《【書籍化】生贄になった俺が、なぜか邪神を滅ぼしてしまった件【コミカライズ】》注目の的

目の前にいる全員の視線が集まる。

參加者たちは全員高級な服裝にを包んでおり、いで立ちにも品がある。そんな彼らの視線を一心に集めた俺は、慣れない狀況に心で焦りを浮かべていた。

パーティー會場は広く、エントランスからワイングラスを片手にこちらを見下ろす人もいる。

どこか惚けた表をしているが、興味を隠さないその視線に俺は値踏みをされているのだと悟った。

「ほら、エルト君。いつまでも突っ立てないで歩くわよ」

隣からアリスがせっついてくる。

元が開いた赤いドレスにを包みながら、俺の左腕に自の腕を絡めている。

普段から綺麗だとは思っていたが、こういう社の場では化粧をしているらしく、そのしさに周囲の人間も心を奪われているようだ。

「ああ、いくぞ」

歩調を合わせるべく聲を掛けると俺たちは皆が待つパーティー會場の中へとっていった。

「それにしてもその若さで國を買える程の財産を持つとは羨ましいですな」

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「おとぎ話にでてきた天空の城の持ち主だとか。一度乗ってみたいですわ」

「邪神を討伐されたとか、是非一度武の指南をお願いしたいものです」

俺たちが場すると、待っていたかのように人が殺到してくる。猛獣を思わせるようなギラついた瞳とグイグイ距離を詰めてくる人たち。

「ええ、まあ……」

そんな人間を相手に俺が引いていると……。

「失禮。エルト様はこういった場に慣れていませんので。皆さまお手らかにお願いしますね」

アリスがそう言うと、その場の人間はそちらへと注目した。

「確か、イルクーツ王國のアリス王でいらっしゃいましたか?」

「ええその通りですよ。貴は確か、キアナ王國のモナ王でしたか?」

「ご存じだったのですか?」

まさか名前を言われると思っていなかったのか、モナ王は驚いた様子を見せる。

「以前、父に連れられて貴國を訪れた際にパーティーでお會いしましたよね?」

眩しいばかりの笑みを浮かべたアリスはそう言うと、モナ王の手を取った。

「ろくに言葉もわさなかったのに、覚えていていただけて激ですわ」

喜んでいるモナ王を橫目にアリスは振り返ってみせると。

「そちらのあなたはコパック王國の第二王子、貴はニナナ王國の公爵令嬢でしたわね?」

次々と言い當てるアリス。彼は周囲を巻き込み圧倒して見せた。

「と、ところで、アリス王は英雄様とはどういった関係なのですか?」

だいぶ打ち解けてきたのか、話をしていた一人が質問をする。

その視線は俺の腕へと向いている。さきほどから相変わらずアリスが抱き著いている。

周囲の視線がますますきつくなった。

「ふふふ、どのように見えますか?」

口元に手を當て笑って見せるアリス。

「私がパーティーに慣れていないもので、相をしないかこうして付き添ってもらっているのですよ」

真実を言おうとしないアリス。放っておくと誤解が広がりそうなので俺は口を開いた。

「ま、まあ。の組み合わせでしたのでてっきり付き合ってるのかと思いましたわ」

「そんな、恐れ多いです。アリス様は厚意で付き添って下さっているだけなので」

実際、言っていることは間違いない。

俺は王族や貴族、そのパーティーの禮儀作法を知らない。

なぜこうしてアリスと腕を組んでいるのかというと、彼にパーティーの間のサポートを頼んだからだ。

「まあ、それではもしよろしければ私とも一緒に會場を回ってくださいませんか?」

そう行って一人の令嬢が開いている方の腕へと手をばしてくるのだが、

「コホン。エルト様は本日は私をエスコートしてくださるとおっしゃったのです。それともまさか、両手に花が希でしょうか?」

「まさか、今日の時間はアリス様に捧げると決めていますよ」

「あら、嬉しいです」

アリスはますます著すると嬉しそうな顔をした。

「それでは、私たちは他の方への挨拶もありますので。これで失禮しますね」

アリスはそう言うと、俺の腕を引っ張り歩き出した。

※報告

ご無沙汰しています。まるせいです。

ようやく、隙間ほどの時間ができたので、Webを更新できそうです。

『生贄になった俺が、なぜか邪神を亡ぼしていた件』

6/30になりましたらモンスター文庫様より発売します。

今回はコミカライズにした時を意識して改稿を行いました。

イラストレーターはチワワ丸様。を可く、男を格好よく描ける実力派です。

既にamazonなどでは書影も出ております。

イラストはどれも素晴らしい出來栄えなので、イラスト単でも買う価値があります!!是非お買い求めいただければと思います。

現在は、『生産カンストアパート』の原稿を進めていますので、そちらもそのうち本が出ます。Web更新は合間になってしまいますが、何卒宜しくお願い致します。

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