《凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ〜TIPS€ 俺だけダンジョン攻略のヒントが聞こえるのに難易度がハードモード過ぎる件について〜【書籍化決定 2023年】》42話 修羅場から逃げよう!

「あじやまさーん、味山只人さーん、面會希の方がいらっしゃっておりま…… あ!! またゲームしてる?! あれだけ1日1時間って言ったのに!」

「ああ、まって!! 待って婦長さん!! まだギリギリ1時間! あともうワンターンだけ!」

「ダメです! これまで一何人の指導者があとワンターンを繰り返してどれほどの時間を溶かして來たか知っておいでですか!?」

「あれ、婦長さんもしかしてシヴ○知ってんの?! あ、電源切りやがった!?」

ズカズカと部屋にってきた年季のった看護師がベッドの上に放り投げていたゲーム本のスイッチを手際よく切る。

「あああ…… 俺の制覇勝利が…… ようやく近代まで進めたのに……」

「いえ、近代の時點でまだこんなに文明が殘っているなら恐らく世界會議で吊し上げになると思いますよ」

看護師が腕を組みながらふむ、と呟く。この人絶対シヴ○知ってんじゃん、味山は素直にコントローラーを手放した。

「はあ、世界征服は明日に持ち越しか…… あ、すみません、えっと、お見舞いですか?」

「はい、味山さんに、もうエレベーターに乗っているらしいのでもうすぐいらっしゃるかと。貴崎……凜さんという方みたいですね、探索者組合を通しての面會希のようです」

「貴崎……?」

味山は首を傾げた。アレフチームの誰かかと思えば、ちがう。

「ええ、貴崎凜さん。とても可らしい方でしたよ。味山さん、なかなかスミにおけませんね」

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「勘弁してくださいよ、そんなんじゃないです。そもそも貴崎はまだ18ですよ? 一回りも歳が離れてるんすから」

「ふふ、そうですか? でもあんなに可い子がわざわざお見舞いに來るなんて…… 最低でも嫌われてはいないのでは?」

「ま、その辺の立ち回りは気を遣ってますから」

味山はお菓子の袋をこそこそとゴミ箱にれながら、看護師の言葉に返事する。

「あ、そうだ。はい、首と手指のチェックしますね、顎を上げてもらってもいいですか?」

「あ、へーい。てか、これチェックいります?」

「何言ってるんですか、味山さんここに運ばれた時にはそれはもう愉快なだったんですよ? 首の頸脈の皮が剝がれかけで、指の本の組織もボロボロだったんですからね。どんな負傷したらそうなるのか未だに見當がつきませんよ」

「あー、エラと水かきか……」

「へ? えら?」

キョトンしたら看護師に、味山が首を振りなんでもないと告げる。

微妙な空気が広がる、そして。

[面會希の方が近くまでいらっしゃいました]

