《【書籍化】生贄になった俺が、なぜか邪神を滅ぼしてしまった件【コミカライズ】》風の谷
「エルト、こっちよ。早く來て」
數時間後。俺とセレナは強い霊を求めて村の東へと向かっていた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ……。視界が眩しくてセレナが良く見えないんだ」
霊視を覚えてからというもの、周囲を微霊が飛び回っているのが見えてしまう。そのせいで視界が覆われてしまい、足場の悪い場所を歩くと転びそうになっている。
「そっか……そういえばエルトにはオーラの抑え方を教えてなかったわね」
「オーラの抑え方?」
俺はセレナの言葉を聞き首を傾げる。
「私達も常にオーラを出しているわけじゃないの。オーラが出ているとそれを好んで微霊が集まるでしょ? そうすると眼を使うことになって疲れちゃうし。必要がない時はオーラを閉じるのよ」
「でも俺が霊視を得た時全員ってなかったか?」
セレナの説明に俺は首を傾げてみせた。眼が開いた時には全員がオーラを纏っていてそこら中に微霊が漂っていたのだ。
「それはエルトの為よ。霊視を覚えるには多くの霊を視る必要があるから。私たちの村で霊視を使えるエルフは全員エルトが開眼しやすいようにオーラを出して微霊を集めていたのよ」
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その説明で納得する。霊視を覚えるためには微霊が必要だったが、皆こっそりと協力してくれていたようだ。
「皆にはお禮を言わないとな」
暖かいものが流れる。俺は心の中で謝をしていると。
「お禮はいいわよ。エルトが來てからなんだかんだ皆楽しそうだし。この前だって大量の食糧を用意してくれたしね。こっちだって良くしてもらってるんだからおあいこよ」
自然と笑みを浮かべると、俺はセレナに質問をする。
「それでどうやってオーラを閉じればいいんだ?」
「今エルトのからオーラが湧きあがってるでしょ? その全から出ているオーラをの中にとどめるようにイメージしてみて」
言われるままに行してみる。すると……。
「うん、いいじね。オーラが小さくなってきたわ」
セレナのその言葉とともに視界から微霊が薄くなり消えていく。
「とりあえずそんなところでいいわね。あまりオーラを消し過ぎるといざというとき霊を呼び出すのに時間が掛かっちゃうし」
なるほど、このオーラの出しれには慣れる必要がありそうだ。
「それじゃあ、きやすくなったところで改めて行くわよ」
俺はセレナに従うと迷いの森を歩くのだった。
「ここが風の谷と呼ばれている場所よ」
そこは螺旋階段がどこまでも深く続いている場所で、一見すると地の底が見えない。
「ここに強力な霊がいるのか?」
「ここは風の霊たちが好んで住み著く場所で、下に行けば行くほどに強い風が吹いているの。ここでなら上級霊にだって會える可能があるわ」
下からは「ヒョオオオオオオオオ」と風を切る音が響いている。眼を凝らしてみると緑をしたが飛び回っている。それら1つ1つが風の霊に違いない。
「いい。エルト? ここはどれだけ奧深くまで続いているのか確認したエルフがいない場所なの。降りて行ってこれ以上無理だと判斷したら戻るのよ?」
セレナが真剣な瞳を俺に向けると忠告してくる。俺はその言葉に頷くと。
「ああ、わかった。セレナの判斷に従うと約束しよう」
ここでなら目的の霊を見つけることができそうだ。
「よろしい。それじゃあ行くわよ」
俺が頷いたことに満足したのか、セレナは俺の手を握ると階段を降り始めるのだった。
★
『また懲りもなく何者かが力を求めに來たか?』
自分のテリトリーに侵する者の気配をじるとソレは瞼を開いた。
『ヒトは愚かだ。傲慢にも我等を従えられると思っているらしい』
この世界に顕現してから數千年。これまで多くのエルフがソレの力をし谷底を目指した。
『だが、辿りつけた者はわずか』
下に降りるほどに霊の力が強くなり、風が吹き荒れている。それに飛ばされないためには並外れた力が必要になる。
『仮に辿りつけてもそれで終わる』
それでも地の底まで降り切ったエルフは過去に何人もいた。だが、地の底でソレに出會い絶する。
『今度の侵者はここまで辿りつけるのか?』
ソレの興味はそこで盡きた。どうせ自分の元に辿り著いたとしてもどうにもならないからだ。
『分不相応な力を求めるからにはそれなりの代償を與えてやる』
そう呟くとソレは瞼を閉じた。そのものは數千年の間こう呼ばれていた。
――風の霊王ヴァルゼディ――
★
書籍・漫畫化/妹に婚約者を取られてこのたび醜悪公と押しつけられ婚する運びとなりました~楽しそうなので張り切っていましたが噂が大げさだっただけで全然苦境になりませんし、旦那様も真実の姿を取り戻してしまい
【書籍化・コミカライズ企畫進行中】 「私は父に疎まれておりました。妹に婚約者を取られても父は助けてくれないばかりか、『醜悪公』と呼ばれている評判最悪の男のところへ嫁ぐよう命じてきたのです。ああ、なんて――楽しそうなんでしょう!」 幼いころから虐げられすぎたルクレツィアは、これも愛ゆえの試練だと見當外れのポジティブ思考を発揮して、言われるまま醜悪公のもとへ旅立った。 しかし出迎えてくれた男は面白おかしく噂されているような人物とは全く違っており、様子がおかしい。 ――あら? この方、どこもお悪くないのでは? 楽しい試練が待っていると思っていたのに全然その兆しはなく、『醜悪公』も真の姿を取り戻し、幸せそのもの。 一方で、ルクレツィアを失った実家と元婚約者は、いなくなってから彼女がいかに重要な役割を果たしていたのかに気づくが、時すでに遅く、王國ごと破滅に向かっていくのだった。
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