《【WEB版】劣等賢者のケモノ魔法革命〜「獣人は魔法が使えない劣等種だ」と宮廷魔師から追放されたけど、弟子とFランク冒険者を満喫してたら、いつの間にか最強の魔法學院ができていた〜:書籍化+コミカライズ》10.賢者様、得意の貓魔法で魔の群れを一掃する! ついでにライカの問題點も把握するよ!

「うわぁ、すごいいるじゃん」

悲鳴の場所に到著すると、びっくりである。

そこにはキラーベアが群れをなしていた。

やつらはガウガウ言いながら、の子の登った木を取り囲んでいる。

「ひぃいいい!? た、助けてぇええ!」

の子は小柄で、服裝からして冒険者っぽい雰囲気。

森に野草採集に來ていたのだろうか。

リス獣人らしく小さな耳と大きな尾がかわいらしい。

キラーベアは食旺盛なモンスターであり、武裝した人間だろうが躊躇せず襲ってくる。

しかも、固いに覆われている魔で、初級冒険者では歯が立たないと來たもんだ。

そもそも私の長の二倍ぐらいある大きなクマなのである。

普通なら怖いっていう以外、沸いてこないだろう。

「……クマって、群れるんですかね」

ライカが指摘する通り、異様なのはその數だ。十匹以上はいる。

キラーベアは基本的に一頭だけで行する魔なのに、群れるなんて珍しい。

奴らの一匹はの子を襲うべく、のそのそと木に登り始める。

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ふぅむ、弱い者いじめは好きじゃないね。

「あぎゃああ! あっちに行けえぇ! 私は小柄だし、可食部がすくないってばぁっ!?」

の子はというと、なかなかにえぐい悲鳴をあげる。

可食部なんて自分で言ってどうするのさ。

とはいえ、一刻も早く助けないと。

「ライカ、あのの子を頼める?」

「のろまなクマ野郎の相手なんて、おやすい用ですよ!」

私が指示を出すと、ライカはだだっと駆けだしていく。

さすがは剣聖の孫、ものすごいのこなしだ。

「お先輩様! OKですっ!」

は目にもとまらぬスピードでジャンプ!

熊の爪が屆く前にの子を確保し、こっち側に再び跳躍する。

さっすがは剣聖の孫娘!

だけど正直、君は理的に攻撃したほうが活躍できると思うよ、うん。

「えらいよ、ライカ! それじゃ、あんたたちは消えちゃいなさいっ! 【超音速の右爪(ソニックブーム)】!」

私は真空波を生み出す魔法を連続発

次の瞬間にはざしゅんっ、ざしゅんっと明な刃が空を切る!

ぎげぇえええええ!?

真空の刃が敵を襲い、ものの見事に両斷してしまう。

邪悪なキラーベアたちは塊へと変化してしまうのだった。

ふぅむ、さすがは私の四十八の殺人魔法の一つ、殺傷力がハンパじゃない。

ぐがぉおおおおお!

しかし、一匹だけ生き殘っているやつがいる。

ひときわが大きなクマ型魔、レッドヘッドキラーベアだ。

別名『アカカブト』と呼ばれ、遠い北の大地からやってきた突然変異モンスター。

たまに現れると、「冒険者殺し」との異名を持つこともある強い化けでもある。

に傷はついているけど、致命傷には至っていないらしい。

へぇえ、私の魔法を喰らって生きてるって、相當、固いみたいだね、あいつ。

「よぉし、私の出番ですね! 炎の矢よ敵を燃やせ! ファイアアロー!」

ライカは颯爽と魔の前に歩み出て、渾の魔法攻撃を繰り出そうとする。

ファイアアロー、それは炎の矢を敵に飛ばすという初級の攻撃魔法。

人間の魔法使いなら、魔法學院の一年生が習う魔法の一つだ。

「……あれ?」

しかし、ライカの前に炎の矢は現れない。

それどころか魔力を転換するための魔法陣さえ現れない。

モンスターは不思議そうな顔をしてライカを見ている。

「こなくそぉ、出ろ! 出ろ! 出なさいっ!! 出て下さぁああい!!!」

その後も何度かファイアアローとぶライカ。

懇願しようと泣きぼうと、やっぱり発しない。

魔法は神の集中が第一だし、焦れば焦るほど、ダメだってわかっているだろうに。

私はライカの焦る様子を見ながら、彼が魔法を使えない理由がしずつ理解するのだった。

「なるほど……」

私はライカの勘違いに気づいてしまった。

それも彼は魔法というものを本から勘違いしているのだ。

魔法というものは、ただの魔力の発ではない。

側にある魔力と心の中のイメージの力が合わさってり立っているのだ。

つまり、者が魔法を詳細にイメージできなければ、発しないってことなのである。

そして、私の研究が確かならば、そのイメージの仕方には普通人と獣人の間には大きな隔たりがあるのだ。

簡単に言えば、私たち獣人が普通人の真似をしても、そのまま魔法が出現するってわけじゃないってこと。

じゃあ、どうするかって?

ふふふ、私のとっておきのレクチャーをやってあげようじゃないの!

「面白かった」

「続きが気になる!」

「可食部って……」

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