大方こんなこったろうと思ったぞ！(混世魔王樊瑞)

葵先生は私の話を一通り聞くと紅茶をいれてくれた。し寒くなってきたからかカップの溫かさが心地良い。

「話してみてどうかしら？」

「本當になんであんなやつ好きになっちゃったんだろう」

「嫌いになった？」

「いえ、まだ好き、なんです。嫌になっちゃいます」

の子と付き合っても私への接し方が変わらない晶龍に、何よりそれでも好きな気持ちが変わらない自分自に。

「私はね、ブランちゃん。あなたの早とちりだと思うわよ」

「えっ！？」

早とちり？ なんの事でしょうか？ だって私の目の前で告白されて付き合うって言ってたんですよ？ 早とちりとかありえないでしょ。

「葵せんせー、いる？」

その時外から聲が聞こえた。聞き間違えるはずがない。晶龍だ。

「なっ、なんで！？」

「仕方ないわね。ブランちゃん、ちょっと隣の部屋で待っててくれる？」

そう言って葵先生は私を隣室.......お晝寢部屋に押し込めました。葵先生、ここで寢てるんですね。葵先生の匂いがします。どんな匂いかって？ 大海の様な包み込むじの匂いです。

「葵せんせー」

「なんですか、晶龍君？ 先生お仕事中だったらどうするんですか？」

「いや、お茶してたんだろ？ ん？ なんでカップが二つもあるんだ？」

しまったあ！ カップ回収してない！ まあ一口口をつけただけで殆ど飲んでないんだけど。

「來客の予定でいれたんですよ。なんだったら冷めてしまいそうですから飲んでも良いですよ」

「そっか。じゃあいただきます。乾いてたんだよな」

ぎゃー！ 何やってんですか、先生！ こ、これはかかか関節キッス！ そりゃ昔は平気でしたけど.......

「それで何の用ですか？」

「あのさ、なんか、ブランに嫌われたんかなって」

當たり前でしょう！ 彼がいながら他のにフラフラする様な奴は嫌われるんです！ .......いえ、私は他のの立場ですし、嫌いになんてなれる訳ないんですけど。

「何があったんですか？」

「うん、昨日なんだけど、後輩の子に買い付き合ってって頼まれたからブランと一緒に帰れなくって」

は？ 「買い」に付き合った？ だってあの子好きだって.......

「よっぽど部活熱心で好きだって言うから力仕事くらいは引きけてやろうかと思って」

その好き！？ いや、絶対あれは男関係の好きでしょ。メスのフェロモンプンプンしてましたもん！

「だから何時になるんか分からんかったからご飯も要らんって言ったんじゃけど」

作ってもらうとかじゃなかった！？ 飽くまで私を気遣って？

「そんでご飯作ったけど味気なくてブランのご飯が食べたくなったから今日は食わせてもらいたくて一緒に帰ろってったんだけど.......」

「斷られた、と？」

「そうなんだよ。なあ、せんせー、オレ、なんかあいつに悪い事したんかな？」

聲音が凄い困ってるじ。いやいやいや、なんでこんなにドキドキしてんの？ なんかすごい嬉しい。

「そのの子はどうしたんですか？」

「ん？ 後輩の子？ 部室まで荷持ってってお茶をご馳走になって帰ったけど？」

「ではそのの子と際するとかじゃないんですね？」

「なんで？ そんなあんまり知らんのに付き合う訳ないけど」

やだやだ、どうしよう。早鐘の様にドキドキしてる。縄文土？ 彌生土？ 土土アタック！ こうかはばつぐんだ！