《[書籍化]最低ランクの冒険者、勇者を育てる 〜俺って數合わせのおっさんじゃなかったか?〜【舊題】おい勇者、さっさと俺を解雇しろ!》達の階級
「多分君たちは、あれだろ? 學校の授業とか課題とかそんなやつでダンジョンに潛る必要があるんじゃないか? でも見たところ君たちは三人しかいない。ダンジョンに潛るには特例を除き、最低でも四人必要だ。その後一人の數集めに困ってる。そんなところかな?」
「はい。本當はもう一人いるはずだったのですが、病気になってしまいまして……」
「ならその子が治るのを待ってから挑戦すればいいんじゃないかい?」
「できません。今回の試験は期限が一週間だったんですけど、今日含めて後三日しかないんです。でもその子はまだ治りそうもなくて……」
ヒロが言ったように俺ももう一度日を改めて挑戦すれば良いと思ったのだが、どうやらそうはいかないらしい。
あと三日しかないんじゃ、本當にギリギリだな。
ダンジョンは場所にもよるけど、一日で終わらないことがある。と言うかむしろその方が多い。
この子達の場合は初めてなんだろうし、そんな泊まりで行かないといけないような場所に潛ったりしないだろうけど、それでも失敗をした場合を考える必要がある。
Advertisement
そして失敗した場合殘りは二日となるわけだが、そのうち一日は準備や治療のための休養日に當てる必要がある。
そしてその翌日に再挑戦となるのだが、今日挑めないとなると再挑戦を諦めるか休養日を無くさないといけない。そうなると結構危ないことになる。
だからこそ、多の無茶があったとしても今日挑もうとしたのだろう。
「……あー、でも俺たちがけたところで大丈夫なのか? その病気の子も一緒に行かないと合格にはならないんじゃないか?」
「いえ、合否は班単位で行われますので、所屬さえしていれば參加していなくても合格扱いになります。それに、各班一人までなら外部の助っ人が認められているんです」
「助っ人ね……」
「……やはり、ダメでしょうか?」
「あー……ちょっと待って」
ヒロはそうに斷りをれると、もう一度俺たちに振り返ってきた。
「どうするよ?」
このまま放っておけば、この子達は俺たち以外の誰かをうだろう。別にそれはそれで構わないのだが、その相手がまともな人間である保証はどこにもない。
もし『ハズレ』を引き當てた場合、この子達は初めてのダンジョンで死ぬこともあるが、それだけならまだマシな方だ。ともすれば誰も見ていないのを良いことにこの子達を犯したりする可能だってある。そう言う事件は、決してないわけじゃないんだから。
この達とは會ったばかりの他人だが、こうして悲劇を止められる立場にいて、後になって何かあったと分かったらクソみたいな気分になるのは明らかだ。
ヒロは同じ考えたからこそ、俺たちに聞いてきたんだろう。
「やるしかなくねえか?」
「だよな。ここで見捨てたら絶対に後悔する自信がある」
「俺もだなぁ……正直めんどくせえがするけど」
そしてそれは俺たち三人も同じだった。
ついさっきと言っても良いくらいの時間にダンジョンから帰ってきた俺たちとしては、今すぐにでも帰って休みたい。
だが、このまま見捨てるのも嫌だ。
「うーん……ちなみに、君たちの役割と階級を教えてもらってもいいかな?」
俺たちの答えを聞くと、ヒロは軽くため息を吐き出してからへと向き直ったが、ヒロがそう言うと、參加してくれそうな雰囲気だからかの顔はパッと笑みを浮かべた。
「あ、はい! 私は剣士で特級です。この子は戦士の一級で、こっちの子は治癒師の一級です」
