《[書籍化]最低ランクの冒険者、勇者を育てる 〜俺って數合わせのおっさんじゃなかったか?〜【舊題】おい勇者、さっさと俺を解雇しろ!》この歳になってもう一回學生やれってか?

……っと、だが最初に言っておかないとだよな。

「とは言え、俺は冒険者を止めるつもりでいます。ですので、教えるのもそれまでの期間となります」

一応宮野達に冒険者としての活の仕方を教えることを承諾したが、ここを変えるつもりはない。俺は後三ヶ月で冒険者なんて辭めるんだからな。

「できることならば、せめて一年生のうちはお願いしたいところですが……はい。それは伊上さん本人の意思であり、私が止めることができるものでもありませんから」

良かった。これで変にごねられても困ったよ。

「……ですが、代わりにと言いますか、學校への同行もお願いしたく思います」

「學校に? それはまた……どうして?」

「伊上さんは短期學の方でしたよね?」

「ええ」

「でしたらご存知ではないかもしれませんが、この學校では基本的に班での行を定められています。通常の授業はもちろん、今回のように試験なども班で行うのです。ですから、外部からの助っ人を教導としてれる班はその教導の方にも學校に通ってもらい、連攜を高めるのを推奨しております。萬が一にでも生徒が死んでしまっては、國の未來にとって損失となりますから」

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「推奨、と言うことは、強制ではないのですか?」

「はい。ですが、大抵は共に行します」

しかしなぁ……正直めんどくさそうだ。それに、めんどくさいって以外にも気乗りしない。

だって學校だぞ? まあ學校自が嫌いってわけじゃないんだが、この歳になってもう一回學生やれってか?

俺は今三十……四だったか? この年齢になると自分の歳とかどうでも良くて忘れるな。

まあそんなおっさんがに混じって席に座ってお勉強って……バカかよ。いや勉強って意味なら俺の方がバカだと思うけど、そうじゃなくて恥ずかしすぎんだろ。

「それから、班別、個人でランキング戦と言うものが行われますが、これで助っ人の方の所屬する班のメンバーがいい績を殘しますと、學校側から褒賞としてそれなりの額が出ます」

「……ランキング戦と言っても、たかが學生の催しでしょう? 褒賞なんて出るんですか? というか、出していいんですか?」

冒険者學校には大人も通っていると言っても、所詮は學校。通っている生徒の大半は高校生だ。

そんな學生の催し事で、金のやり取りなんてしてもいいのだろうか?

「學生の、と言っても強い冒険者を育てると言うのは政府の意向です。でなければ國は容易く滅んでしまいますから。ですので、生徒達に強くなってもらうためならある程度のそういったことは必要と判斷されているのです」

ああまあ、それなら納得だ。毎年のようにゲートが発生してるのに、冒険者の數は現在のゲートを対応する數すら足りていない。

そんな調子でいけば、時間が経つほどゲートの數は増えていずれは世界中がモンスターで埋め盡くされることになる。

それを回避するためなら、多『普通』から外れることは良しとしたんだろうな。

金ってのはわかりやすいやる気に繋がるし、その金が力ある者の裝備に変わるんだとしたらそれはそれでむところ。そんなじだろう。

「失禮ながら、伊上さんは三級ですので、それほど稼ぎと言うものはありませんよね? 宮野さん達が上位の績を殘すことができれば、それなりにあなたの助けになるのではないでしょうか?」

