《【書籍化】生贄になった俺が、なぜか邪神を滅ぼしてしまった件【コミカライズ】》ベテラン冒険者

「とりあえずどの依頼にしようか?」

あれから付を離れた俺たちは、早速なのでギルドの依頼をけてみることにした。

皆の注目を集めながら掲示板の前に移する。

掲示板には討伐依頼から収集依頼など、多數の紙がられていた。

「そうだな、ここはゴブリン討伐依頼とかどうだろうか?」

まずは簡単な依頼からこなしていく。ゴブリンなら來る途中に結構見かけたし、やつらは街の近くの農場から家畜を攫って行くので被害を抑える意味でもやっておくべきだ。

故郷で散々被害にあっているのを見てきたので喜ぶ人の顔が浮かぶのだ。

「なら私は採集依頼にするわ。一度にけられる依頼は1つまでだし。このポーション用のハーブを10個採集なら簡単だしね」

セレナは植の見分けが得意なので良い選択だ。

俺とセレナは依頼容を確認すると付に申請に行こうとするのだが……。

「おいおいっ! ちょっと待ちなよ」

冒険者の1人が聲を掛けてきた。斧を背中に擔いだ壯年の男だ。

「何か用でしょうか?」

俺が返事をすると……。

「お前たち新人だろ? 俺たちが冒険者の心得ってやつを教えてやるよからよぉー」

「へへへ」

いつの間にか囲まれている。顔に傷があるせいでいかつく見える男は笑っており、俺たちはその提案を――

「よし、そこで正面から突っ込め。ゴブリンは見た目の通りが軽い。勢いでぶつかればあっさりと有利なポジションをとれるからな」

「はいっ!」

「ハーブもね、いくつかポイントがあるのよ。生えやすい場所を覚えておいて全部を摘まないようにすればまた何日か経てば生えてるの。そうすれば採集の手間が隨分と減るわ」

「なるほど、勉強になるわ」

俺たちは現在、冒険者の人たちの指導をけている。

指導をしてくれているのは街で中堅冒険者のラッセルさんのパーティーだ。

顔が怖いが面倒見の良い人で、いつも冒険者に登録したての人間に聲を掛けては初心者にありがちな失敗を教えているらしい。

「よし、良いぞエルト。だが、武の威力に頼るな。若いうちから楽を覚えたら技びないからな」

迷いの森を踏破してきた俺とセレナならこの辺にでるモンスターに負けることはない。

だが、冒険者にしかわからない獨自のルールというのも存在する。今セレナが習っているハーブの摘み方もそうだ。

ゴブリン討伐にしたって討伐記録は冒険者カードに殘るが、倒す場所とかについては指示がない。

民家近くの平原などにいるゴブリンを倒さなければ被害は抑えられない。

だが、數をこなすだけならば森にって窟なんかを攻めればよい。

街に付く冒険者として多手間はかかっても皆が喜ぶようにと指導をしてくれていた。

「ありがとうございます」

そういう事なのでこちらとしても素直に従っていると…………。

「よし、今ので10匹討伐したな。依頼完了おめでとう」

ラッセルさんはそう笑いかけてくるのだが、慣れてきても何かを企んでるようにしか見えないのは損をしていると思う。

「こっちもハーブの採集終わったわよ」

セレナが手を振っている。どうやら問題なく終わったようだ。

「よし、それじゃあ引き上げるとするか」

ラッセルさんの號令で俺たちは街へと引き返していくのだった。

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