《【書籍化】生贄になった俺が、なぜか邪神を滅ぼしてしまった件【コミカライズ】》責任問題になる
★
――ザッザッザ――
無造作に進んでいるのか侵者の足音が聞こえる。
私は木のに隠れると機會を伺っていた。
(一何の目的で? エリバンが裏切った?)
王である私がここにいることを知っているのはエリバン王國の重鎮と同行の騎士だ。
同行の騎士の選定には気を使ったし、何よりここで私に危害を加えたところで責任問題になる。
(そう考えるとエリバンかしら?)
だが、エリバン王國も我が國と敵対する意味がない。そもそもの話、これまで國がなかったのだから、恨みもなければ縁もないのだ。
今回の調査みたいに便宜をはかることはあっても邪魔をする意味はない。
(いずれにせよ、相手の意図がわからないなら先制した方がいいわね)
結界を壊してってきているのだ、とりあえず無力化してから拷問にでもかけて目的を聞き出せばいい。
しばらく息をひそめて待つ。相手の実力が図れないとなると、心臓が脈打つ。
私はどうにか心をコントロールすると音もなく剣を抜いた。
Advertisement
そして、目標の影が映ると……。
「はっ!」
死角から飛び出すと斬りつけた。
――キイーーーーン――
金屬がぶつかる音が泉にこだまする。
「いきなり何をするっ!」
目の前には1人の青年が立っていた。
年のころは私と同じぐらい。だが、妙に目が惹かれてしまいそうな顔立ちに一瞬私の思考が鈍った。
「それはこちらの臺詞よっ! 大人しく倒されなさいっ!」
完全な不意打ちを防いだことも驚きだが、恐ろしく綺麗で鋭い剣が目にる。
あのタイミングで剣をけたということは最初から帯剣していたということになる。
そうならばやはり目的は私ということになる。
「っと! くそっ! 話ぐらい聞いてくれてもいいだろうがっ!」
男は私の剣を躱しながらも會話を続ける。もしかすると仲間が駆けつけてくるまでの時間稼ぎだろうか?
「やるじゃない。私の剣をここまで躱す人間は久しぶりねっ!」
王國で、私に並びたつ剣士は存在しなかった。
私は初めてまみえる強敵を前に自然と口の端が釣りあがる。
「ったく。クズミゴには臭いをつけられるし、変なに斬りかかられるし……。呪いでも掛けられてるんじゃないか?」
「だ、誰が変なですっ! この無禮者っ!」
小手調べは終わりとばかりに私は男へと飛び込む。そして……。
「【ロイヤルバッシュ】」
剣が輝き力を増幅した橫薙ぎを放った。この威力は金屬の盾ごと騎士の鎧を斬り裂く。普通に避けるしかない攻撃だ。
相手が思っているよりも手練れだったので、手加減が出來なかった。腕の1本ぐらいは諦めてもらう。
そんな、覚悟で放った1撃が……。
――キンッ――
「えっ?」
手に伝わってくるのは最小の衝撃。
本來強い力がぶつかればお互いの腕に衝撃が走るはず。
だが、目の前の男はその衝撃を完全に殺すけ方をしたということになる。
「っ!」
私は警戒すると距離をとった。
今のようなけ方は余程相手との実力差がなければできない。つまりこれをされた時點で相手の方が強いということに。
「はぁ、仕方ない。話を聞く気がないなら無力化させてもらうからな」
ようやく男は真剣になり剣を構えた。その型は使う人間を見たことがない、だが知っている型だった。
「それは古流型剣ね?」
「どう呼ぶかは知らないな。知り合いのエルフが使っていたから教わったんだよ」
エルフは余程の変わり者でなければ人間を好んでいない。
そんなエルフと知り合いというのは個人的に興味を惹かれる。
「それじゃあ……。け損なうなよ?」
真剣な言葉にをゴクリとならす。今まさに攻撃がくる。目の前の男に集中していると……。
「ふっ!」
一瞬にして男との距離がゼロになった。そして…………。
「っ!」
何とか目で追えたのは3撃目まで。私はその攻撃を3度けるとバランスを崩し……。
「きゃあっ!」
4撃目をけると吹き飛ばされ泉へと落ちた。
「ちょっ! わぷっ!」
咄嗟のことで慌てる。攻撃をけた手が痺れていて水を飲んでしまった。
このまま溺れてしまうのか。そんな風に水中から上を見ていると……。
「大丈夫か?」
手をグイっと引っ張られ水中から顔を上げる。
「ケホッケホッ!」
口の中から水を吐き出し、目の前の男に抱き著く。
男は泳いできたようで服が水にぬれてべったりと張り付いていた。
「悪かった。もうし手加減しても良かったんだけど、避けられる気がしたんでな」
「あ、あれで手加減したって……噓でしょう?」
水に濡れた顔が目の前にある。至近距離から男を見ていると視線を外せなくなりドキドキしてきた。
しばらくの間、男と見つめ合う。男の澄んだ瞳に吸い込まれそうになり顔が自然と近づいていくのだが……。
「そ、それより離れてもらっていいか?」
男は私から視線を逸らすと要を口にする。私が首を傾げると……。
「非常に言いづらいんだが、服が水でけている」
その指摘に私は自分のを見る。すると……。
「きゃあああああっ!」
慌てて背を向ける。私の服も濡れてけていたからだ。
「すまない。不可抗力なんだ……」
そう言って謝る男。私は涙目になると男を睨みつけた。
「せ、責任とってもらうからねっ!」
★
【書籍化決定】美少女にTS転生したから大女優を目指す!
