《凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ〜TIPS€ 俺だけダンジョン攻略のヒントが聞こえるのに難易度がハードモード過ぎる件について〜【書籍化決定 2023年】》2話 酒と飯と會話

〜バベル島〜

探索者街、組合本部流所。

エクスプローラーパブにて

「おーい! 姉ちゃん! 生ビール5つ! まだ來てねえぞ!」

「そんでよ、そこで食らわせてやったのよ! あんぐり空いた口にぶち込んでやったぜ」

「あのニホン街の花魁の出る店、すんごい人がいるらしいぜ」

「おい、聞いたか? 星屑野郎がまた生き殘ったんだとよ」

「アレタ・アシュフィールドが全部やったんだろ? 羨ましいもんだぜ、ジャップめ」

「それだけじゃねえよ、史もグレイウルフもいるんだぜ? 場違いにもほどがあるだろ、黃猿め」

「怪狩りが、またやったらしい。懸賞金付きの指定怪種を2日で狩り終えたんだとよ」

「クク、この霜降りラム蛇のステーキ。よく仕込んどる…… 臭みがまるでない!」

ワイワイガヤガヤ。

その場には喧騒が満ちている。

オレンジの室燈が空間全を暖かく燈しどこか楽しげな気持ちにさせる。

部屋全に響くBGMのボンゴのリズムに否応なくみんな酒を空にするペースを煽られる。

笑顔を振りまきながら、両手にジョッキや食を備えたスタッフがたくさん行き來する。

組合本部流所。エクスプローラパブ。バベル島において限られている飲酒が認められているエリア。

部屋の壁には各國の國旗が掲げられており、その場に座り飲み食いする人間は様々な人種が混ざっている。

ある意味世界で最も、國際かな場所なのかもしれない。

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様々な人間が集まり酒を酌みわし、料理に舌鼓を打つ。

活気あるその酒場のなか、注目を集める席があった。

「みんな、お酒は行き渡ったわね?」

「ああ、アレタ。ワタシは大丈夫だよ」

「アレタさん、俺も大丈夫す!」

「あるぞ、アシュフィールド」

味山はキンキンに冷えたジョッキを掲げ返事した。その様子に対面に座る金髪のは満足そうに頷き聲を張る。

「オーケー! それじゃあ皆! 怪種25號! アルゲンタヴィス討伐を祝して! そして生き殘ったあたし達に! かんぱーい!」

「カンパイ」

「カンパイっす」

「乾杯」

同時に差し出されたジョッキとジョッキがゆっくりとぶつかる。味山は笑顔溢れる仲間たちと盃をわし、ジョッキの中を呷った。

「あー、1杯目は最高なんだけどなー」

苦味と炭酸の刺激がに染み渡り全に満ちる。空きっ腹にビールが溜まり、カラカラのが潤っていく。

「プハーッ!! あー、この1杯目の為に生きてるっす! あ、お姉さーん! ビールおかわり!」

隣に座るグレンが一息でジョッキの中を空にする。同じ事を味山がすればすぐに倒れてしまうだろう。

「助手、ほどほどにしておけよ。キミ、先程の探索でイモータルの希釈を使っているのだからね」

味山から見て斜め前の席、グレンの正面に座るがちびちびとジョッキを呷りながら呟いた。

「うぃーす、心得てますよ、センセ、安心して下さい! あ、枝豆もらいまーす」

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グレンがの呟きに軽口で返す。

味山はグレンと同じように枝豆をつまみながらそのを一瞥した。

真白なはそのすら素が薄い。よく見ると眉までもが雪にまぶれたように白い。

対照的にその瞳は紅く。

に染まったルビーをそのまま當てはめたと言われたら納得してしまいそうな瞳だ。

髪のは確か染めているはず。瞳と同じように真っ赤に染められたショートボブ。

アルビノのその神的なしさが味山に笑いかけた。

「ん、どうした? アジヤマ。ワタシの顔に何かついているかね」

味山の視線に気付いたが、こちらに呟く。

「あ、いや悪い。見惚れてただけだ」

「む、そうか、不躾に眺められるのは気分が悪いものだし、よくされるものだが……そこまで素直に言われると存外悪い気はしないものだな」

押し殺すようにが、ソフィ・M・クラークが笑う。彼もまたグレンと同じく、味山のパーティメンバーの1人。

先程の大鷲狩りにおいて、味山とグレンを囮にする作戦の立案者だった。

指定探索者、ソフィ・M・クラーク。

通稱[史]

