《僕の妹は〇〇ですが何か問題ありますか?》部員集め

僕は馴染の『百々目鬼(とどめき) 羅々(らら)』と共に部活を作ることになった。

まあ、とにかく部員がいないと話にならないため、僕たちは部員を集めることにした。

「ねえ、雅人《まさと》ー。うちのクラスに帰宅部って何人いるー?」

休み時間になった瞬間に僕のところに來るのはやめてほしいが、彼は気になったら即行する格《たち》なので僕は仕方なく彼の質問に答えた。

「まあ、だいたい十人前後くらいだと思うぞ」

「えー、なくない? うちは強制じゃないんだから、もっといても良くない?」

たしかにそうかもしれないが、うちは運部も文化部も全國にその名を轟《とどろ》かせている強豪校だ。

だから、才能の塊《かたまり》みたいな連中が勝手にやってくる。

その結果、帰宅部はほとんどいないという狀況にある。

「まあ、それは仕方ない。とにかく、まだどこにも部していない一年生を探しに行こう」

「そうだねー。じゃあ、晝休みに一年生の教室に突撃しよう」

「それはやめてくれ。恥ずかしいから」

「えー、それが一番手っ取り早いじゃん」

たしかにそうかもしれないが、そんなことをしても逆に警戒されてしまう。

さて、どうしたものかな。

「まあ、待て。あと三人部員を集めれば生徒會に申請書を提出できるんだから、晝休みに屋上とか木の上とか図書室に行ってみようよ」

「えー、そんなところ暗か、ぼっちしかいないじゃん」

ストレートにそう言うこというなよ。

まあ、たしかにそうだけどさ……。

「他の部が目をつけてないやつを探すんだから、仕方ないだろ?」

「うーん、まあ、そうかもしれないねー。じゃあ、私は晝休みに屋上に行ってみるよ」

「そうか。じゃあ、僕は図書室に行ってみるよ」

一人になれるし。

「りょーかい。それじゃあ、そういうことでー」

「おう、分かった」

晝休みになると、彼は屋上へと向かった。

僕は晝ごはんを食べ終わってから図書室に向かった。

「……さすがに誰もいないか」

人気《ひとけ》のない図書室は靜かで心地よいのだが、一人くらいはいてほしい。

じゃないと本たちが可哀想《かわいそう》だ。

なんてことを考えていると、誰かが図書室にやってきた。

「あっ……」

僕が聲のした方を向くと、白髪ショートヘアと黒い瞳と小柄な型が特徴的なの子がいた。

「あー、えっと、こ、こんにちは」

「こ、こんにちは」

はそう言うと、僕の橫を通り過ぎようとした。

その時、彼の足がもつれて転びそうになった。

「危ない!」

僕は咄嗟《とっさ》に彼を支えた。

その直後、僕の両腕は一瞬で凍《こお》ってしまった。

は僕の両腕が凍ったことに気づくと、泣きながら謝った。

「……! す、すみません! 私、うまく力が制できなくて! い、今なんとかしますから、じっとしててください!」

僕は彼が何かする前に、自力でなんとかすることにした。

「これくらい平気だよ。……ほら、この通り」

僕は鬼の力でそれを溶かすと、両手を開いたり閉じたりした。

「い、今のって、鬼の力……ですか? でも、あなたは人間ですよね?」

「え? あー、まあ、祖父が鬼だったから、僕にもなからず鬼のが流れてるんだよ」

「そ、そうなんですか……。それは良かったです……って、全然良くないですよね! 初対面の相手をいきなり凍らせるなんて!」

は僕のことを心配してくれているようだが、別に大したことはないから、そこまで必死に謝られても困る。

「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。えーっと」

「あっ! 私『雪《ゆきめ》 葵《あおい》』っていいます! 一年生です!」

「えっと、僕は『山本《やまもと》 雅人《まさと》』。二年生だ」

は僕の名前を聞くと、目をキラキラと輝かせた。

「あ、あの! もしかして! 二年連続で力テストの記録が測定不可能か無しだったりします?」

「え? あー、まあ、そうだけど」

「そうですか! 先輩があの有名な裏ボスだったんですね!」

裏ボス? 僕にそんな異名があったのか。

知らなかった。

「その名前は初めて聞いたけど、どうして雪《ゆきめ》さんはそんなに嬉しそうなの?」

「だって! 見た目からは全《まった》くそんなイメージないのに、そんなことできるなんてすごいことじゃないですか!」

「そ、そうかな?」

「そうですよ! もっと自信を持ってください!」

な、なんかグイグイくるな。

まあ、いいけど。

「あ、ああ、うん、そうだね」

それから彼としばらく話をした後、僕は新しく部を作ることを彼に話した。

すると、あっさり承諾してくれた。

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