スピーカーからアナウンスが流れる。

「あら、もう到著されたみたいですね。面會はよろしいですか?」

「ええ、問題ないです。ゴミ片付けておかないと…… 結構、貴崎もうるさいんですよね」

「心配されてるってことはいいことですよ、ではまた検査の時に」

検査…… なーんか多くないっすか?」

味山の問いに看護師は答えない。振り返りぎわにウインクしながら扉を開く。

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いや、ウインクされても。どういう返事のつもり。

味山は去っていく看護師に眉を潛めながら自分の腕、膝の裏側を見つめる。

ここに來てから、味山は何度も何度もを取られていた。1日大3回、治療の為と説明されたが、いまいち納得出來ていない。

「獻とかは間隔あけるのによー…… からっからになっちまうよ」

味山がぼそりと呟いたその時、

「ふふ、あーじやまさんっ!」

「は? うわ!? 貴崎?!」

長い睫、小さな顔、桃のような匂い、々な報が一気に味山に飛び込んでくる。

顔を上げた瞬間、後ろ手を組んでこちらを覗き込む貴崎凜がいた。

「えへ、驚かせちゃいました? っちゃいました」

「いや、あんたっちゃいましたって…… 」

「さっきすれ違った看護師さんがカードキー預けてくれたんです。上級探索者ならいいでしょうって」

「マジかよ、ガバガバだな、ここのセキリュティ」

カードキーをひらひらさせながら、貴崎が笑う。歳に見合ったポニーテール、長袖のシャツに短いスカート、白いに映える黒いニーソックス。

。味山のチームには人が2人いるがそれらとはまた違うタイプのを備えたがそこにいた。

「えへ、味山さん、お久しぶりです。元気でしたか?」

「探索で化けに殺されかけた以外は元気だ。この前組合の酒場で會った以來か。元気にしてたか?」

「はい! 元気でした! 味山さん、全然連絡とかくれないから…… 會いにきちゃいました」

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にへら、と表を崩す彼。元チームメイトの高校生のは顔をコロコロと変える。

「あ、これ! お土産のハニーバーの詰め合わせです! 味山さん、お好きですよね」

がさり。貴崎が手に持った紙袋を開く。サングラスをかけたハチのキャラクターが印字された包裝紙、味山の好のプロテインバーだ。

「うお、詰め合わせセット…… すまん、貴崎。本當に助かる。ありがとう」

「いえいえー!! 手ぶらで來るのもなんですし、私、今年は出來るを目指しているので!」

むふん、貴崎が腰に手を當ててを張る。意外に満なそれが、強調される。

味山が窓の外を確認するフリをして、それから目を逸らした。

「ふふ。えっと、すみません。私座ってもいいですか?」

「おお、悪い。適當に座ってくれ」

味山がベッドの対面に置いてある面會者用の椅子を指差す、ふわり、貴崎が重をじさせない足取りでいて。

「はい、失禮します」

とす。

「ん?」

桃の香りが鼻をくすぐる。香水由來のものではない。きっとそれは本來の匂い。

貴崎が、味山の隣、ベッドの上に腰掛けた。ミニスカートがくしゃりと歪み、白いシミ一つない太ももが目にった。

肩がギリギリれ合わない程度の距離。

「えへ、座っちゃった」

「……貴崎。お前もしかして酔ってる?」

「いーえ! お酒も飲んでないし、ダンジョン侵から2日は経ってます!ど正気です!ド正気!」

「あ、そうっすか。なんかお前最近キャラ変わったよな?」

味山は隣に座り、首を傾げるを眺めて呟く。つい最近までチームを組んでいた元チームメイト。味山がチームを抜けたのは単純な人間関係のもつれからだった。

最も、そのもつれと貴崎凜は深く関係しているのだが、もう終わった話だ。特別味山は貴崎に対し、恨んでも惜しんでもいなかった。

「あー、そうかもです! ちょっと々反省しまして…… 取り繕うのはやめようと思ってこんなじになりました!」

「ふーん」

「あ! 興味なさそう! 味山さんはもっと私に優しくしたり、デレデレしてくれてもいいいと思うのですが! いちおー私子高生ですよ! それにこんな事自分で言うのもなんですが、ぶっちゃけモテるんですが!」

「いや、ほら、このご時世だしよ。子高生と人男があまり距離近いと、ほら、コンプライアンスとか、怖いし」

「たーんさーくしゃ!! 私達は自営業の探索者なんですから! そんな勤め人みたいなこと関係ありませんよ!」

けらけらと笑う貴崎、大きな作のせいで、心なしかぴちりとしたシャツの元が強調される。味山は意図して、それから目を逸らした。

「あ…… ふふ、味山さん、相変わらず紳士ですね」

「俺が紳士なのは當然のことだけど、脈絡な無さすぎて何を言ってんのかが、わからん」

「ふふ! そうですか!」

「そうだ」

時刻は、16時。面會終了の時間まであと1時間。わずかに傾きかけた日が、部屋を暖かく照らす。

「……そういや貴崎、この前會った時はバタバタしてて言えなかったけどよ、上級探索者になったんだよな? すげえよ、歴代最速だろ? おめでとう」

味山がなんの気もなしに言葉を紡ぐ。8月の終わり、指定怪種"ヒョウモンヒトキリカマキリ"の討伐に功した功績により貴崎凜は、探索者制度が始まって以來、最速で上級探索者へと昇格していた。

