《【電子書籍化】婚約破棄のため冷酷騎士に決闘を挑んでみましたが、溺されるとか誰か予想できました?》13 タイムの香りと刺繍糸。
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今日もいつものカフェテリアで、ヘレナとお茶をしている。落ち著いた雰囲気の店に、鮮やかな赤の髪はそこだけ空間を切り取ったみたいに良く目立つ。
大人びてスタイルもいい、しい友人のこと、思わず誰かに自慢したくなってしまう。しかも、しキツく見える外見とは裏腹に、ものすごく格がいいのだ。
隠騎士のシーク様は、私の後ろの席に控えている。今日は、騎士服ではなく普段著で、きちんとカフェテリアに馴染んでいる。
さすが隠。
ただし、普段著姿があまりにかっこいいため、周囲の視線を獨占してしまい、隠活には向かないようだ。店員さんが、通り過ぎるたびに、チラチラと視線を向けているのを、私は見逃さなかった。
「それで、結局は、婚約破棄できなかったの」
「出來なかったというか……」
「……応援してあげたいけど、住む世界が違う人と一緒にいて幸せになれるのか心配だわ」
住む世界が違う。
同じ貴族でも、大きな派閥を持つランディルド侯爵家と、騎士といっても隊長になるのがやっとの父しかいないフローリア伯爵家では、天と地くらいの差がある。
「うん……。でも、もうしそばにいたいと思って」
まるで、溶けかけた氷みたいな瞳が忘れられない。あんなに嫌われていると思っていたのに、急に態度が変わった理由も知りたい。
……せめて、ハンカチを渡すまでは。
「それにしても眠そうね。また、職にを出しているの?」
「違うけど、似たようなものかな」
思わず出てしまったあくび。
隠したつもりだったけど、ヘレナにはお見通しだ。
昨日の夕方、高価な裁道と刺繍糸、そしてどう見ても最高級のハンカチが大量に屆けられた。
この枚數、全部使うつもりなのだろうか?
疑問に思いながらも、嬉しくなってしまって一晩中刺繍に勵んでしまったのだ。
刺繍道の中には、どう見ても最高級の絹でできたリボンもたくさんっていた。
その中の一つを、今日はにつけている。
淡い淡い氷みたいな水のリボン。
このを選んだことに他意はない。決して。
「それにしても、その桃のドレス、良く似合っているわ。婚約者様の貢かしら?」
「貢なんて……。まあ、何も返せていないからそう言われても仕方ないけれど」
そう、あれから毎日いただいたドレスを著るようにしている。シンプルで、優しいのドレスは、著心地まで、とても良い。
こんなに良くしてもらっても、何もできない。せめてハンカチを渡そうと、今も頭の中で図案を考えている。
ハンカチなら、いつもにつけてもらえるもの。
でも、一枚だと大事に仕舞い込まれてしまいそうだから、たくさん作ってから渡すことにしよう。
テーブルクロスに刺繍して褒めてもらったミモザの花と、ワンピースに刺繍していたかすみ草のハンカチは今朝完した。でも、流石に向けのデザインだったかもしれない。
ランディルド侯爵家を表す、タイムを刺繍しようか。タイムの香り……ほのかに甘くてピリッとしていて、まるで、ゼフィー様みたいだもの。
「完全にする乙ね……。リアステアは、好きなものを見つけると直進してしまうから。暴走しないといいけど」
友人がついたため息に、私は気がつかなかった。
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