《ハッピーエンド以外は認めないっ!! ~死に戻り姫と最強王子は極甘溺ルートをご所です~》決意

無事、役目を果たした私は、國へと戻り、またいつもの日々が戻ってきた。

家庭教師たちから座學を學び、指南役とは手合わせをする毎日。

指南役からは違う戦い方も勉強した方がいいと言われ、最近では、王立騎士団の練習場にも顔を出すようになった。

私は魔法で作り上げた氷の弓とで戦うスタイルなのだけれど、他の武が使えないわけではないし、騎士たちの剣技は非常に參考になる。

それに彼らも己を鍛えることに余念がない人たちだ。同じ戦う者同士、わりと気が合うことも多かった。

今日も私は騎士団の宿舎近くの練習場へ出向き、彼らと武有り、魔法有りの練習試合を行っていた。

彼らは私の力を認めてくれていて、変に手を抜いたり、負けたからと言ってこちらを馬鹿にしてきたりなどしない。

むしろである私が強さを求めることを応援してくれていて、練習でも本気で向き合ってくれる得難い人たちだと思っていた。

頭痛は相変わらず続いており、日常生活が厳しい日もあったが、醫師の処方してくれた薬でなんとかやり過ごすことができていた。

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本當に、変な病気でなければ良いのだけれど。

気にはなるものの、醫者には相変わらず異常なしだと言われているし、もしかしたら自律神経のれから來るものかもしれない。

しっかり食べて運して、寢て。規則正しい生活をしていればそのうちマシになるのではないかと、そう期待していた。

◇◇◇

――一年後。

「そこまで!」

審判役が手を挙げる。それに気づき、私は持っていた大きな氷弓を消した。

練習につきあってくれていた騎士が大きく息を吐き、こちら向かってやってくる。そんな彼に手を差し出した。

「良い試合だったわ。相手をしてくれてありがとう」

「いいえ。姫様のお力になれたのなら何よりです。本當にどんどん強くなられますね。騎士団長も敵わないという話を聞きましたよ」

「ふふ……ありがとう」

快く手を握り返してくれた騎士にお禮を言う。

彼の言うとおり、かなり強くなったと思うが、正直言ってまだ足りない。

何せ私の目標は魔王を倒す、もしくは退けることなのだ。

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前の人生では、魔王は私の國に來た時、立ち向かった騎士団全員を返り討ちにしていた。

それを思い出せば、騎士団長に勝てる、程度で満足できるはずもない。

――駄目だ。このままじゃ、魔王がやってきた時、また攫われてしまう。

正直言って、あと二年ほどでやってくるタイムリミットに間に合う気がしない。だけどここで止めれば全ては臺無しになるのだ。

まない未來を繰り返さないためにも、諦めるわけにはいかなかった。

「もっと強くならないと」

せめて騎士団全員を相手にして圧倒できるくらいにならなくては、魔王と対等には戦えないだろう。

もっと広範囲に魔法を使えるように、そちら方面を頑張ってみるか。

々考えていると「お疲れ様」という聲がした。

聞き間違いようのない聲に、反的に振り返る。そこにはニコニコと笑い、タオルを持つカーネリアンがいた。

「カーネリアン!」

慌てて彼の側に駆け寄る。その手を両手で握った。

「どうしたの? 今日、來るなんて聞いていなかったけど」

昨日來た手紙にも何も書いていなかった。そう思っていると、彼はを打ち明けるように言った。

「実はね、最近空間転移の魔法を覚えたんだ。で、せっかくだから、君に會いに來てみようと思って。あ、もちろん國王陛下には先に連絡しておいたよ。さすがに何も言わずに來たら驚かせてしまうから」

「空間転移!? ……すごいわ……!」

さらりとものすごい事実を告げるカーネリアンに目を見張った。

空間転移の魔法は一度行ったところなら行くことのできる優れた魔法だが、難易度が高く、使えるのは數人程度しかいないと言われているものなのだ。

私も練習しているが、正直、これは使えるようになる気がしない。

何せ下手をするとの一部分をその場に殘してしまう……なんて事故が起こる可能もある恐ろしい魔法で、いくら魔力があろうが、センスがなければどうにもならない。そしてそのセンスというものは、それこそ何萬人にひとりが持ちうるかどうかというものだったりするから、私が無理だろうなと思うのも仕方のないことだった。

だけど、その高難易度の魔法をカーネリアンが會得した。

彼がいつかの未來で最強王子と呼ばれるようになることは知っているし、事実、そうであったことも理解しているが、こうやってその片鱗を見せてくるとき、どうしようもなく揺する。