十分に暮らしていけるとはいえ、それは今だからだ。今冒険者をやっているからこそ俺は金を稼げている。

これが後半年して冒険者を止めた後になると、仕事がないわけだから一切の稼ぎがなくなってしまう。

冒険者上がりは冒険者関連の場所で優先して仕事につけると言うが、それだってすぐに決まるわけではない。

一応は就職先にあてはあるのだが、あそこにはできる限り行きたくないんだよなぁ……。

いや、別にブラックってわけじゃないんだ。時間は短いし、人間関係は良好だし、金払いもいい。ただ一點、その仕事容がな。

まあいい。あそこで働くにしてもそれ以外で働くにしても、しばらくの間は無職として生活しなければならないのだから、金は多いに越したことはない。

だからけた方が得といえば得なんだが……。……いや、そうだな。別にデメリットがあるってわけでもないんだし、この話をけても構わないか。

あ、でも一つ確認しておかないとな。それ次第ではけないかもしれん。

「授業に參加するとして、それはどの程度の範囲でしょう? 戦闘関連の実習だけですか? それとも座學もですか?」

「推奨されているのは戦闘関連、それもごく一部のみです。ですが、一応座學もけていいことになっていますし、推奨外の他の戦闘関連の授業に出ても構わないことになっています」

ああよかった、座學はなしか。あったら確実に斷ってたな。

「……學校の施設は好きに使っても構わないのですか?」

「はい。授業の參加以外は學生達と同じように使ってくださって構いません」

話をまとめると……

・宮野たちとダンジョンに潛って冒険者としての指導をする。

・一緒に學校に通って授業(実技のみ)をける。

・大會に參加して績を殘す。

・學の施設は自由に使える。

こんなところか。

特に強制されてることもないし、俺にデメリットがあるわけでもない。めんどくさい、宮野たちと関わらないといけないってのがデメリットといえばそうだが、まあその程度だ。

宮野たちとの関わりは……まあ俺が気をつけてれば済む話か。必要以上に関わりを持つと、お互いのためにならないからな。

「なら、おけします」

「ありがとうございます」

俺がはっきりと了承すると、桃園先生は軽く息を吐き出して明らかにほっとした様子を見せた。

「……教師としてこんなことを言ってはいけないのですが、正直なところ、私では特級である彼をどう教育すればいいのか測りかねていたのです。私は一級ですし、教師としては二年目ですから。ですので、あなたのように実踐富な方がついてくださると安心できます」

二年目で特級を任されるくらいだから、この人もそれなりに優秀なんだろうけど……流石に二年目で任されるのはプレッシャーか。

誰か任せられる人がいるのなら引き込みたいのはわかる。

「実踐富と言っても、三級ですよ。そこまで期待されても大したことはできないかと。特級を育てるのなら、同じ特級に力の使い方を師事させた方がいいのでは?」

だが俺は特級を育てられるとは思えない。

確かにちょっとばかり功績と呼べるものがあるけど、それでも所詮は三級だ。俺には特級の力の使い方なんて教えられない。

「いいえ、むしろ三級だからです。一級や特級は、大抵の危機には力押しで何とかなってしまいます。その時は何とかなったとしても、その先のためになる経験にはなりません。ですが、あなたは違う。危機に向き合い、考え備える。それは冒険者として生き殘るために必要な技能です。そしてそれは過去の功績から判明しています」

……ああ、そういえばこの人は俺のことについて調べたんだったな。

俺はテーブルの上に置かれている書類へと視線を落とすが、なんかテーブルの上に置かれたまま背景として同化してたからすっかり忘れてた。

「このことは彼たちには緒にしておいてください。過度の期待がかかっているとわかると重荷になってしまいますから」

「ああ、それで噓の理由での呼び出しですか」

「はい。伊上さんが學校に同行することは構いません、というより、教えないわけにはいきませんが、學校側が後押ししている、というのは伏せていただければと思います」

「わかりました。その辺はこちらでもできる限りサポートします」

まあ、引きけると決めたんだ。一度仕事を引きけた以上は、できる限りこなすのが仕事を引きけたものとしての責任ってもんだろ。

「ありがとうございます。彼達をよろしくお願いします」

「お任せください……とは言えませんが、まあできる限りの『経験』を教えますよ」

一瞬事案的な発言をしてしまったかと思ったが、桃園先生は気づかなかったようだ。

これはあれだな、頭の中の差というか、〝そういうこと〟を普段から考えてるか否かの差だろうなぁ……。

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