「…………」

あれ、なんで無表? 味山は話題を間違えたかとし焦った。

張り付いたような顔、しかし、にこりと貴崎が笑う。

「ありがとうございます、味山さん。……そうです、私、上級探索者になったんです」

ぎし。軋むベッド、貴崎が拳一つ分味山に近づく。

「そうだよなあ、すげえなあ。まだ半年…… なんかフレッシュマン制度でお前らの班長してたのがつい最近なのが信じらんねー」

「……そうですね、たくさん、んな事がありましたもんね。ねえ、味山さん、私、上級探索者になったんです。歴代最速、どの探索者よりも、あのアレタ・アシュフィールドよりも早く上級探索者になりました」

「へ、アシュフィールド?」

なんで急にあいつの名前が出るんだ? 味山は気付けばかなり近づいて來ていた貴崎を見つめる。

「味山さんはアレタ・アシュフィールドと組んでから危険な目に遭ってばかりです…… 味山さん、ほんと冗談じゃないんで、もう一度私と組みませんか?」

「そんな危険な目に…… あってんな、割と」

味山は首を捻って思い出す。8月の耳戦、アレフチームとしての仕事、そして今回の撤退戦。今考えてみたら、割と全部綱渡りだ。何かのピースが間違えていたら簡単に死んでいたであろうほどの。

「でしょう!? 味山さん、私ならあなたを危険な目に合わせたりしません。今はまだ頼りないかもしれないけど、ねえ、味山さん、私ともう一度組みましょう。誰にも文句は言わせない。時臣にも誰にも……」

目、怖。

どうした、急に。たまにアシュフィールドがキレた時と似たような目をしてやがる。味山が急に訪れてきた元仲間の勧にまた首を捻った。

「あー…… 貴崎、別によ、俺なんかにそんな拘らなくても……」

「……やっぱり、ダメですか…… そうですよね、私、一度は結果的に味山さんを見捨ててますもんね」

「いや、違う違う違う、そういう事じゃなくて…… あれだ、チーム抜けたのは俺も立ち回りうまくいかなかったからだし、別にお前が気にする事じゃねーよ」

「じゃあ!」

「あー…… いや、あれだ。……おれ、今割とたのしいんだよ。あいつらと組むようになって、まだ1ヶ月だけど。たしかに側からみたら死にかけてだせえかもしんないけどよ、たのしいんだ。アホみたいな化けと戦ったり、連中のアホみたいな作戦に付き合うの……多分嫌いじゃねえんだよなあ」

味山は気づかないうちに目を細めて笑っていた。それを見つめる貴崎の表にも気付かない。

「……そうですか。まだ、足りないって事ですね」

「え、何が?」

「味山さん、わかりました、あのと私、現時點ではまだあのの方が味山さんを引き寄せているわけですか。……味山さん、私、指定探索者になります」

貴崎がぐいとその満なを味山に寄せる。一層香る桃の匂いに、味山がしだけクラッとした。

「お、おお、そうか。目標は高い方がいいよな…… 無理せず頑張ってくれ」

「はい、頑張ります。それで指定探索者になったら味山さんを、補佐探索者に指名しますから。けてくれますよね?」

「……なあ、貴崎…… 前から聞こうと思ってんだけどよ、お前、なんでそんなに俺を勧してくるんだ? ぶっちゃけお前なら勧なんかしなくてもチームになりたい奴いくらでもいるよな」

