《【書籍化】誤解された『代わりの魔』は、國王から最初のと最後のを捧げられる》73 王妃の戸い 10
私はびっくりして、しばらく言葉を発することができなかった。
そんな風に考えたことは、今まで1度もなかったからだ。
だって、私は『代わりの魔』だから。
不幸に見舞われるであろうお相手の方の代わりになり、幸せにすることが私の幸せだと、當然のように考えていたからだ。
そして、実際にフェリクス様が元気だと、楽しそうに笑っていると、それだけで私は満たされて、心から幸せをじていたからだ。
「フェリクス様が幸せならば、私は同じように幸せをじるから……」
それで十分だわ、という気持ちを込めて彼を見つめると、フェリクス様は大きく首を橫に振った。
「ルピア、君の生き方を否定するつもりはないし、そんな風に生きてきてくれたからこそ、私は救われたのだが、……それでも君は、君自の幸せを探すべきだと思う」
決して押し付けがましい様子はないものの、それでもきっぱりと言い切ったフェリクス様を見て、私は何と言っていいのか分からなくなり、服の元をぎゅっと摑んだ。
そんなことを私に提案した人は、フェリクス様が初めてだったからだ。
私の母は同じく『代わりの魔』で、父が幸せであれば母も幸せになるからと、父が幸せであるよう常に心を砕いていた。
私のを知っている者は誰だって、魔がどういうものかを知っていたから、お相手の幸福を求めることが魔の幸福につながるものだと、それを當然のこととして扱ってきた。
なのに、フェリクス様は魔である私に、私自の幸せを探すべきだと言う。
どうしてよいか分からず、眉をへにょりと下げていると、フェリクス様はさらに言葉を続けた。
「私が幸せでいることに君が幸せをじる、というのは私にとって最上の答えだけど、それではダメなのだ。私への気持ちがなくなっただけで、君が空っぽになってしまうようでは。ルピア、10年前の君は輝くような幸福に溢れていた。何を見ても楽しそうだったし、何をしても笑っていた。そんな狀態に、君以外の誰の影響もけることなく、戻ってほしいのだ」
確かにフェリクス様への好意がなくなってしまった今、ただそれだけで、々なことを楽しいと思う気持ちが薄れたようには思うけれど……。
でも、先ほどフェリクス様が口にした『彼自の幸福』が、たった今彼が否定しているものと同じものに思われたため、そのことについて質問する。
「でも……先ほど、フェリクス様自が『あなたと私が生きていれば幸せだ』と言ったけれど、それは私が言っていることと同じではないかしら? 私も同じものを求めているだけだわ」
理解してほしくてそう言ったけれど、フェリクス様はやはり首を橫に振った。
「結論は同じでも、過程が違う。私はい頃から様々なことを求めてきた。『複數の虹髪になりたい』だとか、『両親に認められたい』だとか、『國民のためになることを行いたい』だとか、多くのことを。そうして、それらを求め続けた結果、多くの願いを葉えることができた。……多くの満足いく結果を手にした後に、もうこれしかないと選び取った『幸福』だ。私の結論は、他の多くの選択肢を潰していった後に手にれたものなのだ」
「ええ」
ずっとフェリクス様を見てきた私には、彼の言葉に間違いがないことは分かっていたため、その通りだと肯定する。
「けれど、君は最初から、君の幸福とはそういうものだと、他の選択肢を探しもせずにけれている。それではダメなのだ。探してみれば、他の幸福が見つかるかもしれない。それに、初めから準備されていた結論であれば、手にしているものの価値が分からずに、簡単に手放そうとするかもしれない」
「手放す?」
フェリクス様の話は象的過ぎて分からなかったため聞き返すと、彼は真剣な表で見つめてきた。
「ルピア、私が多くの間違いを犯したことは理解している。だからこそ、君が想をつかしたことも當然のことだとけれているが、……君はなぜ私のことを忘れようとしたのだろう? それは本當に、君自が希したことだろうか?」
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