「……マジか。特級って、マジか……」
の言葉を聞いてヒロが驚き、言葉に詰まっているが、それは仕方のないことだ。
特級……それは冒険者の間でも特別なものだから。
俺たち冒険者の覚醒度合いには階級がある。才能と言い換えても良い。下は三級で上は一級まで。それが基本だ。
だが、中にはそんな基本を打ち破ってさらに上へと突き抜けてる奴らがいる。それが特級。
特級はないと言われている冒険者の中でもさらにない。全の1%に満たないだろう。そんな一握りの天才達。
正確には特級の中でも特一級だとか特二級だとかあるし、中には『勇者』なんて稱號をもらったりする奴もいるのだが、それは冒険者として活してからの功績で決まるので今の學生の彼にはつかないでただの特級だ。
だが、そうだとしてもこの目の前にいるが世界に一握りしかいない天才の一人だと言う事実は変わらない。
それに、彼以外の仲間もかなりのものだ。特級には及ばないものの、一級というのもかなりの才能だ。
三級と一級を比べればその差は天と地ほどにある。乗りで速さを競うなら自転車とスーパーカーくらい違う。なお、特級はジェット機だ。もはや勝負するどころの話じゃない。
「俺たち三級しかいないけど、それでも構わないのかな?」
ただ、そんな一級と特級のめちゃすごチームの彼達だが、生憎と俺たちは全員三級だ。普通なら同じチームにはれない。
「はい」
だがそれでもは頷いた。
「あー、つまり本當に數合わせの一人がしいだけ。後は最低限自分のさえ守れれば問題ない?」
「えっと……はい」
わかっていたことだが、俺たちに求めているのは強力じゃなくて數合わせ。
それをはっきり言うのが失禮だと思ったからか、はし申し訳なさそうにして頷いた。
「……見たところ、君たちは一年生だろ? ならダンジョンに潛るのは初めてなんじゃないのかな?」
「はい。なので準備に時間をかけていたのですが、その間にもう一人の子が……」
「そうか……」
ん? どうした?
の話を聞いていたヒロが、突然後ろを振り返って俺たちを見た。や、俺たちを、と言うか、俺をか? 目があったし。
かと思ったら、今度はヒロは自分の隣にいた仲間、町田安彥──通稱ヤスへと何事かを耳打ちし、ヤスは驚いた様子で目を見開くと俺の方を見た。
そして何かに納得したように頷くと、トイレに行ってくると言ってその場を離れていった。
明らかにトイレではないが……なんなんだ?
まあ、ヒロの指示なんだし、この達にとって不都合なことではないだろう。多分知り合いを探すとか組合職員に話をしてくるとかそんなところか?
「なら、ちょうどいい」
「え?」
「君たちに助っ人を出すのは構わないよ」
「本當ですか!?」
やっぱり助けるのか、まあそうだろうなとは思ったけど。
だがそうなると、誰を出すんだ? 全員で行くのか? ……ないな。俺たちは良いけど仲間の一人であるケイ──岡崎圭は、もう今日は戦える狀況ではない。怪我をしていると言うわけではないんだが、魔法を使うためのエネルギーである魔力がもう空になってる。
それに、彼たちのチームに四人るとなると大人の男四人に三人と言う編になる。
これが親しい仲なら良いが、俺たちはあったばかり。自分たちよりも大人の男が多くなると言う狀況は達としては不安をじるだろう。
実際には特級がいるんだったら三級程度どうとでもなるのだが、気持ちの問題はまた別だ。
となると彼達のチーム編からして必要なのは後衛。俺たちの中だと俺かケイなのだが、ケイはさっきの理由でなし。そもそも彼達の中にはケイと同じ治癒師がいる。
ってことは……俺か。
だからさっきヒロは俺の事を見たのか?
