《僕の妹は〇〇ですが何か問題ありますか?》し落ち著いて
行ける。
不安な要素はこれっぽっちもない。
だから、あとは目の前の敵を倒すだけだ。
「我は鬼の力をけ継ぎし者なり。我は時に世のため時に他者のために、その力を解放する。それが今この時であることを宣言する。『鬼神降臨』!!」
僕のからとてつもない量の妖気が溢れ出る。
それはこの世のものとは思えないほどの濃度で周囲を恐怖で包み込んでしまうかのようであった。
「ひ……ひええええええええええええええええ!!」
それを目の當たりにした鉄鼠《てっそ》は巨大化しているのにもかかわらず、その場から逃げようとした。
しかし、僕は彼を逃がさない。
僕の妹を拐しようとしたやつだし、僕の知人たちを捕まえて、あんなことやこんなことをしようとした。
だから、僕は決してお前を許さない。
どこまでもお前を追いかけて、息のが止まるまで毆り続けてやる。
そうだ、これは正義の鉄槌だ。
僕は最強なんだ。
僕こそがルールだ。
だから、それに逆《さか》らえば、誰であろうと抹殺する。
「無駄だよ、僕に認識されているうちは誰であろうと僕の力の前にひれ伏す運命なんだから」
僕の蹴りが鉄鼠《てっそ》の膝下にクリーンヒット。
彼は涙目を浮かべながら、しりもちをついた。
ざまぁみろ。
僕の妹や知人たちを傷つけようとするから、こうなるんだ。
「さぁ、裁きの時だ。準備はいいか? 下等種族の親玉」
僕が彼のの上に立ち、右手で何かを摑《つか》むような仕草をすると、彼は悶える。
「た、助けてくれえええええええ! 命だけは見逃してくれええええええ!」
「妖怪にあるのは魂だけだろ? それともお前には心臓らしき臓でもあるのか? なあ、教えてくれよ。なあ」
その時の僕は笑っていたらしい。
目の前にいるそいつを嘲笑っているかのような不気味な笑み。
悪魔のような悪そうな顔。
命を弄《もてあそ》んでいるかのような……そんな顔だったらしい。
「や、やめてくれ! お願いします! 今回だけは見逃してください!!」
「そんなのダメに決まってるだろ? 僕はそんなに甘くないんだから。ほら、もっと僕に恐怖しろよ。ほら、ほら、ほら!」
その時、僕のに黒い何かがまとわりついた。
「なんだよ、今いいところなのに。邪魔するなよ!」
僕がそれを引きちぎろうとすると、僕の目の前にここに來るわけがない存在が姿を現した。
「お兄ちゃん……し落ち著いて」
どう……して。
なんで、お前がここにいるんだよ。
お前は家にいるはずだろ?
後頭部にあるもう一つの口で食事するところを他人に見られるのが嫌で引きこもってるはずだろ?
なのに、どうして。
どうしてお前がここにいるんだよ。
「なつ……き?」
「うん、そうだよ。お兄ちゃんの妹の夏樹《なつき》だよ」
妹はニッコリ笑うと、僕をギュッと抱きしめた。
「お前……どうしてここに」
「私の髪は私そのものに等しい。だから、お兄ちゃんの行は全部把握済み」
つまり、僕のに妹の髪のが一本でも付いていたら僕がどこで何をしているのか分かるってことか。
そういえば、夏樹《なつき》の髪のはまるで別の生きのようにいていたな。
それに部活の件について話している時も突然、僕たちの目の前に現れたりしていた。
「そうか。けど、どうやってここまで來たんだ?」
「それは。とにかくし落ち著いて」
しかし、僕はやつを倒さないといけない。
妹は僕の両頬に手を添えると、首を橫に振った。
「……分かったよ。お前の言う通りにするよ」
「ありがとう、お兄ちゃん。じゃあ、目を閉じて」
ん? どうして今、そんなことをしないといけないんだ?
僕が何も言わずに立ち盡くしていると、妹は僕の両目を片手で隠しながら、僕の額に優しくキスをした。
その直後、僕は意識を失った。
人形の糸がぷつりと切れた時のように。
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