《【書籍化】生贄になった俺が、なぜか邪神を滅ぼしてしまった件【コミカライズ】》犯罪奴隷

「さて、こいつらだけどどうしようか?」

全員のぐるみを剝いだ上で縄で縛って地面に転がしてある。

盜賊の無力化を陣にやらせるわけにはいかなかったので、すべて俺一人で行った。

「捕まえた盜賊の裝備は倒した人のになるからエルト君のね」

アリスはそういうと積み上げられた裝備の數々をみた。

「とはいっても、俺一人で倒したわけじゃないし」

見たところ凄い裝備があるわけでもないし、盜賊が使っていた裝備ということもあり、あまり手元に置いておきたくない。

「私はいらないわ。エルトにあげる」

「私も不要ね。まさか店に売りに行くわけにもいかないし」

セレナとアリスがそれぞれ分け前の分配を拒否してくる。俺はどうするか考えながらアリシアを見るのだが……。

「わ、私は何もしてないからけ取れないよ!」

慌てた様子で手を大げさに振って斷ってきた。裝備についてはとりあえず後で考えよう。俺は盜賊たちを見ると……。

「それにしてもこいつらどうするかな?」

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大半の者はアリスとセレナにやられて気絶している。だが中には意識があったり痛みでうめき聲をあげている者もいる。

そいつらは俺がじっと見ていると何やらビクビクとを震わせていた。

「盜賊たちは街の兵士に引き渡せばお金になるわよ」

俺がどうするか考えていると、アリスが指をぴっと立てて説明をする。

「こんな盜賊なんてどうするの?」

セレナが興味を示したのかアリスに質問をした。

「えっとね。ほぼすべての國で共通の法律があるんだけど、犯罪を犯した人間はその罪の重さに応じて懲役中は奴隷へと分を落とされるのよ」

その話は俺も聞いたことがある。

奴隷におとされた人間はその懲役期間中、未開拓の土地であったり鉱山だったり。とにかく的に、神的にきつい場所へと送られる。

そこで國の管理の元、過酷な労働をさせられるのだ。

「というわけで、國に引き渡せばエルト君は盜賊たちの懲役期間中の報酬を得ることができるって訳なのよ」

アリスがセレナに人間社會の仕組みについて説明するのだが……。

「でも、エルトお金なら一杯あるよね? ここまで來て引き返すのも面倒じゃない?」

セレナは首を傾げるとそう言った。

「確かにな。この人數を連れて引き返すとなれば來た時の數倍は時間が掛かる」

ましてや盜賊たちの裝備もあるのだ。中に詰め込んだだけで荷が一杯になるので俺やアリシアも歩かなければならないだろう。

「だったら殺しちゃう?」

「えっ、アリス様! こ、殺すんですか?」

アリスがそう言うとアリシアがぎょっとした顔でアリスをみた。

「仕方ないわよ。これまで被害にあった商人やの子のことを考えたら……ね」

このまま野放しにするという選択肢は俺にもなかった。

自分が見逃したことで新たな犠牲者がでる可能は捨てきれない。

國に引き渡さないのなら殺してしまうのが一番手っ取り早いだろう。

「そ、そうですよね……」

アリシアも表を険しくした。無理もない。彼はこれまで多くの人間の怪我を癒してきた。犯罪者とはいえ目の前で手を下すところを見たくはないのだろう……。

「エルト君どうするの?」

そんなアリシアをよそにアリスは決斷を迫る。このメンバーのリーダーは俺だと認識しているからだろう。

「アリス。城の偉い人に手紙書いてくれないか?」

「いいけど、どんな文面で?」

「『盜賊たちを捕まえたから引き取りに來てくれ』と」

「それは構わないけど、王國に引き返すにしても時間がかかるんじゃ?」

アリスは誰かが馬車に乗り王國まで手紙を屆けるのだと思ったようだ。

「いや、それについては問題ない。……マリー」

「はいなのですよ!」

俺が呼ぶとマリーが姿を現した。

「マリー。手紙ができたら城にいる宰相さんに屆けてくれ」

「えぇ……。主人さまから離れて人族に……なのです?」

とても不満そうな顔をするマリー。

「すまないが、頼めないか?」

マリーの人族嫌いを知っているので酷な願いだとはわかっている。俺はマリーにお願いをすると……。

「ご主人さまの頼みはことわれないのです。ささっと行って戻ってくるのですよ」

意識をきりかえたのかそう言ってくれる。

「ありがとうな」

俺はマリーの頭をでると、

「えへへへ。主人さまのお役に立てるならそれがマリーの幸せなのです」

をスリスリと寄せてきた。

「エルト君。手紙を書けたわよ。ついでに盜賊の裝備も回収してくれるように書いておいたわ」

「気が利くな」

これから迷いの森に行くのだから荷は軽い方が良い。

「それじゃあ、マリー頼んだぞ」

「はいなのです。では、行ってくるのですよ」

マリーは浮かび上がると空を飛んで行った。あの様子なら直ぐに戻ってくるだろう。

その後、數十分ほどで戻ってきたマリーから「すぐに人を寄越すと言っていたのですよ」と返事を聞いた俺たちは、盜賊たちをマリーの結界で閉じ込めると迷いの森へと進むのだった。

既に活報告で連絡はしてありますが報告があります

それはこの作品

『生贄になった俺が何故か邪神を滅ぼしてしまった件』

の書籍化が決定しました。

発売時期と出版社については報が解になり次第、活報告にてお知らせいたします。

今しばらくお待ちいただければ幸いです。

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