戦っているわけではないと分かっているのに、あの恐ろしい未來が近づいてきているのではないかと不安になるのだ。

だけどカーネリアンは不安に怯える私に気づかない。それどころか嬉しそうに私の手を取って言った。

「これで君にもっと會えるようになるよ。君は私がや戦いを學ぼうとすると嫌がるけど、こういう方向なら喜んでくれるかと思って……」

「それは……確かにそうだけど」

彼の言葉に頷く。

実はこれまでに何度か、カーネリアンからは『君だけに戦わせたくない。私にも君を守らせてしいんだ。もう戦いが嫌だなんて思わないよ』と言われているのだ。

だがその度に私は彼の申し出を拒絶してきた。

だって、私は剣を手に取った彼がどういう最期を迎えるのか知っている。

その未來をどうにか回避したいと思っているのに、頷ける筈がないだろう。

私のためにと言ってくれることは嬉しい。だけど、どうしたって無理なのだ。

いいよ、なんて言ってあげられない。

この件に関しては私とカーネリアンの意見は平行線。

半年に一度くらいのペースでわされるこの話題が穏やかに終わったことなど一度もない。

そしてどうやら業を煮やしたらしいカーネリアンは、戦いとは関係のない魔法を學ぶことを決めたようだ。

確かに転移魔法は高度な魔法ではあるが、戦いとは直接関係ない。

私が反対しづらいところを突いてきたことに、どう反応すれば良いのか微妙である。

とはいえ、彼が魔法を覚えたことで、會える頻度が上がるのならそれは嬉しいことだと思えるのだけれど。

喜んでいることはきちんと伝えなければと思った私は改めて口を開いた。

「ありがとう。カーネリアンに會えるのはすごく嬉しいわ。でも、空間転移の魔法ってかなりの魔力を使うと聞くもの。あまり頻繁に使うのもよくないんじゃ……」

「心配しなくても大丈夫。どうもこの魔法と私は相がいいみたいなんだ。それに――あのさ、今日は君にひとつ相談があって」

「相談? 何かしら」

心當たりはまるでない。何だろうと首を傾げていると、カーネリアンが言った。

「えーと、できれば場所を移したいんだけど」

「え、あ、そうね」

確かに立ち話でというのはあまりよくない。私は近くにいたに聲を掛け、彼を客室へ通すよう命じた。

その間に私は自室へ向かい、ドレスに著替える。さすがに汗臭い運著のまま彼と話すのは抵抗があったのだ。

「よし……と」

著替えを済ませ、カーネリアンが通された部屋へと向かう。中にると、彼はソファに座り寛いでいた。が用意したらしい紅茶を飲んでいる。

「お帰り」

「……た、ただいま戻りました」

なんだかとても擽ったい。まるで結婚した夫婦のような優しいやり取りに、照れてしまった。

顔を赤くしたまま彼の正面の席に腰掛けようとすると、カーネリアンに止められた。

「君はこっち。……そっちだとし遠いよ」

――うっ。

拗ねたような言い方にキュンときた。

私は小さく頷き、言われたとおり、そそくさと彼の隣に腰掛けた。

がやってきて、微笑ましそうに私たちを見たあと、私の分のお茶とお菓子を用意してくれた。し照れくさくなりつつも、準備を終えたたちを下がらせる。

相談と言うからには、誰も聞いている人がいない方がいいだろう。

そう思ったのだ。

「え、ええと、それで話って何?」

扉がきちんとしまったことを確認してから改めて尋ねる。通常なら男室にいることは推奨されないのだが、私たちは婚約者同士ということで、目溢しされているのだ。

カーネリアンがソワソワとを揺らす。

その様子には悲観的なものはなく、悪い話ではないのだということが分かった。

「カーネリアン?」

「いや、そのね……來年で私たちも十七歳になるじゃないか」

「ええ、そうね」

今、私たちは十六歳なので彼の言葉は間違っていない。

頷くとカーネリアンが私の手を握り「あのさ」と言った。

「考えたんだよね。もうし、私たちが一緒にいる時間を増やせないかって。こうやって転移魔法を覚えはしたけれど、私も君もそれなりに忙しくて、互いの時間を合わせるのは難しい」

その通りだ。

どちらかに時間があっても、もう一方に時間がなければ會うことはできない。

特に私たちは王族という分なので、時間に縛られていることが多く、だからこそなかなか會うことができないのだ。

カーネリアンが転移魔法を覚えてくれたとしてもそれは同じ。互いの時間を合わせられないのであれば意味はない。

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