《【書籍化決定!】家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです》五話 雑用依頼
「はい。素材の報酬、三萬ゴールドです!」
付嬢さんから銀貨をけ取り、財布の中へと詰める。
特別試験から一週間。
無事に合格となった俺は、Dランク冒険者として活を開始していた。
Aランク冒険者のクルタさんに勝利したということで、もっと上からのスタートという話もあったのだけど……。
前例がないということと、俺自の意向もあってなしとなった。
いきなり高ランクからのスタートと言うのは、こちらとしてもし腰が引けたからな。
いくら魔と戦う冒険者と言えど、武力があれば何でもいいってものでもなかろうし。
「それにしても、本當に良かったんですか?」
「ランクだったら、Dからで十分ですよ。そのうち上げていけばいいんですし」
「それもそうですけど、クルタさんとのパーティの話ですよ!」
「……あー、そっちですか」
勝負の後にけたクルタさんからのおい。
あれこれ悩みはしたが、結局斷っちゃったんだよな。
AランクとDランクじゃあまりにも釣り合いが取れていないし。
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それに、クルタさんのあのぐいぐいくるじがちょっと苦手なんだよな。
姉さんたちとどことなく雰囲気が似てたし。
「クルタさんは、このラージャ支部でも屈指の実力者ですよ。そんな方からおいがくるなんて、とても貴重な機會なのに!」
もったいないと憤慨する付嬢さん。
こうやって怒る彼を、ここ一週間で三回は見たな。
まあ、それだけいい話だったということなのだろうけど。
「それにクルタさんって……」
ニヤァっといたずらっぽい笑みを浮かべると、手招きをする付嬢さん。
俺はすぐさま、彼の方に向かってを乗り出す。
そして――。
「ああ見えて、ぐと凄いんです。前に溫泉で一緒になったことあるんですけど、なかなかたまらんでしたよ。どうですか、ジークさん♪」
「ちょ、いきなり何を言うんですか……」
「男の冒険者ペアって、そういう関係になること多いですからねー。もしかしてってことも十分……むふふふふ!」
「俺に限って、そんなことないですって!」
からかう付嬢さんに、顔を赤くして応える俺。
こちとら、姉さんたち以外のとはここ數年ほとんど話してないんだからな。
自慢じゃないが、関係の経験値はこの上なく低い。
仮にペアを組んだところで、そんな関係にはなるわけがない。
「だいたい俺……クルタさんのことを、どうにも信用しきれないんですよね」
「どうしてですか?」
「だって、戦う前は俺を小馬鹿にしていたような人がですよ? 急にパーティにってくるなんて、手のひら返し過ぎじゃありません?」
「まあ、高ランク冒険者さんは気まぐれですからね。それにクルタさんの場合、どうも強い仲間が必要な事があるようですし……」
事ってなんだろう?
俺が首をかしげると、付嬢さんは「しまった!」とばかりに口を抑えた。
彼はゆっくりと手を離すと、薄く笑みを浮かべて誤魔化す。
「すいません、余計なことを言っちゃいました。聞かなかったことに……してもらえます?」
「わかりました。大丈夫ですよ」
「ありがとうございます。しかし、これからもクルタさんのいを斷り続けるとなると別の問題があるかもですね」
そう言うと、付嬢さんは周囲を見渡した。
そしてあまり人がいないことを確認すると、小聲で語りだす。
「先ほども言いましたけど、クルタさんはこのギルドでも屈指の実力者です。そんな人が出したおいを、ったばかりの新人が斷り続けている。これを見た他の冒険者さんは、どう思いますか?」
「あー……つまり、嫉妬を招くと?」
「その通りです。ただでさえ、特別試験の合格者と言うことで注目を集めてますからね。気をつけた方がいいですよ」
なるほどなぁ……。
俺も今まで、姉さんたちを嫉妬する側だったので気持ちはわからないでもない。
自分より後から始めた人間に、あっさりと抜き去られてしまうあの覚。
なかなか耐え難いものがあるからなぁ。
だからと言って、俺に何かされても困るんだけどさ。
「そういうことなら、しばらくは目立たないように街中の依頼をけましょうか」
「街中って言うと……まさか、雑用依頼のことですか?」
雑用依頼と言うのは、荷運びや掃除の手伝いなど、街の人のお手伝いをする依頼である。
基本的に報酬が安いことから、高ランクの冒険者はまずやりたがらない。
「ええ。お金に余裕はありますし、雑用依頼をコツコツこなしていれば評判も良くなるでしょ」
「確かにそうですが……いいんですか? Dランクの冒険者さんが雑用依頼をけるなんて、ほとんどありえないぐらいですけど」
「もちろん。街の人とも仲良くしていきたいですし」
俺がそう言うと、付嬢さんは呆れた顔をしつつも依頼用紙の束を取り出した。
さすがは冒険者の聖地と呼ばれるラージャ。
雑用依頼だけでも、辭書のような分厚さになってしまっている。
「うわ、凄いですね……!」
「皆さん、雑用って言うだけで嫌がりますからねー」
速読でもマスターしているのだろうか。
付嬢さんはパラパラパラッと依頼用紙をめくっていくと、不意にその手を止めた。
「これなんてどうでしょう? 教會から、墓地の清掃依頼が來てます」
「どれ……報酬八千ゴールドですか。なかなかいいですね!」
「教會はそういうとこ、かなりしっかりしてますから」
「ではこの依頼で!」
こうして俺は、街の外れにある教會へと向かうのだった。
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