《【書籍化】竜王に拾われて魔法を極めた年、追放を言い渡した家族の前でうっかり無雙してしまう~兄上たちが僕の仲間を攻撃するなら、徹底的にやり返します〜》64話。エピローグ。アルスター王立魔法學校、開校
【★☆★★☆★大切なお知らせ☆★☆☆★☆】
あとがきにて、
この作品を楽しんでくださってる方に向けた、
とても重要なお知らせが書いてあります。
どうか、最後まで読んでくださると幸いです。
1年後──
今日はアルスター王立魔法學校の學式だ。
ハイランド王國だけでなく、人魚の國オケアノスや隣國からも生徒がやってきていた。
僕は続々と集まってくる年を丘の上から眺めていた。張した面持ちの子もいるが、みなが夢と希にを膨らませている。
システィーナ王は無詠唱魔法を他國にも広めることで、連帯して聖竜王と戦っていくことを選んだのだ。
「カル兄様の無詠唱魔法を他國との同盟作りのために活用するなんて、システィーナ王は、やっぱりやり手だよね」
シーダが心した様子で告げた。
1年で見違えるほどしく長した妹は、教師を勤めることになっている。シーダはすでに僕の手解きで、無詠唱魔法を習得していた。
「それにしても、慨深いのじゃ。何も無かったこの島が、今や世界中から注目されておるのじゃからな」
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アルティナがしみじみと告げた。
「アルティナと出會ったばかりの時は、ここは竜に支配された危険な無人島だったからね」
僕は苦笑する。
今、この島は海竜に守られた世界一安全な場所になっていた。
浜辺は海水浴客で賑わい、回復薬のメッカとしても知られるようになっている。
「カルと出會わなければ、わらわは今もひとりで、この島に隠れ潛んでいたやも知れぬ。それが賑やかな仲間に囲まれて、こんなにも楽しい毎日が送れようとは……夢の中にいるようじゃ」
「僕もアルティナと出會えて良かったよ。ここに來なければ、ずっと自分のことを魔法の使えない欠陥品だと思い込んでいたかも知れない」
「そうじゃカルよ。次はここに図書館を建てぬか!? 一生引きこもっていられるようなドデカイ奴が良いのじゃ!」
「おっ。魔導書の蔵書も増えてきたし……それらを整理して置いておける場所は、必要だね」
僕は魔法の研究のために、ここ1年でかなりの魔導書を集めていた。そろそろ置き場所に困ってきている。
魔法學校のためにも、図書館は有用だろう。
「そうじゃ! わらわの好きな小説をいっぱい買い込んで、生徒たちにも読ませてやるのじゃ! くふふっ、同志がたくさんできるとうれしいのう」
アルティナは全開だった。
「カル兄様! 私は家族で過ごせるプライベートビーチがしいよ! 海水浴場でルーク(飛竜)と遊んでいるとクレームが來るんだよね」
シーダも全開だった。
「さすがに、プライベートビーチなんて作る予算も土地も無いから卻下」
資金なら【再生竜水(ヒールドラゴンウォーター)】を売ったお金が富にあるけど、無駄なことに使うつもりは無かった。
「ええっ! カル兄様と二人っきりで過ごせる場所は、絶対に必要だと思うのに」
と言って、シーダは僕に甘えたようにハグしてくる。
「おい、シーダよ! 最近、兄妹にしてはスキンシップが過剰ではないか!?」
「私とカル兄様は、兄妹以上の関係なんだから、當然だよね」
「はぁっ? なんじゃ、それは!?」
妹に好かれるのはうれしいのだけど、最近、ちょっとベタベタしすぎだと思う。シーダの周囲には、ハートマークが飛んでいた。
「カル殿、こちらにいらしたのですね! そろそろ學式が始まりますよ!」
學校の理事長を勤めるシスティーナ王が、手を振りながら丘を登ってきた。
16歳になった彼は、さらに輝くような貌に磨きがかかっている。
「あっ、あそこにおわすのは、カル様ではないか!?」
「きゃあああああ! 本のアルスター子爵閣下よ!」
「ああっ! 俺、カル様のようになりたくて、ここに來ました!」
「大英雄カル・アルスター様、ばんざい!」
僕の存在に気付いた生徒たちが、殺到してきた。
困ったな……
僕は學式の最後に顔を出して、祝辭を述べる予定だった。
人に囲まれて必要以上に騒がれるのは好きではない。
「カル殿。せっかくですから、何かお言葉を彼らにかけてあげていただけませんか? みなさん、カル殿に憧れてこの學び舎に來たのです。主役が最後に登場というのは、焦らしすぎですわ」
「王殿下、そうですね……」
僕が何か話すのを、みんなが固唾を呑んで見守る。
「僕も1年後ほど前に、みなさんと同じようにこの島にやってきました。僕の場合は家族に捨てられたからですが、結果的にアルティナという大切な人と出會って、彼を救うために強くなれました。
どうかみなさんも、ここでかけがえのない友人や人に出會えることを願っています」
「おおおおぅっ……いや、カルよ。この大衆の面前で、て、照れるのじゃ!?」
アルティナが頬を真っ赤に染めた。
「ぐぅうううっ。さすがに妬けちゃうじゃないか!?」
何やらシーダは悔しがっている。
「カ、カル殿。わたくしもカル殿の大切な人ですよね? そうですわよね!?」
システィーナ王が、なぜか切羽詰まった様子で尋ねてきた。
「もちろん、王殿下も僕にとって、大切なお方です」
だけど……
僕がどん底に落とされた時に、をくれたの子。アルティナは僕の中で、ひときわ大きな存在だった。
彼と一緒なら、僕はどんな高みにも登れそうな気がする。
「では、僕はこの後、まだアルティナと魔法の修業がありますので! 學式の最後にまた顔を見せます!」
僕は飛竜アレキサンダーを呼んだ。
尊敬と崇拝の視線に曬さられ続けるのは居心地が悪いので、逃げの一手だ。
「あっ! お待ちになってくださいカル様!」
上空で待機していた飛竜アレキサンダーが、うれしそうに僕の目の前に降りてくる。
「じゃあ、行こうかアルティナ!」
「うむ!」
僕たちは、飛竜に乗って大空に飛び立った。
※※※
やがてカルが校長を勤めるアルスター王立魔法學校は、世界最高峰の魔法の名門として名を轟かすことになる。
その後、何百年にも渡って、アルスター王立魔法學校は、人類の守護者となる人材を輩出し続けたという。數多くの勇者、聖、賢者、英雄がここから巣立って行った。
カル・アルスターの名は、伝説に永遠に刻まれることになるのだった。
カルとアルティナの人生は続きますが、ふたりにとって、ひとつの區切りとなった日です。
本作は、これで完結となります。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます!
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