《ハッピーエンド以外は認めないっ!! ~死に戻り姫と最強王子は極甘溺ルートをご所です~》4
「……実踐ね」
まあ予想の範囲だ。魔科に所屬しようというからには、戦えなくては意味がない。
そう考えると、前回のカーネリアンはよく合格したなと思うのだけれど、彼の潛在能力は計り知れないから、嫌がっていてもさくっとかっただろうことは容易に想像がついた。
アレクサンダー王子が青い瞳を煌めかせながら告げる。
「これはお前のためではない。実力が足りなくて不合格になれば、恥を掻くのは婚約者であるカーネリアンだ。合格できない程度の実力であれば最初からけない方がいい。それを判斷してやると言っている。お前にこれを斷る権利はない」
「……へえ」
挑発されていると分かってはいたが、聞き逃せなかった。
不合格になれば、恥を掻くのはカーネリアン。そんなことは分かっていたし、だからこそこの半年もの間、私はひたすら真面目に試験勉強に取り組んでいたのだから。
ここで頷かなければ、きっとアレクサンダー王子は、合格する自信がないのだと判斷するだろう。
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そして言うわけだ。
見損なった。今すぐ荷を纏めて帰るが良い――と。
――なるほど、なるほどね。
「ふざけないで」
思わず聲が出た。
だって、私がどれほどの決意を持って、ここにいると思っているのだ。
カーネリアンと一緒にいたいのも本音ではあるけれど、何より彼との未來を摑むため。
學校に通おうと決めたのも、更なる強さを得る為だ。だから私は、魔科一択。他の科をけようなんて思ってもいない。
魔科に通い、來る日までに魔王をも凌ぐ力を手にれる。それしか、未來を切り開く道はないと分かっていたし、意地でもその未來をたぐり寄せてやると決めている。
だから、事を知らないと分かっていても、まるで私が真剣ではないかのように言うアレクサンダー王子が許せなかったし、見定めたいと言うのなら、見定めてみろと思った。
「良いわ。相手をしてあげる」
を借りるのはこちらの方であることは重々承知していたが、あえてそう言った。
「に負けたって後悔しないようにね。――私、その辺の男なんかより、よっぽど強いから」
「それは楽しみだ」
乗ってきたと嬉しそうに笑う男を、睨み付ける。
絶対に完なきまでに叩きのめしてやるという気分でいっぱいだった。
◇◇◇
アレクサンダー王子との手合わせは、スターライト王國の城にある、騎士たちの練習場で行われた。
練習著を持ってきていたので、それに著替えてから、アレクサンダー王子に向き合う。
彼もまた、著ていた豪奢な上著をぎ捨て、シャツ一枚の格好になった。
「手は抜かないぞ」
「もちろん、要らないわ。あとで、負けた言い訳にされても困るもの」
「……強気なことだ」
呆れたように言うアレクサンダー王子を無視し、練習場を見回す。
この練習場には城に所屬する魔法師たちが結界を張っていて、攻撃魔法を使っても、壁や床が吸収してくれるのだとか。
「……」
アレクサンダー王子が持っているのは槍だ。濃い紫の派手な槍からは強い魔力をじる。
そういえば彼は魔槍の使い手だと聞いたことがある。自らの魔力を槍に吸わせ、戦うスタイルなのだ。
「――氷弓」
右手を翳す。次の瞬間、私の手には慣れた獲が現れた。
己の魔力で編み上げた氷の弓。
これは、魔力量が膨大な私だからこそ使える特別な武だった。
「ほう、魔力で作った氷の弓か」
「ええ、これならどんな時でも武を使えるでしょう?」
不測の事態が起こったとき、もし武が手元になかったら。
その考えから私はこの氷の弓を使うことを決めたのだ。弓を顕現し続けるのはかなりの魔力がいるが、私には問題ないし、慣れてしまえば、この方法がベストだと斷言できる。
「――かかっていらっしゃい」
「どうやら口先だけではないようだ。それでは、お前の実力を試させてもらおう。――行くぞ!」
「っ!」
そこから先は、熾烈な戦いが繰り広げられたと言えば良いだろうか。
私が弦を弾き、氷の矢を飛ばすと、彼はそれを全て魔槍で打ち破った。
魔槍は炎屬で、相で言えば私の方が有利だ。私は遠慮なく休みなく攻撃を仕掛け続けた。
「くそっ! お前、遠距離から連続攻撃とは汚いぞ!」
「どこが? 私は私の武の強みを生かしているだけよ」
360度、どこからでも氷の矢が彼を襲う。それを彼はなんとか払い落としていたが、數が多いので、やはり何本かは食らってしまった。
「ちっ」
その隙を見逃さず、弓を消して突進する。
私はも自信があるのだ。急に距離を詰めてきた私にアレクサンダー王子は驚いたようだが、さすがに彼も実力者。遠慮なく放った回し蹴りを腕でけ止められてしまった。
それでも文句が口から零れる。
「くそっ、とは思えない重さの蹴りだ」
「お褒めの言葉ありがとう。私はこれで、うちの騎士団長を沈めたの。私は強くなる。もっと強くならなくてはならないの。そのために、あなたなんかに躓いている暇はないわ!」
「ぐっ……!」
勢を立て直す暇を與えず、更なる攻撃を仕掛ける。
防戦一方だったアレクサンダー王子は、なんとか反撃する隙を探していたようだが、そんな隙、見せるはずもない。
――ははっ……はははっ……楽しいっ……!
さすがに音に聞こえた王太子なだけ、彼はとても強かった。
久々に會えた強者の存在に嬉しくなり、どんどんテンションが上がっていく。
「くっ……お前……まだ速くなるのか……」
「あは、あはははははは!! もっと、もっとよ!」
一種のトランス狀態になった私は、今までよりも速いきでアレクサンダー王子に迫った。先ほどから頭痛が酷くなっていたが、それすらどうでもいいと思えるほどに楽しい。
「ほら、ほら、ほら、ほら!」
連続攻撃を仕掛ける。
彼はなんとか私の攻撃をいなそうとしたが失敗し、私はそれを見逃さず、氷の弓を召喚すると、彼の目の前で矢を放った。
「――これで終わりよ」
「っ!」
氷の矢が直撃する。轟音と共に白い煙が上がった。これでもまだ彼は戦意を失っていないだろう。分かっていたのでとどめを刺そうとしたが、その前に制止がった。
「何してるの! フローライト! 兄上!!」
「……カーネリアン」
大好きな人の焦り聲を聞いた瞬間、完全にトランスしていた私はあっという間に我に返った。弓を消し、オロオロとする。
「え、あ、え……カーネリアン。どうして」
「どうしてって……二、三時間で戻るって言ったでしょう! もう、君の部屋に行ってみても君はいないし、たちに聞いたら兄上が連れて行ったって言うから……!」
こちらに駆け寄ってきたカーネリアンが私を抱きしめる。
「なんでこんな危ないことするの! 君はの子なんだよ!? どうせ兄上に唆されたんだろうけど、そういうのは止めなよ。心配するじゃないか!」
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