《快適なエルフ生活の過ごし方》TYA:ブランの葛藤

悩め悩め青年(ちゃんとハッピーエンドの予定です)

翌朝、寢惚けてるアリスを起こして、私と小雪は朝ご飯を作ります。お兄ちゃんに食べてもらうためと料理の修行をしてきたから年季が違いますね。

アリスは貴族なので料理とかはしません。本來なら結婚して子どもも居る年齢なのですけど、有象無象の求婚ラッシュにブチ切れたお爺様とやらがこっちの世界に避難させたのです。一度會いましたけど確かに孫バカなおじいさんでした。

畑からママが帰って來たらみんなで朝ごはん。昔は晶龍もこの食卓だったのになあ。

「こうしてると晶龍君が居た時みたいね」

ママに何の悪気もないんでしょうけど、その言葉は私に刺さった。きっと、もう、そうして一緒の食卓を囲むことはないんでしょう。

「ううっ」

「と、どうしたの、ブランちゃん?」

「いえ、なんでも……ありません」

他の二人は予想が著いてるからか何も言わないでくれています。クヨクヨしてても仕方がない。前を向かなくちゃ。

登校して授業をける。先生の話してる容がいまいち頭にらない。容はだいたい理解出來てるんですけど説明が下手くそなのですよね。

もうすぐテスト期間だから余計な事考えずに勉強に集中したいのに、どうしても晶龍の事が頭から離れません。私はなんでもっと早くに晶龍を私のモノにしてしまわなかったのでしょう。一人暮らしの時に無理矢理でもついて行けば良かったのでしょうか。

放課後、今日もアリスや小雪をおうとしたら、二人は先約があるという。アリスはお爺様の用事があるから向こうに帰らないといけないんだと。まあゲートは繋ぎっぱなしにしてるから大丈夫だろう。小雪はなんかお兄ちゃんを奪った狐と対決してくるとか言ってた。いい加減兄離れした方が良いと思うんだけどなあ。お兄さんのの彼さんって十年以上続いてるよね? いや、なんで結婚してないのか分からないけど。

一人で寂しく帰ろうとしたら聲を掛けられた。

「よう、今日は一緒に帰ろうぜ」

「は? なんで?」

「なんでって用事ねえもん」

「あんたね……」

頭が痛くなりました。こいつは付き合うという事をなんだと思ってるんでしょうか? もしかしたら買いに付き合っただけとかそんなレベルなのですか? いや、だってあの子好きって言ってたじゃないですか。ありえないですよね。

「ん? なんで怒ってんだよ、ブラン」

「あなたが無神経だからですよ!」

「無神経? なんで訳の分からない事言ってんだ?」

「とぼけないでください。仲良く二人で買いデート、楽しかったですか?」

「買いデート? 何の話だ?」

「うるさいです、バカ!」

知らない知らない知らない! 晶龍なんてもう知るもんか! 向こうの世界に戻って白の王と結婚でもしてやろうか! いや、もう白の王はお姉様に何とかされてたと思うからあとは晶龍連れて帰るだけになってたはず。

私は空間を渡ってその場から離れた。

「それで私の所に來た、と」

「はい、お世話になります」

「良いのよ。私は二人の先生だもの」

「葵先生……」

保育園の園長室。いつまでも若いと噂の園長先生である、葵先生のところだ。頼る場所なんて決まってるんだよね。ママには晶龍とのの話はしたくない。きっとはしゃぐから。

「私、もう、晶龍が何考えてるのか分からなくて……」

「はいはい。じゃあ落ち著いて話してみてくれる?」

そうして私は先生に全てを話したのでした。

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