《げられた奴隷、敵地の天使なお嬢様に拾われる ~奴隷として命令に従っていただけなのに、知らないうちに最強の魔師になっていたようです~【書籍化決定】》―10― お手伝い
魔はとても不思議な存在だ。
まぁ、魔に限らずこの世界は不思議なことで満ちあふれている。わかっていることより、わかっていないことのほうが圧倒的に多い。
その中でも、魔は一際目立つように不思議な存在であることに違いない。
「3種類8系統、これが魔の基本よ」
3種類というのは魔を大きくわけたときの分類、自然魔、神聖魔、古代魔の三つだ。
8系統というのは、自然魔なら、火、風、水、土の4系統。
神聖なら、治癒、結界、契約の3系統。
古代魔は強化の1系統。
これら全てを合わせると、8系統となるわけだ。
「それで、質量を軽くする魔は、一どの系統に分類されるのかしら?」
ティルミお嬢様は笑顔でそう尋ねるが、その笑顔がどことなく怖く見えるのはなぜなんだろう。
「えっと、系統外魔ですが」
系統魔に対し、それ以外の魔を系統外魔という。
「あなた、どれだけ系統外魔が使えれば、気が済むのよ!」
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「いや、系統外魔って、そんな珍しいものではないですよね。例えば、〈(ライト)〉なんかはほとんどの魔師が使えますが、系統外魔に含まれるじゃないですか」
〈(ライト)〉というのは、を生むという非常に単純な魔であり、魔師だったら、誰だってできる魔の一つだ。
そもそも魔を発させるのに必要な魔法陣が、〈(ライト)〉によって生んだによって空中に描かれている。
そう考えると〈(ライト)〉は魔師にとって、必須な魔なわけだが、この魔はどの系統にも分類されない系統外魔の一つだ。
だから、系統外魔と聞くとなんだかすごそうな響きに聞こえるが、実際にはそんなことはない。
「それでも、質量をる魔なんて、今までの魔の枠外から外れすぎよ」
「そうなんですかね……?」
「そうよ。いい加減納得しなさい」
「わかりました……」
あまり自覚はなかったが、ティルミお嬢様がここまで強調するんだから、そういうことなんだろう。
とはいえ、質量をる魔は既存の魔をただ改良した魔なんだけどな。
「それで、その……アメツ」
「はい、なんでしょうか?」
「さっき、質量をる魔はコツを摑めば、誰でもできると言っていたわよね」
「ええ、言いました」
「もし、よかったら、そのコツとやらを私に教えてくれないかしら」
言いにくいことを口にするような表でティルミお嬢様はそう言った。
「いえ、やっぱりいいわ! だって、無理よね。自分の魔を他人に教えるなんて!」
と、今度は自分の言葉を覆すように彼はんだ。
「えっと、教えるのは別に構いませんけど」
「え? いいの!?」
「えぇ、僕の魔が役に立つというなら、ぜひ説明させてください」
「ほ、本當にいいの?」
ティルミお嬢様は信じられないといった表をしている。
「えっと、逆に、お嬢様がそんなに疑われる理由が僕にはわからないんですが」
「だって、普通魔師は、自分のオリジナルの魔をそう簡単に他人には教えないものよ」
そうなのか……。
僕は他の魔師とほとんど関わり合いがなかったので、魔師にとっての常識ってのが欠けているのかもしれない。
とはいえ、例えそうだとしてもティルミお嬢様なら、僕の魔を教えたって別に構わない。
それどころか、彼の役に立てるなら、率先して役に立ちたいとさえ思う。
「ティルミお嬢様なら、僕の魔を教えますよ」
「ありがとう! アメツ!」
唐突に、ドサッと抱きつかれた。
ティルミお嬢様の溫もりやのがに伝わる。そのせいで、心臓がバクバク鳴ってしまった。
「その、お嬢様のような方が、僕なんかに気安く抱きつくなんてよくないですよ!」
「そう?」
彼は不思議そうな顔をしていた。
そもそもこのお嬢様はやたらとスキンシップが多い気がする。貴族同士なら、それでいいんだろうけど、僕は奴隷という最も低い分だ。
そんな僕に対して、お嬢様のような高貴なお方が気軽にスキンシップをはかるのは、やはりよくないに違いない。
ここはそのことをちゃんと伝えて、お嬢様にわかって貰わないと。
「あっ、もしかして、照れてるんでしょ?」
それより先に、彼が上目遣いでかついたずらな笑みを浮かべて、そう口にした。その表もまた、小悪魔的でどことなくかわいかった。
「べ、別に照れてないですよ」
だからなのか、ただ否定するつもりが、口調がどこかくなってしまった。これだと、自分が照れてることを証明してしまっているようなものだ。
「もう、アメツったら、かわいいやつめー」
それを察してなのか、ティルミお嬢様が僕の頭をよしよしっ、とでてきた。
それが余計に恥ずかしい。
もう僕はお嬢様のなすがままだった。
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【書籍化・コミカライズ】三食晝寢付き生活を約束してください、公爵様
【書籍発売中】2022年7月8日 2巻発予定! 書下ろしも収録。 (本編完結) 伯爵家の娘である、リーシャは常に目の下に隈がある。 しかも、肌も髪もボロボロ身體もやせ細り、纏うドレスはそこそこでも姿と全くあっていない。 それに比べ、後妻に入った女性の娘は片親が平民出身ながらも、愛らしく美しい顔だちをしていて、これではどちらが正當な貴族の血を引いているかわからないなとリーシャは社交界で嘲笑されていた。 そんなある日、リーシャに結婚の話がもたらされる。 相手は、イケメン堅物仕事人間のリンドベルド公爵。 かの公爵は結婚したくはないが、周囲からの結婚の打診がうるさく、そして令嬢に付きまとわれるのが面倒で、仕事に口をはさまず、お互いの私生活にも口を出さない、仮面夫婦になってくれるような令嬢を探していた。 そして、リンドベルド公爵に興味を示さないリーシャが選ばれた。 リーシャは結婚に際して一つの條件を提示する。 それは、三食晝寢付きなおかつ最低限の生活を提供してくれるのならば、結婚しますと。 実はリーシャは仕事を放棄して遊びまわる父親の仕事と義理の母親の仕事を兼任した結果、常に忙しく寢不足続きだったのだ。 この忙しさから解放される! なんて素晴らしい! 涙しながら結婚する。 ※設定はゆるめです。 ※7/9、11:ジャンル別異世界戀愛日間1位、日間総合1位、7/12:週間総合1位、7/26:月間総合1位。ブックマーク、評価ありがとうございます。 ※コミカライズ企畫進行中です。
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