《【WEB版】劣等賢者のケモノ魔法革命〜「獣人は魔法が使えない劣等種だ」と宮廷魔師から追放されたけど、弟子とFランク冒険者を満喫してたら、いつの間にか最強の魔法學院ができていた〜:書籍化+コミカライズ》27.賢者様、山と積まれたマンドラゴラを見て愕然とするのです
「お師匠様、どうすればいいんですか! 萬事休すですよ!」
目の前にはマンドラゴラの群生。
引っこ抜かないと森が危ないことになる。
ライカは八の字眉で困っているが、私はむしろ余裕しゃくしゃくだった。
マンドラゴラの対処法はそんなに難しくないのだ。
「ライカ、魔力を耳に集めて耳栓をするんだよ。そしたら、聞こえなくなるから」
そう、解決策は意外に簡単。
魔力を耳に集めさえすれば、マンドラゴラの絶は聞こえなくなるのだ。
早い話、いくら死に至る絶であっても聞こえなきゃ怖くないのである。
この魔力を耳に集めるという行為は魔力作でいえば初歩の部類だ。
私の場合は【貓の無関心】という魔法を使うと、他の人にもサイレント狀態を持続させることができる。
「わかりました! 耳に魔力を集めるんですね? なんかこう溫かいのを回していくイメージですよね……、うぐぐぐぐ!」
ライカは拳をぎゅうっと握って、ふんばる姿勢。
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実戦によって人は潛在能力を開花させるって言うし、いい機會かもしれない。
こんな森の奧でライカに魔法を指導するとは思ってなかったけど。
「ひぇえん、できませぇえん。ううむ、耳がピクピクくだけです!」
ライカはそう言うとケモ耳を用にかす。
ふぅむ、難しいなぁ。
この時、私はふと昔のことを思い出す。
魔法のトレーニングを始めるとき、賢者のおばあちゃんがいつもやってくれたことを。
「ライカ、ちょっと目をつぶって」
「ひぇ、はい? えぇえええ」
それはおでことおでこをくっつけて、魔力を共有することだった。
私は彼の頭をぐいっと引っ張って、半ば無理やり額にごっつんこする。
ちょっと恥ずかしいけど、魔力をじてもらうには一番の方法のはず。
ライカは私よりも長が高いから、背を丸めてもらう必要があるけどね。
「ライカ、自分の側に流れてくる熱に注目して」
「ひゃ、ひゃい……。ええと、この溫かいのですか?」
「そう、それだよ。それが中を駆け巡っていくのを観察して」
「はい……。なんだかポカポカしてきました……」
いいじ。
私とライカの魔力が馴染んで、一種の流れができているのだろう。
この流れを摑むことが魔法の第一歩なのだ。
私にとっては當たり前すぎて、こういった初歩の初歩をすっとばしていたらしい。反省。
私はライカの額から額を離す。
後は口頭での導で大丈夫だろう。
「じゃあ、その溫かいものが耳に集まってくるのをじて……」
「あっ、もっとよく聞こえるようになりました! すごいです、マンドラゴラの呼吸音が聞こえます!」
彼の顔がぱぁっと明るくなったので功したかと思ったが、まさかの事態。
確かに聞こえをよくする魔力作もあるし、方向は間違っちゃいない。
半分功したようなものだし、これはこれで結構な進歩だよね。
焦らずにゆっくり魔力作をマスターしていけば、いつかきっとできるようになるはず。
それにしても恥ずかしいなぁ、これ。
ライカってば、いい匂いしたし。くぅうう、乙やのぉ。
「よぉし、それじゃ、耳が聞こえなくなる魔法をかけるよ! そしたら、一気にマンドラゴラを抜いちゃおう!」
「はぁい! あたりに人はいなさそうなんで大丈夫です! 人(・)は(・)いません!」
ライカにしてはいい著眼點である。
周辺に誰かがいたら危ないからね。
「偉大なる貓の神よ、名を呼ばれても決して聞こえないふりをする、その完全なる無音狀態を我に授けたまえ……」
【貓の無関心】を詠唱する私。
ご察しの通り、名前をいくら呼んでも完全にだんまりをきめこんでいる実家の貓をヒントに開発された魔法である。
貓というものはこっちがもんのすごい貓なで聲をかけても、さっぱり反応しないことが多い。
あれはおそらく、魔力で無音狀態を作り出しているに違いないと見ているのだ。
そんなじの経緯で開発されたこの魔法は、一度、発すれば、一切の音をじなくなる。
「………………!!(すごいですよっ、何にも聞こえませんっ!! お師匠様、最高!!)」
魔法にかかったライカはなんだかすっごく驚いて、ガッツポーズをしている。
だけど、私だって無音世界にいるのだ。聞こえるわけない。
「………………(はじめるよ!)」
私はジェスチャーで作業開始を宣言すると、マンドラゴラを勢いよく引っ張るのだった。
「………………!!(頑張りまぁす!!)」
ライカは相変わらず聲を張り上げているが、聞こえるわけもなし。
絶をあげているはずのマンドラゴラの恨めしい顔をみながら、どんどん引き抜いていくのだった。
おそらく崖の向こう側には不気味な絶が響いているんだろうなぁと思いながら。
「よぉし、終わり!」
最後の一本を引き抜いたところで、魔法を解除する。
ふぅっ、いい汗かいた。
久しぶりに聞いた鳥たちのさえずりは素晴らしく爽やかなものにじられた。
「お師匠様、すごいですよっ! こんなにたくさん発見したら絶対ほめてくれますよ!」
地面に山と積まれたマンドラゴラを眺めながら、ライカは明るい聲を出す。
「やばいじゃん、これ……」
そして私は我に返るのだった。
そう、マンドラゴラは高級素材であり、こんな量を一気に納品したら大変なことになる。
ギルドから表彰どころの騒ぎじゃないよ。
普通に考えて、冒険者ランクをDぐらいに引き上げられちゃうかもしれない。
ひぇええ、どうしよう。
【賢者様の使った貓魔法】
貓の無関心:貓は名前を呼んでもほとんど反応を示さない時がある。いや、しょっちゅうある。頻繁にある。ほとんど、である。これは別に聞こえていないふりをしているわけではなく、魔力を発させ本當に聞こえていないのである。この魔法はその完全無音の狀態を意図的に作り出す。あんまり長時間発させると、神がおかしくなるので注意したい。
「面白かったで」
「続きが気になるっ」
「このまま一気にFランク冒険者出なのでは……」
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