……はぁ。まあ見捨てるのは嫌だったし仕方がな──
「ああ。ただし、條件がある」
【書籍化作品】離婚屆を出す朝に…
書籍化作品です。 加筆修正した書籍のほうは、書店での購入は難しいですがネットではまだ購入できると思いますので、興味を持たれた方はそちらも手に取って頂ければ嬉しいです。 こちらのWEB版は、誤字脫字や伏線未回収の部分もあり(完成版があるので、こちらでの修正は行いません。すみません)しばらく非公開にしていましたが、少しの間だけ公開することにしました。 一か月ほどで非公開に戻すか、続編を投稿することになれば、続編連載の間は公開します。 まだ未定です。すみません。 あらすじ 離婚屆を出す朝、事故に遭った。高卒後すぐに結婚した紫奈は、8才年上のセレブな青年実業家、那人さんと勝ち組結婚を果たしたはずだった。しかし幼な妻の特権に甘え、わがまま放題だったせいで7年で破局を迎えた。しかも彼は離婚後、紫奈の親友の優華と再婚し息子の由人と共に暮らすようだ。 思えば幼い頃から、優華に何一つ勝った事がなかった。 生まれ変わったら優華のような完璧な女性になって、また那人さんと出會いたいと望む紫奈だったが……。 脳死して行き著いた霊界裁判で地獄行きを命じられる。 リベンジシステムの治験者となって地獄行きを逃れるべく、現世に戻ってリベンジしようとする紫奈だが、改めて自分の數々の自分勝手な振る舞いを思い出し……。 果たして紫奈は無事リベンジシステムを終え、地獄行きを逃れる事が出來るのか……。
8 186俺と彼女と小宇宙とが織り成す宇宙人とのラブコメ
俺、菅原月兎(すがはらつきと)は転校した日にラブレター貰って、宇宙に拉致られる。 この物語の一人一人が他とはちょっと違う歪な愛を持っている。 月兎の自己愛。 マリスの全愛。 エマの純愛。 麗兎、玲浮兎の偏愛。 カリーナの敬愛・・・等々。 そんな彼、彼女達は人とは違う愛を抱えながらも自分の信じる物を必死に守り通す。 本作はそんなハイテンションSFファンタジーです。 *この作品は小説家になろうでも投稿しています
8 135シスコンと姉妹と異世界と。
高校3年の11月、都心で積雪が記録された。 草場翔一(くさばしょういち)は天気予報を観ていたのにも関わらず傘を忘れ、同じ學校に通う妹と2人で帰路に著いた。 そこに、雪混じりの路面に足を取られたクルマが突っ込み、翔一は妹の枝里香(えりか)を庇う形で犠牲に。 まっさらな空間の中で意識が覚醒した翔一は、神を自稱する少年から、自分が、妹・枝里香を庇って死んだことを思い知らされた。 その後、事務的説明の後にそのまま異世界へと放り出されることになってしまったのであった。 條件付きでほぼ死なないという、チートな力を持たされたことと、最後の最後に聞き捨てならない言葉を口添えされて……。 あまり泣けないけどクスッとくる日常系コメディ爆誕ッ!!
8 157職に恵まれた少年は世界を無雙する
ある日突然、出雲高等學校2年2組にやってきた、異世界から來たというエルバという人間。 その異世界は今、滅亡寸前!助けを求めてやってきたらしい。主人公はその異世界を救うために異世界へ転移した。ありきたりなファンタジーがここに來る! チート級スキルの主人公無雙! 感想とか間違いとかコメントくれたら嬉しいです!入れて欲しいキャラとかこうして欲しいとかあったら遠慮なくコメントしてください。 表紙→picrew「君の世界メーカー」 Twitter→真崎マサキ @skmw_i 投稿→不定期 気長に待てる人は読んでください。
8 198幻想魔動人形記
新・幻想入りシリーズ とある事であっさり死んだ未練たらたらの青年、気持ちを新たに取り敢えず閻魔の所に行こうとするも、謎の光(魔法)の穴(円)に吸い込まれてしまう。新たな人生の幕開けとして・・・ 穴に吸い込まれた護速(ごそく)霊夜(リョウヤ)は、魔動人形に取り込まれ、新たな體を得る。 この話はそんな青年の幻想録だ
8 133男子高校生5人が本気で彼女を作ろうと努力してみる!
殘念系イケメン、アフロ筋肉、メガネ(金持ち)、男の娘、片想いボーイ(俺)の5人を中心に巻き起こるスクールギャグエロラブコメディ。 可愛い女の子も登場します! 実際、何でもアリの作品です。
8 162