世界に50人といない國からの指定をけた特別な探索者の1人。

一般人の知名度で言えばアレタ・アシュフィールドには及ばないが、探索者からの知名度はかなり高い。

探索者であれば、いや現代ダンジョンに興味を持つものならば彼の書籍はいちどは目を通した事はある筈だ。

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味山も彼の著書の読者だった。

「アレタ、アジヤマがワタシを熱い目で見つめてくるのだが…… これはどういう事だと思う?」

「知らない、別にいいんじゃない? タダヒトが誰に見惚れようがあたしには関係ないし、メッセージも既読無視するし」

あ、やばい。いらん事言った。

味山が焦った時にはもう遅い。

対面に座る金髪の。アレタ・アシュフィールドが一気にジョッキを呷った。

「ハハハ、どうする、アジヤマ。我らが星はヘソを曲げてしまったようだ。キミに任せたよ」

「煽るなよ、クラーク。あー、どうしよ、ほらアシュフィールド、ヘソ曲げんなって。俺のだし巻き卵1つあげるから」

味山は手近にある皿を差し出す。まだ誰も手をつけていないてらてらのだし巻き卵。これに大おろしと醤油をし垂らせば神の食べになる。

味山の好だった。

しかし、アレタはふいっと顔を逸らす。

味しいぞ?」

食べないんなら仕方ない、味山が皿を戻しながら箸で1つだし巻きをつまんだ。

「それ」

「あ?」

「それがいい」

「いや、だからほら。あげるって。大おろしもつけていいから」

なんだこいつ。味山は再び手元に戻した皿をアレタに向けて差し出す。

金の髪がふるふると橫に振るわれた。

え、また拒否? いじめ?

味山が怪訝な顔をすると

「……違う、タダヒトが今お箸でつまんでるのがいいの」

消えりそうな聲とともに、アレタが指差していたのは皿に置いてあるだし巻き卵ではなく、今味山が口に運ぼうとしているものだった。

なんだ、これは。どういう意味だ。俺の箸でつまんでいるだし巻きと皿に盛ってあるだし巻きの何が違う?

味山が返答に詰まっていると

「タダ、タダ! 何してんすか?! ほら、アレタさんがあんなに勇気を出して仲直りの機會をくれてんのに! なにボケーッと固まってるんすか! ウエストバージニアじゃあ常識っすよ! 仲間が仲直りする為に…プッふ。何かを食べさせてあげるのは! ブフっ、ねえ、センセ!」