『HJ小説大賞2021前期』入賞作。 舊題:39歳のおっさんがTS逆行して人生をやり直す話 病に倒れて既に5年以上寢たきりで過ごしている松田圭史、彼は病床でこれまでの人生を後悔と共に振り返っていた。 自分がこうなったのは家族のせいだ、そして女性に生まれていたらもっと楽しい人生が待っていたはずなのに。 そう考えた瞬間、どこからともなく聲が聞こえて松田の意識は闇に飲まれる。 次に目が覚めた瞬間、彼は昔住んでいた懐かしいアパートの一室にいた。その姿を女児の赤ん坊に変えて。 タイトルの先頭に☆が付いている回には、読者の方から頂いた挿絵が掲載されています。不要な方は設定から表示しない様にしてください。 ※殘酷な描寫ありとR15は保険です。 ※月に1回程度の更新を目指します。 ※カクヨムでも連載しています。
8 93【書籍化】竜王に拾われて魔法を極めた少年、追放を言い渡した家族の前でうっかり無雙してしまう~兄上たちが僕の仲間を攻撃するなら、徹底的にやり返します〜
GA文庫様より書籍化が決定いたしました! 「カル、お前のような魔法の使えない欠陥品は、我が栄光の侯爵家には必要ない。追放だ!」 竜殺しを家業とする名門貴族家に生まれたカルは、魔法の詠唱を封じられる呪いを受けていた。そのため欠陥品とバカにされて育った。 カルは失われた無詠唱魔法を身につけることで、呪いを克服しようと懸命に努力してきた。しかし、14歳になった時、父親に愛想をつかされ、竜が巣くっている無人島に捨てられてしまう。 そこでカルは伝説の冥竜王アルティナに拾われて、その才能が覚醒する。 「聖竜王めが、確か『最強の竜殺しとなるであろう子供に、魔法の詠唱ができなくなる呪いを遺伝させた』などと言っておったが。もしや、おぬしがそうなのか……?」 冥竜王に育てられたカルは竜魔法を極めることで、竜王を超えた史上最強の存在となる。 今さら元の家族から「戻ってこい」と言われても、もう遅い。 カルは冥竜王を殺そうとやってきた父を返り討ちにしてしまうのであった。 こうして実家ヴァルム侯爵家は破滅の道を、カルは栄光の道を歩んでいく… 7/28 日間ハイファン2位 7/23 週間ハイファン3位 8/10 月間ハイファン3位 7/20 カクヨム異世界ファンタジー週間5位 7/28 カクヨム異世界ファンタジー月間7位 7/23 カクヨム総合日間3位 7/24 カクヨム総合週間6位 7/29 カクヨム総合月間10位
8 52異世界から日本に帰ってきたけど、やっぱりダンジョンに入りたい! えっ、18歳未満は禁止だって? だったらひとまずは、魔法學院に通ってパーティーメンバーを育成しようか
異世界から帰ってきた楢崎聡史と桜の雙子は、胸躍る冒険の日々を忘れられなくて、日本に発生したダンジョンに入場しようとする。だが〔18歳未満入場禁止〕という法律の前に、二人の希望は潰えてしまった。そこに救いの手を差し伸べたのは、魔法學院の學院長。二人の能力に気が付いて、即戦力としてダンジョンの攻略をさせようと、學院への編入を勧める。ダンジョンに入る権利を手に入れようと試験を受ける二人…… だが彼らの想像以上に、日本の魔法はレベルが低かった。異世界帰りの高いレベルと數多くのスキル、そして多種多様な魔法を生かして、學院生活を送りながらダンジョンを攻略する雙子の活躍に、次第に注目が集まっていく。 肩の力を抜いて読める內容です。感想等お寄せいただけると、とても嬉しいです!
8 193魔法科高校白百合學園底辺クラス1年C組〜実力で示してみろよ〜
魔法が使える世界、"魔界"に設立された『白百合學園魔法科高校』。 主人公、千葉 晴生《ちば はるき》は白百合學園1年C組という底辺のクラスに配屬される。 擔任の片岡 日寄《かたおか ひより》から、 底辺から脫出したければ実力で示せと言われるが、クラスの仲は徐々に悪くなっていくばかりであった。 そんな中、クラスを一致団結させようと篠原 盟《しのはら めい》が晴生に協力してほしいと頼まれるが…? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー お気に入りやコメント、いいねなど小説を書く上でとても勵みになります!少しでも良いなと思ったら、お気に入りやコメント、いいねよろしくお願い致しますm(__)m 同時連載中の作品...『勝ったら賞金10億』ゲーム依存者がデスゲームに參加した結果。 暇があれば是非!
8 110かわいい俺は世界最強〜俺tueeeeではなく俺moeeeeを目指します〜
艶やかな黒髪、ぱっちりお目、柔らかな白い四肢。主人公の腹黒ロリ男の娘カナデが目指すのは俺tueeeeではなく俺moeeee! 磨いた戦闘力(女子力)と変態女神に貰った能力『萌え』を駆使して、異世界を全力で萌えさせます! そんなカナデが異世界にて受けた言葉「貧相な體。殘念な女だ」。カナデは屈辱を晴らすため(男です)、能力『萌え』を使って屈辱の言葉を放った領主の息子アレンに仕返しすることを決意する。 章毎にテーマの屬性を変更予定。 一章完結! 二章準備中! 【曬し中】
8 125內気なメイドさんはヒミツだらけ
平凡な男子高校生がメイドと二人暮らしを始めることに!? 家事は問題ないが、コミュニケーションが取りづらいし、無駄に腕相撲強いし、勝手に押し入れに住んでるし、何だこのメイド! と、とにかく、平凡な男子高校生と謎メイドの青春ラブコメ(?)、今、開幕!
8 66