《【書籍化&コミカライズ2本】異世界帰りのアラフォーリーマン、17歳の頃に戻って無雙する》3章:神ってにまみれたヤツ多いよな(1)

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■ 3章 ■

「さあ! お願いします師匠! 押忍!」

どこから取り出したのか、ぼろぼろに使い古された空手の道著にを包んだ由依が、びしっと禮をした。

そでは千切れてボロボロになり、ノースリーブ狀態だ。脇からはちらりと大きなの膨らみが見える。

さらに、下半は膝上で千切れており、トレードマークの黒タイツが覗いている。

板張りの上でもったりはしないらしい。

さすが神である。

そんなところで心されても、神も嬉しくないだろうが。

ここは白鳥家の道場。

昨晩のオレの戦いを見た由依が、特訓をしてくれとせがんできたのだ。

というか、この家は敷地に道場まであるのかよ。

一見普通の道場だが、壁や床には強化素材がふんだんに使われている。

「特訓と言ってもなあ……。をしっかり鍛えて、死線を何度もくぐれば、勝手に強くなれるぞ」

「參考にならないにもほどがあるわ……。を鍛えるってどうするの? ジムでできるものは一通りやってるわよ」

たしかに、しなやかかつ無駄のない筋がついている。

「んー、一流アスリート止まりだな」

「悪口みたいに言われた!?」

「人間の域を超えた質の筋をつけないと、自分の攻撃にがついてこない」

「人間を超えるって……筋ダルマになってもスピードが落ちるだけだって、金髪になる宇宙人も言ってたわよ」

年マンガにも詳しいな」

「なにか技のヒントがないか々読み漁ったから」

「そこでマンガに頼るなよ」

と言いつつ、あちらの世界でオレも、意表の付き方はマンガやアニメを參考にしていた。

あくまで自力があった上でのアクセントだがな。

「問題は量じゃなくて質だ。ちょっと試してみるか?」

「何を?」

「筋トレ」

「んっふふー。筋トレにはちょっと自信があるんだからね」

――三十分後。

「はぁ……はぁ……もうゆるしてくださいしんでしまいます……あふっ……」

由依は床にうずくまり、びくんびくんと震えている。

に施したのは、オレが月の裏側でやった筋トレをちょっと軽くしたものだ。

最後にヒールをかけて終わりにするか。

オレが由依のに手をかざすと、彼をぼんやりと溫かいが包んだ。

「うぅ……回復魔法ってすごく気持ち良いんだけど、筋繊維の修復が痛すぎてクセに……じゃなかった、トラウマになりそう……」

「これを二十四時間、一週間ほど続けると、即席で魔族から逃げられるくらいのが作れる」

「それ死んじゃわない!? というか、魔族ってすごいのね。こっちの世界にいなくてよかったわ」

魔族に狙われた村人を助けた時、村の若者全員にこの筋トレを施したことがあったが、阿鼻喚地獄絵図だったな。

その村から、魔王討伐のパーティーメンバーの一人が出たりもしたが。

「さっき由依が言ってたマンガだって、主人公達は死にかけたところから復活して強くなるだろ? それと同じだって」

「マンガと一緒にされても困るよ!?」

そこは冷靜になるのかよ。

「筋トレは毎日しずつやっていけばいいさ。とりあえず、由依の実力がみたいな。じゃあ……」

オレが口の中で小さく呪文を唱えると、床に出現した魔法陣から、昨晩戦ったダークヴァルキリーが現れた。

「なんでダークヴァルキリーを召喚できるの!? まさかあなた……カズに化けた上級ヴァリアント!?」

大きく飛びのいた由依が、ダークヴァルキリーに向かって構えた。

ここまでお読み頂きありがとうございます。

続きもお楽しみに!

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