《【書籍化決定!】家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです》十三話 ちょっとした昔話
47agdragon(しるどら)先生より、クルタさんの挿絵をいただきました!
相変わらずかわいい、綺麗!
と言うことで皆様、ぜひぜひ見て行ってください!
「高かったですけど、いい買いが出來ましたね!」
オルトさんの店からの帰り道。
俺は大きな包みを抱えて、満面の笑みを浮かべた。
値段はかなり高くついたけれど……これで姉さんの役に立てるなら本だ。
「あとは、付與をするだけですね」
「はい。工房とかが借りられるといいんですけど、いい場所知りませんか?」
良い付與魔法を使うためには、環境も重要である。
そこらの部屋でお手軽にとはなかなか行かない。
シエル姉さんも屋敷の一角を改裝して、大きな工房を構えていた。
あれほどの設備は求めないが、最低限、魔力の作がしやすくなる作業臺ぐらいはほしいところだ。
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「私は心當たりがありませんね。ロウガはどうですか?」
「俺もさっぱりだな。ギルドで問い合わせでもしてみたらどうだ、いいところが見つかるかもしれんぞ」
「それなら、私に心當たりがあるよ」
「え、本當ですか?」
「うん! 実はさ、うちのお隣さんが魔法使いなんだよね。渉すれば借りられるかも」
それはちょうどいいや。
俺たちは早速、クルタさんにお願いをしてひとまず彼の家へと向かうことにした。
クルタさんの家は街の南東、富裕な人々が住む場所にあるらしい。
彼に案されて進んでいくと、次第に街並みが整ったものへと変わっていく。
冒険者の街らしからぬ、清潔と洗練された雰囲気に溢れていた。
「うわぁ……何かいかにもお金持ちっぽい場所ですね。こう、品があるというか」
「ここに家を持つのが、冒険者たちの間じゃ一種のステータスだからなぁ」
「ロウガも、に使っていなければ小さな件なら買えたかもしれませんよ?」
「無理無理! ここの土地がいくらすると思ってるんだよ!」
思い切り首を橫に振るロウガさん。
それを橫目で見ながら、クルタさんがし自慢げに言う。
「ボクも、中古の家が安く売られてたから買えたんだよ。新築を買おうとしたら、冒険者としてあと十年は働かないと」
「Aランクの稼ぎでも、そんなにかかるんですか」
「まあね。そりゃ大きな依頼をドンドコこなせば話は別だけど、そうそうあるもんじゃないし」
冒険者の聖地と言われるラージャでも、その規模の依頼はやはり限られるらしい。
だから、兇悪な事件が頻発しているここ最近の狀態はし異常だよと嘆いて見せる。
そりゃまあ、魔族がどんどん湧いてたりしたらいくら冒険者の街とは言え持たないだろう。
「さ、ここだよ」
やがてクルタさんは、レンガ造りの大きな家の前で立ち止まった。
二階建てで、石の柱に支えられた大きなベランダが特徴的だ。
玄関脇にはちょっとした花壇もあって、邸宅と言うのが相応しい。
「おお! でっかい!」
「自慢の家だからね。でも、さすがにライザの購した家には敵わないかな」
「姉さんは収も多いですし、他にお金を使うようなとこもないですから」
「あまり贅沢をするようなじではなかったもんね」
「そういや、ジークの実家ってもしかしてすげえお屋敷なのか? 剣聖を輩出したような家なんだから、名家なんだろ?」
ふと思い立ったのか、興味津々な様子で尋ねてくるロウガさん。
元を隠していたから仕方ないとはいえ、そう言えば皆に家のこととか話したことなかったっけ。
「いえ、うちは別にそうじゃないですよ。代々ウィンスターの王都で、小さな商家を営んでました」
「ほう、商家だったのか」
「ええ。さらに言うと俺は、その家に引き取られたんです。まだ俺がい頃、同じく商人だった実の両親が亡くなって」
俺がそう言うと、三人はし意外そうな顔をした。
特にクルタさんは目を丸くしている。
「つまり、ライザと君はがつながっているわけではないと?」
「はい、そうですよ」
「ふぅん、意外だねぇ。あんなにかわいがってるから、実の弟だと思ってた」
「そうですか? 俺はどうも、口うるさいだけに思っちゃいますけど」
「いやいや、可くなければいちいちうるさくしないぜ」
わかってないなと両手を上げるロウガさん。
ふむ、そういうもの……なのだろうか。
言われるうちが花ともいうし、そう言われればそうなのかもしれない。
「まあそうですねえ……。姉さんが俺を可がっているとしたら、理由はあの時のことかな……」
「思い當たる節があるのかい?」
「うちは俺と姉さんたちで合わせて六人姉弟だったんですけどね。義父が病に倒れた時に、六人を二人ずつに分けて別々の家に引き取ってもらおうって話になったんです。けど、それに俺は斷固反対したんですよ」
「へぇ……どうしてまた?」
理由を聞き返してくるクルタさん。
うーん、そうだなぁ……。
あの時の俺はまだ子どもだったから、的に反発したというのもあるんだけども。
しいて言うなら――。
「家族がバラバラになるのが嫌だったんですよ。それに、俺自も違う家に引き取られて最初のうちはつらかったですから。そんな思いを姉さんたちにさせたくなかったんですよね」
「だが、親父さんが病気になったんだろ? それで六人もってのは厳しいんじゃないか?」
「ええ。でもその時の俺は子どもでしたからね、理屈なんてなかったですよ。丸一日歩いて親戚の家まで出かけて、無理やり直談判したぐらいですから」
昔のことを思い出しながら、つぶやく。
あの時の俺は、本當に無茶したからなぁ……。
話を聞いてもらうために、凍える寒さの中、座り込みをしたりもしたっけ。
箱り息子だった俺が、よくもまあ頑張ったものだ。
「なかなか大した行力ですね」
「うん、ジークがそういうタイプだとは思わなかったよ」
「まあ、それぐらいしかできなかったんですよ」
「なるほどな。それがきっかけで、姉妹はジークに謝するようになったってわけか」
「確証はあんまりないですけどね。あの時からちょっとずつ、姉さんたちが俺に口出しするようになってきましたから」
それまではどちらかと言うと、無関心なじだったんだよな。
今思えば、どことなく他人行儀だったような気もする。
俺たち六人が本當の意味で家族になったのは、あの時からかもしれない。
ライザ姉さんについては、その後にあった出來事も関わっているだろうけど。
「人に歴史ありってわけだね。……さてと、ジークたちはひとまずうちで待っててよ。私はお隣さんと話をつけてくるから」
そう言うと、そそくさと歩き去っていくクルタさん。
俺たち三人は彼のお言葉に甘えて、家で待たせてもらうのだった――。
【読者の皆様へ】
いよいよ今回で記念すべき五十話です!
ここまで続けられたのは皆様のおかげです。
特に本作は大きな評価も得ることが出來まして、ありがたいかぎりです。
この機會にまだ評価・ブックマークをされていないかたは、ぜひしていただけると嬉しいです!
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