんぅぅっ! んんぅぅ――っっ!」

目を見開いて暴れるも、中には複數の――おそらく男たちがいたのだろう、の手ではなんの抵抗もできない。

四肢を押さえつけられ、目隠しと猿轡を噛まされ、開かされた腳を曲げさせられ、屈辱的な勢をしいられる。

(なにっ……なんなのっっ!? なにがっ……誰が、いったい――いやぁぁっっ!)

ローブの裾が限界までめくられ、太ももの付けまでを曬された恥に、耳の先までが熱く染まった。

恥辱はそればかりではない。

別の手が刃を手にしているのか、ローブの元がたやすく引き裂かれる。

「あぐっっ、んぐぅぅぅっっ! んぅっ、んむぅぅぅっっ!」

抵抗する聲を響かせるティアナだったが、そのは恐怖に強張っていた。

(いやっ、いやっっ、いやぁぁぁっっ! 助けてっ、誰かっ……誰かぁっっ!)

見開いた目に涙が浮かび、開いた口端から涎がこぼれ、表は屈辱に染まる。

(どう、して……どうして私が、こんなっ……こんな、目にっ……ひぃっ!)

直し、けなくなった哀れな獲に、無數の獣が襲いかかる。

その恐怖と恥辱にまみれた時間は、永遠にも思えるほどに長く続き、繰り返され、ティアナはも心も尊厳も、ズタズタに引き裂かれた――。

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