「んっ! ふ。 ……ごほん、ああ、助手の言う通りだ。アジヤマ、探索者のパーティとはこのように異文化流の機會が多い。キミの國にこんな言葉があるようだね、郷にって

郷に従えと」

バベル島の中では言葉の壁は存在しない。原理不明の力が異なる國の言葉全てを統一し、互いに翻訳し合う。

ことわざですら素直に味山は理解することができた。

「え、これそういう事なのか? ……なるほど、たしかに2人の言う通りだ。アシュフィールド、すまん、機嫌なおしてくれ。だし巻きあげるから」

「……ん、べ、別に怒ってるわけじゃないわ。でも、タダヒトがそこまでしたいなら別にしてもいいけど」

髪の先をいじりながらアレタがブツブツと呟く。探索の時と違いその姿には覇気がない。いつもよりだいぶ小さく見えた。

「ああ、そんな文化があるとは知らんかった。頼む、アシュフィールド、俺のだし巻きを食べてくれ」

「そ、そこまで、言うなら仕方ないわね。いいよ」

髪のを耳にかけてから、アレタが目を瞑って口を小さく開けた。

味山は箸でだし巻きを摘んだまま、ゆっくりとその薄い桜に近づけて

「タダ! きちんとあーんって言って!」

「アジヤマ、ウエストバージニアではあーんと言いながらでないと仲直りの儀式にはならない。無知かつ不実行は罪だよ、ブフッ」

まじか、ウエストバージニアではこんな人がやるような事を儀式としてしているのか。

「凄えな、ウエストバージニア。じゃあ、アシュフィールド、あーん」

「……あーん。……うん、味しい」

もごご、とアレタが差し出しただし巻きを咀嚼する。

貓っの金髪はパブの燈りをけ控えめにきらめく。真っ白なはアルコールの影響か、わずかに赤い。

アーモンド型の切れ長の瞳が今はによによと丸まっていた。

とびきりの人が口元を押さえながら食べるその姿に味山はなんとなく満足を覚えた。

「良かった、ここの組合本部の酒場は飯が味いからな、しは機嫌治ったか?」

「む、そもそもタダヒトがあたしのメッセージを既読無視なんてするんだもの。あたしは初めからべつに拗ねてなんてないもの」

を尖らせつつも、アレタの表らかい。良かった、だいぶ機嫌が直ったみたいだ。やはり、故郷の習慣というのは間違いないんだな。

味山は謝りつつも、仲間の機嫌が戻った事に安心していた。

そのまま箸でだし巻きをつまみ、ひょいと口にれる。

一口噛むたびにじゅわりと何重にも巻かれた卵糸から旨味の詰まったダシが溢れる。

探索終わりの疲れたにしみる。あー、最高。次は大おろしと醤油かけて塩気足しちゃお。

「うまい…… ん、どうしたアシュフィールド、まだいるのか?」

味山はだし巻き卵に舌鼓を打ちつつこちらを見つめてくる視線に気付く。

「え! いや、ううん! 別にもう大丈夫よ! タダヒトの好なんだから、タダヒトが食べて…… えと、タダヒトは気にならないの?」

「なにが? だし巻きに醤油をかけること? 大おろし乗せること? あー、そうか、アメリカには大おろしないから不思議かもしれないよな」

味山は呟きながらまた、大おろしをつまみ黃のだし巻きの上に乗せる。醤油をひとさし、そのままだし巻きを口に運ぶ。

うまい。

「あ、また…… う、ううん、別にタダヒトが気にならないのなら良いの…… はあ、あたし馬鹿みたい……」

アレタがなにを言いたいのかがイマイチわからない。しかし、怒っているわけではないようだ。味山は首を傾げながらジョッキを呷って、だし巻きをビールで流し込む。

炭酸の刺激と、ホップの苦味が卵をに流し込む。たしかな満足、決まった。

味山が満足げに大きく息を吐く。目頭が熱い、もうアルコールの酔いが回り始めてきたみたいだ。

「ははは、いやあ良かった、良かった。無事、アレタとアジヤマが仲直りできたみたいだ。助手?」

「抜かりはないっす、センセイ。きちんと寫真撮ったんであとで、ウィンスタに載せとくっす」

「馬鹿、やめろ。また読めない文字で俺だけが炎上する」

なにやら通じ合っているグレンとソフィを制止しつつ味山はふと席を見渡した。

アレタ・アシュフィールド、52番目の星。

ソフィ・M・クラーク、史。

グレン・ウォーカー、上級探索者。

いずれもこの現代ダンジョンの現れた時代における有名人、アレタに至っては既に教科書に名前の載っている生ける伝説。

