《【書籍化】「お前を追放する」追放されたのは俺ではなく無口な魔法でした【コミカライズ】》付き合っていると言ってみた
「よっ! おはよう」
俺の姿を見るなり、テレサは溜息を吐くと、あからさまに嫌そうな表を浮かべた。
先日の依頼を終え、カプセの街へと戻った俺たちは、冒険者ギルドに報告を終えると報酬を分け合いその場で解散した。
それから二日が経ったので、休養を終えた俺はふたたびテレサをうため、こうして食堂で待っていたのだ。
俺のテーブルの上に朝食とコーヒーが置かれているのを見たテレサは、近付いてくると正面へと座る。
そして、給仕に注文をするとじと目を向けてきた。
「そう言えば、今日はパジャマじゃないんだな?」
『…………』
俺の指摘に彼はプイと顔を逸らす。
「この前お客さんに見られてからというもの、ちゃんと著替えて出てくるようになったんですよ」
俺の疑問に答えたのは給仕だった。
彼はテレサが注文したモーニングをテーブルに置くと、事を話してくれる。
「なるほど、そう言うことか……」
テレサがプルプルと肩を震わせている。給仕から自分の生活行をバラされて恥ずかしいのだろう。
平靜を裝ったテレサは、黙々と朝食を摂り始めた。
「それより、私も一つ聞きたかったんですけど?」
食事を運んでさあ終わりではなく、給仕はその場にとどまると俺の顔を覗き込んで來た。
「なんでも聞いてくれ」
「テレサさんと……えーと?」
「俺はガリオンだ」
「テレサさんとガリオンさんはどういった関係なんですか?」
好奇心を目に宿した給仕が返答を待つ。
テレサは我関せずというじでコーヒーを口に含んでいた。いちいちこちらを気にするのを止めたようだ。
「俺とテレサの関係? もちろん決まっている人だ!」
『プッ!!!!』
俺が腕を組み、神妙に答えるとテレサの方から愉快な音がれ、彼はハンカチで口元を押さえていた。
「やっぱり、そうだったんですね! テレサさん! どうして教えてくれなかったんですか!」
激しく首を橫に振って否定するテレサ。給仕は「またまた~。照れちゃって~」と聞く耳を持たず苦労しているようだ。
俺はそんな彼を見ながらコーヒーを口にしているのだが……。
「おっと、危ない」
飛んできたコップをけ止める。投げたのはテレサで、彼は呼吸を荒げながら今にも飛び掛からんばかりの目で俺を睨みつけていた。
「すまないが冗談だ」
このままだと次は魔法をぶっ放してきそうだったので悪ふざけを訂正しておく。
「テレサは反応が面白くてな。ついからかってしまうんだよ」
「バンッ」とテーブルを叩く音がしてテレサが立ち上がる。肩を怒らせながらそのまま食堂を出て行ってしまう。
どうやら完全に怒らせてしまったらしい。
給仕はテーブルに飛び散ったコーヒーと皿を片付けるのだが……。
「わざと怒らせましたよね?」
給仕は探るように俺を見てきた。俺は給仕がなぜそんな顔をしているのか気になっていると……。
「テレサさん、ここ數日元気がなかったんですよ。例の件で、悪い噂が広まっているらしくて……」
その噂ならこの數日嫌という程耳にした。
ルクスたちが故意に広めているせいで、彼はますます塞ぎこんでいたのだろう。
「テレサさんのこと、よろしくお願いしますね」
「付き合っていないと言ったはずだが?」
まるで保護者のように真剣に頭を下げる給仕。
「でも大切に思っているじゃないですか? テレサさんをからかっている時のガリオンさんの目がとても優しかったです」
「だから元気づけようとしたんですよね?」そう言って目を覗き込んでくる給仕に、
「コーヒーをもう一杯頼む」
「はいはい」と給仕が呆れながらも去っていくのを見送ると。
「何とかしてやらないとな……」
俺はルクスへの対策を考えるのだった。
【完結&感謝】親に夜逃げされた美少女姉妹を助けたら、やたらグイグイくる
※完結済み(2022/05/22) ボロアパートに住むしがない28歳のサラリーマン、尼子陽介。ある日、隣に住む姉妹が借金取りに詰め寄られているところを目撃してしまう。 姉妹の両親は、夜逃げを行い、二人をおいてどこか遠くに行ってしまったようだ。 自分に関係のないことと思っていたが、あまりにも不憫な様子で見てられずに助けてしまい、姉妹に死ぬほど感謝されることとなる。 そこから、尼子陽介の人生は大きく変わることになるのだった――。
8 105【書籍化・コミカライズ】愛さないといわれましても~元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる
「君を愛することはないだろう」 政略結婚の初夜、生真面目軍人ジェラルドにそう言い渡された伯爵令嬢アビゲイル。 前世は魔王のアビゲイルだが、魔王とはいえ食生活は貧しかった。 憧れの人間に転生して、これで豊かな食生活がと期待するも、継母と義姉は餓死ギリギリを狙って攻めてくる。 虐げられた生活を送っていた彼女にとって、政略とはいえこの結婚はそんな生活から脫出するための希望だった。 だからせめて、せめてこれだけは確認させてほしい。 「……ごはんは欲しいです」 黒髪青目でいかつい系の軍人旦那様は、ひもじい子には意外と優しかった。庇護欲にあふれた使用人にも大切にされ、アビゲイルの美味しい食生活がはじまる。
8 136お悩み相談部!
