エルフの國に向かう途中、ボロボロの村と村人を発見。

私はポーションを使って、けが人を治し、また死んだ人を蘇生した。

さっきのちゃんのお父さんお母さんを直した後、蘇生ポーションを使って、村人たちを蘇生していった。

「おお！」「素晴らしい！」「死んだ人が生き返るなんて！」

「「「聖様！」」」

村人たちがそういう。いやいや、私聖じゃなくって、錬金師なんですよ。

蘇生をあらかた終えたあと、私は村の中を移。

ふと、エルフのゼニスちゃんが私に問うてくる。

「……そういえば、蘇生ポーションは手分けして使わないんですね」

「お、いいとこに気づくね。そうなの。上級ポーション、別名、魔法ポーションは作った人間の魔力を流さないと効果を発揮しないのよ」

「……なるほど。魔法と仕組みは似てますね。式に魔力を流すことで、魔法が発する。この場合は式がポーションですが」

「そゆこと。不便よねぇ。いずれ上級ポーションも、誰もが使えるものにできるよう、手を加えるつもりよ」

そんなこんな雑談しながら、私は半壊した家に到著。

てゆーか、村の家大ぶっ壊れてるわね……。

「聖様、何をなさるおつもりでしょうか？」

「家がないと不便でしょ。てことで直します。あと聖じゃないんで、そこんとこよろしく」

私はメイドのシェルジュから、次なる上級ポーションをけ取る。

蓋を開けて、壊れた家にぶっかける。

「み、みろ！　家が！」「時が巻き戻ってるかのように、元通りに！？」

砕け散ったレンガが逆再生するかのごとく元の位置に戻っていき、あっという間にレンガの家が完。

「す、すごい！　奇跡だ！」「神の奇跡だ！」「聖様すげえええ！」

なんかもうツッコミいれるのも面倒ねえ。

はーあ、錬金師って何度言ったらわかってくれるかしら。

ゼニスちゃんが驚愕しながら言う。

「……い、今のは修復魔法ですか？　古代魔法の」

「いや、回帰《リバース》ポーション」

「リバース……？」

「時空間をゆがめて、壊れる前のに戻すポーションね」

「…………」

ゼニスちゃんは困顔で首をかしげてる。

「あれ、シェルジュ？　私何かおかしなことした？」

「錬金師ではないゼニス様に、突然専門的な知識をひけらかし、悅に浸っておりました。以上」

浸ってないての。まったくお口の悪いメイドさんね。

ゼニスちゃんがうんうんと唸っているところに、トーカちゃんがやってきて、脳天気な笑みを浮かべながら肩を叩く。

「主殿のお考えは、我々のような凡人には理解できませぬ。考えても意味がありませぬ！　今はできることをしましょうぞ！」

「……そ、そうですね。セイ様、炊き出しの準備をして參ります」

「おっけー。よろしくー」

ダフネちゃん、シェルジュを連れて、私は壊れた建を直しまくった。

うさみみ奴隷ちゃんは耳がいいので、がれきの下に埋もれてるけが人をすぐに見つけ出してくれる。

ロボメイドのロボパワーでがれきをどけて、ポーションで治療。

壊れた建を回帰ポーションで直す。

「マスター」

「なぁに？」

「この活に意味はありますか？　ポーションを無駄に消費してるだけに思えます。以上」

「意味はあるわよ。作ったポーションの試運転」

「ポーションの數も有限ではありませんか？　以上」

「使わないで取っといても、腐るだけでしょ。なら使い時にガンガン使った方がいい。データとれるし、みんな笑顔で一石二鳥、ってね」

まああとは、こんな慘狀見せつけられて、でも自分には、どうにかする力があるというのに、見過ごす。

そんなことしたら、気持ちよく旅できないじゃない。

絶対に嫌な思いするわ。

別に私はあの人たちが言うように、聖人君子でもなければ聖でもない。

「私がそうしたいから、そうしてるだけさ」

「どや顔でかっこつけてますが、単にわがままなだけでは？　以上」

「あーあー、きこえなーい」

回帰ポーションの力で、壊れた建などを直した。ほんと便利ねえこれ。

まあ結構たくさん作ったし、しばらくはストック切れることはないだろう。

もし切れたとしても、工房で作ればいい話だしね。

師匠の工房は全國にたくさんあるし（大放置されてるけども）。

「す、すごい……まるで夢でも見ているようです」

すっかり元通りになった村を見て、村長が涙を流してる。

夢じゃなくて現実ですよ。

「聖様、ありがとうございます！」

「いえいえ」

その後村人たちにご飯を振る舞うゼニスちゃんたち。

ただのスープなんだが……。

「う、うぉおお！　うめえ！」「こんな味いスープ初めてだぜえ！」

奴隷ちゃんたちの作ったスープを大絶賛する村人たち。

作ったゼニスちゃんたちは、首をかしげていた。

「……ただのスープのつもりだったのですが」

「変わったものといえば、主殿からいただいた、この調味料でござろうか」

私が片手間で調合した、伝の調味料を渡してたのである。

「聖様！　すごいおいしいです！　このスープ、一何をれたのですか！？」

「これです」

シェルジュから瓶をもらい、村人たちに見せる。

瓶にった、黒いだ。

「これはれれば大抵のものがおいしくなる調味料……です」

適當に作ったものなので別に名前とかない。

すると、おお……！　と村人たちが歓聲を上げる。

「すごい調味料だ！」「セイ様のお作りにられた調味料……」「【セイ油】なんてどうだろうか！」「それだ！　セイ油だ！」

なんか知らないうちに調味料の名前にされてるし！

は、恥ずかしいわー……。

「セイ油すげえ！　卵とあう！」「何にでもあう！」「すごい……！　聖様は、ポーション作りだけでなく、このような素晴らしい発明までなさるなんて！」

どれも別にそこまでたいしたもんじゃないと思うんだけど。

村人たちからはなんか、めちゃくちゃ謝されたのだった。