改めて見ると、俺、だいぶ場違いだよな。

凡人である味山は心呟きながらジョッキを煽る。苦味と刺激が胃の底に溜まってゆく。

「まあ、なんにせよ。今日も我々は生き殘った。それが何よりだよ。それにしても2人ともよく足止め出來ていたね。あれは心した」

ソフィがテーブルの上で手遊びしながら味山もグレンに紅玉の視線を向ける。

「いやー、でも割と間一髪でしたよ。俺なんか途中死にかけたっすもん。ねえ、タダ?」

「あー、あれは焦った。まさか明になるとは思わないよな。偶々適當にぶん回した斧がクリーンヒットして良かったよ。あ…… そうか、ローン……」

味山は話しながら自分が失ってしまったを偲ぶ。どうしよう、3年ローンで買ったのに一瞬でぶっ壊れてしまった萬能片手斧。

「……安心しなよ、アジヤマ。チームの経費で落としてやるさ、なあ、リーダー?」

「ええ、そうよ、タダヒト。大鷲の討伐で一人頭80萬円ほどの報酬だもの。ローンの払いに使えばいいわ」

「まじか、ありがてえ…… よし、じゃあ早速明日組合の武屋でも行ってみるかな」

「タダ意外と金遣い荒いっすよねー、つーか大鷲の討伐でそんなにもらえるんすか?」

グレンが給仕のスタッフに追加のおかわりを求めつつソフィに向けて問いかける。酒場の喧騒の中、スタッフが笑顔で注文を聞いていた。

「ああ、今回討伐した怪種25號は組合により特異個と認定されたからね。明化が可能な個だ。無理はないよ」

「やっぱかー。強かったすもんね、あいつ。まあでもアレタさんとセンセイが到著してからはものの數分で終わりましたけど」

味山はあの狩りの結末を思い出す。

自分とグレンがそれこそ命がけで足止めした化けとの決著は、指定探索者の到著を以って呆気なく完了した。

「アレタの投槍がメタを取れたね。大鷲はサイズこそ巨大だが、空を飛ぶために見た目以上に組織がスカスカだ」

「ソフィもよくサポートしてくれたわ。何度見てもすごいわね、その鞭は。さすがは、保持者ってところかしら?」

2人の人が笑い合う。何しても絵になるな、コイツら。味山は自分にはないオーラを肴にビールの殘りを飲み干した。

「おまたせしましたー! 生ビールです!」

「はーい、はいはい、俺っす、お姉さん」

グレンがスタッフからビールをけ取るのと、同時に端末の著信音が鳴り響く。

ピピピ、ピピピ。

「おっと、失禮、ワタシの端末だね。……ふん。アレタ、しいいかい? お手洗いに付き合ってくれ」

「え? ええ、問題ないわ。ごめんね、タダヒト、グレン。し外すわ」

「おう、ごゆっくり」

「行ってらっしゃいでーす」

アレタとソフィが連れ立って席を立つ。男2人はビールをちびりちびりと飲みつつその後ろ姿を見送った。

インナーにジャケット、割と薄著の2人の背中をぼーと見つめる。

「アレタさん、後ろ姿から何から人っすねー。みてくださいよ、あの長い腳! 周りの探索者の連中、みんな橫目で盜み見してるし」

味山はグレンに促され、手洗いへ向かうアレタを見送る。

喧騒が満ちる酒場、しかしアレタとソフィの進路に近いテーブルは皆靜かだ。

男が、が、酒場のスタッフまでもが。

ちらりと一瞥するもの、じっと見つめるもの、こそこそと盜み見するもの。様子は様々だが、皆一様にその2人に目を奪われている。

「すげえ…… ホンモノのアレタ・アシュフィールドだ」

「どうしよう? これ、ソフィ先生サインくれるかな?!」

「綺麗……」

「おい、聲かけてこいよ」

「バカ、相手にされるわけないだろ! お前が行けよ!」

ざわ、ざわ。

沈黙と喧騒が綺麗に分かれる。2人の指定探索者が離れたテーブルから順番に會話が溢れ出ている。

あいつ、やっぱり凄い奴なんだよな。

味山は妙に現実のない想を抱きながらビールのおかわりを頼んだ。

「たしかに絵に描いたような人だけどな。でもよ、ツラの良さならお前のセンセイ、クラークだって負けてねえだろ」

手持ち無沙汰の間、隣のグレンへ言葉を返す。

「いやー、確かにセンセイはなんも知らなければ現実離れしたしいなんすけどー、ホラ、日常を見てるとどうもそんなじしなくて。山のように積もった吸い殻とか、ぎ捨てられたパンツとか洗濯機に放り込むとしたらねー」