たまに來る相談者の悩み相談に乗り、その解決や手助けをするのが主な活動のお悩み相談部。そこに在籍している俺、|在原《ありはら》は今日も部室の連中と何気ないことを話し合ったり、一緒に紅茶を飲んだりしながら、なに変わらぬ代わり映えのない日常を過ごすはずだった……。 だが、生徒會から舞い込んだ一つの相談がそんな俺の日常を小説のような青春ラブコメへと変貌させる。 ●キャラクター紹介 |在原《ありはら》、今作の主人公。言葉は少しばかり強めだが、仲間思いのいい奴。でも、本人はそれを認めようとはしない。 |晝間夜《ひかんや》、在原の後輩でことあるごとに在原をこき使おうとする。でも、そんな意地悪な表裏にあるのは密かな戀心? 本人はまだ、それに気付いていない。 本編では語られていないが、在原にお弁當のおかずをご馳走したこともある。 |緋野靜流《ひのしずる》、在原の同級生。面倒見がよくいつも部室では紅茶を注いでいる。みんなからは密かに紅茶係に任命されている。 家はお金持ちだとか……。 |姫熊夢和《ひめぐまゆあ》、三年生。いつも優しそうにしているが、怒るとじつは怖い。 學內では高嶺の花らしく彼氏はいないらしい。みんなから愛されている分愛されるより愛したいタイプ。 じつはちょっと胸がコンプレックス。 |海道義明《かいどうよしあき》、在原の中學からの幼馴染。この中では唯一の彼女持ちだが、その彼女からは殘念イケメンと稱されている。仲間とつるむことを何よりの楽しみとしている。どちらかもいうとM。 |雙葉若菜《ふたばわかな》、海道と同じく在原とは幼馴染。在原のことを母親のように心配している。本人は身長なことを気にしているが、胸はどうでもいいらしい。じつは彼氏がいるとかいないとか……。
8 59日本円でダンジョン運営
総資産一兆円の御曹司、笹原宗治。しかし、それだけの金を持っていても豪遊はしなかった。山奧でひっそりと暮らす彼は、愛犬ジョセフィーヌと戯れるだけのなんの変哲もない日々に飽きていた。そんな彼の元に訪れた神の使いを名乗る男。彼との出會いにより、ジョセフィーヌと供に異世界でダンジョン運営をすることに。そんなダンジョンを運営するために必要だったのが、日本円。これは、笹原宗治がジョセフィーヌと供に総資産一兆円を駆使してダンジョンを運営していく物語。
8 72現代帰ったらヒーロー社會になってた
主人公 須崎真斗(すざきまさと)が異世界に飛ばされ魔王を倒して現代に戻ってくるとそこはヒーロー社會と化した地球だった! 戸惑いながらもヒーローやって色々する物語バトル有りチート有り多分ハーレム有りハチャメチャ生活!
8 52デザイア・オーダー ―生存率1%の戦場―
「キミたちに與える指示は一つだけ。――ボクに従え」機械都市。誰かが初めにそう呼んだ。世界中に突如出現した機械生物【ドレッドメタル】は人類の主要都市を奪い、鋼鉄で構成された巨大建造物『機械都市』へと変貌させた。脅威的な機械生物と戦うために編成された、機械都市攻撃派遣部隊に所屬する小隊指揮長「亜崎陽一」は、特殊な能力を持つ『覚醒者』の少女「緋神ユズハ」と出會い、機械都市東京の奪還を目指していく。超大規模なエネルギー兵器群、超常的な力を行使する覚醒者たち、最先端の裝備を駆使して戦う一般兵。ーーようこそ、絶望に染まった戦場へ
8 123