《【書籍化】萬能スキルの劣等聖 〜用すぎるので貧乏にはなりませんでした》地獄島へ

「助かりました。大聖殿が居なかったらどれだけの被害が出たのか分かりません」

「いえ、クラウド様のメテオノヴァできが緩慢になっていましたから。先手を打つことが出來ました」

大賢者ガイアのは死霊使いゲリュセルスによってられ、私たちに襲いかかってきました。

強さ自は魔法の規模から推測すると本人と同レベルなのだと思いますが、私やエリスは聖の魔法の心得があります。

つまり、アンデッド系の魔に対して有効な戦を組むことが出來るのです。

ガイアの仲間たちのられていましたが、エリスも私と同様の手段を用いて浄化させることに功していました。

ゲリュセルスの能力は厄介ですが、対抗手段はあります。

死者の尊厳を弄ぶことを看過することは出來ません。地獄島へ向かってゲリュセルスを討伐したいと思うのですが……。

「それで、クラウドさん。船の到著はわざと遅らせているということでしょうか?」

「そのとおりです。大賢者殿のごられていることは分かっていましたので、奇襲をかけることにしたのです」

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「君、それであんな演技していたのかい? 『ま、まさか、ま、魔王軍が――』とかやっていたが……」

「す、すみません。芝居をするのは不慣れだったものですから、しだけ誇張しすぎたかもしれません」

ロレンスが船が停泊していないときのクラウドの演技について言及すると、彼は恥ずかしそうにしていました。

私は上手いと思いましたけど。だからこそ、彼のメテオノヴァがクリーンヒットしたのですから。

「アンデッド系には炎系の魔法もそこそこ有効なはずだ。あたしも姐さんやエリスには負けないよ」

「拙僧も相手を仏させるに至る拳法を修得しておる」

「僕の蕓的な技は、文字通り冥土の土産って奴さ。しく散らせてあげるよ」

「ソアラ先輩みたいにはいきませんが、の魔法ならわたくしも得意ですわ」

大賢者ガイアという戦力を失いながらも、仲間たちは依然としてやる気のある表を見せてくれました。

皆さん、頼りにしています。今回はゲリュセルス以外にも魔王軍の幹部がいると思いますから……。

でないと、あの大賢者ガイアが簡単にやられたりはしないでしょう。

「大聖様、そしてそのパーティーメンバー、やはり凄みが違うぜ」

「不安だったけど、何とかなる! そんな気がする!」

「人間の恐ろしさを連中に見せてやろうじゃないか!」

「「おおっーーー!」」

そして他のパーティーの方々の士気も上がりました。

この狀況で誰もが勝てると信じている――いい雰囲気です。

戦闘というものは得てして勝てると信じている方が勝ちますから。もちろん、能力の差が無いと仮定してですが――。

「皆さん、お待たせしました。間もなく船が到著します。海上で襲われる可能も十分にありますので注意してください」

大きな帆船が港に停まり、私たちは乗船しました。

海上で船が破壊でもされたら大慘事は確定。陸の上以上に気を引き締めなくてはなりません。

ゲリュセルスも當然、海上にいる私たちを狙うでしょうから。

◆ ◆ ◆

「魔法防壁(アークバリア)四重奏(カルテット)ッ!」

「守りは姐さんに任せて、あたしらで仕留めるぞ! 大火球魔法(ギガフレイム)ッ!」

「ソアラ先輩、魔力を溫存……ですわね。矢魔法(ホーリーアロー)」

案の定、船は直ぐに魔の大群に囲まれました。

ドラゴンライダーや、エビルバードといった空中戦の出來る魔、シーハムスターやアクアジラフといった水中を泳ぐ魔獣。

それらが一挙に押し寄せてきて、魔法士たちが大慌てでそれらを駆除します。

「火球魔法(ファイアボール)七重奏《セプテット》ッッ!」

「す、凄い! 大聖様、防をこなしながら、ファイアボールを7つ同時に別々の方向に放つなんて――」

「しかも、どれもこれも魔の急所に確実にヒットしているから、一撃で仕留めている」

「初級魔法とはいえ、俺たちとは練度が桁違いだ――」

船の安全を最優先に考慮しつつ、攻めに転じられるタイミングは逃さずに――神をすり減らしながら私は魔たちを討伐していきました。

後の戦いを考慮すると余力を9割程度は殘さなくてはなりませんから、魔力の配分を間違えないようにしなくては――。

そんな戦いをしながら、數時間――ようやく船が地獄島と呼ばれる死霊使いゲリュセルスの本拠地へと辿り著きました。

「な、なんだ、これは……? 既に何者かが此処に辿り著いた形跡があるぞ」

「はぁ? あたしら以外にこっちに向かっていた戦力があるっていうのかい?」

「いえ、そんなはずはありません。エデルジアからこちらに向かった戦力は我々だけのはずです」

上陸してまず私たちの視界にったのは、おびただしい數の魔の死骸でした。

しかも、まだ新しい。戦闘が行われてから、そんなに時間は経っていません。

「そ、ソアラ先輩。この魔の傷跡、見てください」

「こ、これはゼノンが聖炎領域(セントバーナード)を使ったときに出來る――」

大型のドラゴンに刻まれていたのは、勇者ゼノンのSランクスキル聖炎領域(セントバーナード)を使って剣を使ったときに生じる、特有の斬撃と火傷の跡でした。

まさか、ゼノンがこの島に――。

ですが彼は一人きりだと聞きました。一これはどういうことなのでしょう――。

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