「見る分には綺麗だが、登る分にはてやつか。富士山みたいだな」

おまたせしましたー。

差し出されたビールのジョッキを味山が會釈しながらけ取る。

なみなみと注がれた黃金をちびりと舐めた。

きいん。

澄んだ金屬音。また、アレが來る。

味山は苦い酒をに押し込む。

€TIPS 耳を澄ませ€

グレンの聲ではない。

それとは別のナニカが味山の耳に囁く。

その聲が聞こえた瞬間、ごおおおおと空気の鳴る音が耳に屆き、そして。

『おい、見ろよ、星屑野郎だ。また生き殘ったんだとよ』

『アレタ・アシュフィールドの寄生蟲が。なんでまたあの星はあんな凡人を飼ってるんだ?』

『ねえ、あの人、この前日本人の探索者から聞いたんだけど、前のパーティでも問題を起こして追放されたらしいよ?』

『聞いた、聞いた! を取り合って、しかも振られてそれで逆ギレしたんでしょ? マジありえなくね?』

『グレン・ウォーカーが一緒じゃなけりゃし分からせてやるんだけどな』

『まったくだぜ。目障りなジャップめ。ダンジョン発祥の國の人間だからって、てめーまでがえらいわけじゃねえのに』

『この前のウィンスタ見たか? アレタ・アシュフィールドと一緒にクレープ食べてたぞ。調子に乗ってやがる』

『ククク、しつこ過ぎず、それでいて濃厚な味。相當良い蜂を使っとる…… このパンケーキのシロップ……! ワシの目はごまかせん、生地にもわずかに練りこんどる……! バベルミツバチのミツを…!』

『仰る通りです。立神様。お口に合ったようで何よりです』

耳にまとわりつくように聞こえる聲、聲、聲。

それらは通常の聞こえ方ではない。それぞれのテーブルの中でしか伝わらない小さな口まで全て拾って聞こえる。

味山は耳が良い。正確にはとある探索を終えたその日から耳が良くなった。

聞こえないはずのものが、聞こえなくて良いものが聞こえる、その耳。

€TIPS 探索者にとって評判は大切だ。橫の繋がりは新たなる探索の呼び水となる€

うるせえ、知ったような口を叩くな。

口とは別にどこからか聞こえるささやきに心で返事をした。

TIPS

味山 只人にはダンジョン攻略のヒントが聞こえる。

それは的な攻略だけにとどまらず、コツや豆知識などがどこからともなく流れ込む。

味山にはとても出來の良い耳が備わっていた。

顔を振り、聞こえなくても良い雑音を振り払う。どうせ外から聞こえないように口を言うしかない程度の連中だ。害はないだろう。

「どーしたんすか? タダ」

「いや、なんでもない。それより俺、そろそろ系がいきたい。アシュフィールドたちが戻ってくる頃には來るでしょ」

味山が機の上にあるメニュー表をひらりと眺めて。

「それなら、三戦鳥の唐揚げはいかがですか? 唐揚げ、好きでしたよね、味山さん」

「あ! それいい! それに決めーー え?」

突如、掛かって來た聲に反応しながら味山は言葉を止める。

先程までアレタが座っていた席に誰かが座っている。

味山どころか、グレンですら聲をかけられるまで気付かなかった。2人の男が目を大きく見開いて、ポカンと口を開けていた。

「お久しぶりです、味山さん。お元気そうで何よりです」

「貴崎……?」

「はい、味山さんの元パーティメンバーで、現在! 味山さんを補佐探索者にスカウト中の貴崎 凜です」

無邪気な笑顔で、黒髪ポニーテールのが味山に笑いかけた。

読んで頂きありがとうございます!

宜しければブクマして是非続きをご覧ください!

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