「はい、います。今も別の上級探索者のチームや、指定探索者がいるチームからも引き抜きがかかってます」

ほら、やっぱり。有能で見た目もいいとか無敵かよ。味山は持たざる者として持てる者を眺めた。

「だから尚更わかんねえ。俺にこだわる理由とかなくね」

り寄ってくる貴崎から、味山がし離れる。ベッドが軋み、距離が遠くなる瞬間、貴崎の瞳が揺れた気がした。

「…………実家にね……味山さん。実家に古い納屋があるんです」

「あ? 納屋?」

雪が靜かに降り積もるように、貴崎が靜かに呟いた。

「はい、納屋です。庭に池があるんですけど、その向こうに昔からずっとある納屋…… 錠前で塞がれて誰もれないんです」

「お、おお、納屋ね」

え、何この子。急になんで納屋の話? 味山が貴崎の話に戸うも、話は続く。

「ずうっと、その納屋の中が私気になってたんです。でもお父さんもお母さんもれてくれなかった。お前はったらいけない、でももし、お父さんに試合で一本取れるようになったら納屋の中を見せてやるって言われたんです」

「あー、貴崎んち確か剣道の道場だったよな。かなり有名なとこの」

「ふふ、覚えててくれたんですね。古いだけですよ。……それで私、中學生の頃にお父さんから一本取れたんです。あの時のお父さんの驚いた顔…… ふふ…… 約束通り納屋の中は見せてもらいました」

どこか、うっとりした貴崎の語りを味山は黙って聞く。雰囲気が怖かったのと、話の続きが気になっていた。

「納屋の中には、……とてもとても、古い鎧、それを纏った骸骨が飾られてたんです」

「……死棄事件?」

「ふふ、違いますよ。骨董品……かな? 貴崎の家のご先祖さまらしいです。首だけがないんです。斬首されちゃったから」

いや、されちゃったからってあんた。JKのする話、これ? 味山がつっかえながらもあいづちをうつ。

「私…… その"納屋の骸骨"をみた瞬間…… 人生観が変わっちゃったんですよ」

「ああ、まあ、そりゃ家にそんな骸骨あったらびびるよね」

「ふふ、びびったよりもとても嬉しかったんです、私。お父さんを打ち負かして、自分が見たいものを見れた。見たいという願いを葉えた。他人を打ち負かした先にある報酬、私はそれをあの時、始めて手にれた」

貴崎の瞳が、くりっとしたアーモンド型の瞳が熱を帯びていた。最近見たニセフィールドがしていた目と同じ目だ、味山はのんびりと考えた。

「味山さん、あなたはね、私にとっての"納屋の骸骨"なんです」

「あ、はい」

どういう事?! これだから最近のガキはわからん! 焦り続けるとは裏腹に味山は無表に返事する。

「知りたいんです、見たいんです、味山さんのことをもっと。隣にしいんです。あの日、お父さんを打ち負かして骸骨を見たように、邪魔するひとを押し除けてでも、味山さんを見ていたいんです」

「いや、おれに多分骨董的価値はねえよ?」

「ふふ、そういうところ好きですよ。味山さんは他人に寛容ですよね」

「どういう事だ?」

「私がいくら見目が良いでも、普通こんな話したらドン引きですよ。でも味山さんは違う。そんなあなただから、この話をしたのもあるんです。味山さんって、普通の人だけど、フツウじゃない。なんかその歪なところ、とても私気になるんです」

「ちょ、貴崎、近い近いちかい、條例に引っかかるマジで」

「ここ、バベル島だから関係ないですよ♪」

貴崎がぐいと味山に著させる。その距離はゼロ。鍛えられ、しかしらかさをじさせるがくっつく。

「私はしいもの全部しいんです。そのためなら戦って勝ちます。覚悟しておいてくださいね、納屋の骸骨さん」

にっこりと、貴崎が笑った。

妖しい笑い、だがずるいな。人がするときちんと形になる。

「あら、だとしたらそうね。納屋の中を見るにはまず、超えるべき存在がいるんじゃないの? リン キサキ」

ぷし。貴崎の顔が味山に近づく直前、ドアが開き不敵な聲が響いた。

長い腳をドアの隅にかけ、背中をあずけながらこちらを流し見する

「悪いんだけど、そこの納屋の骸骨には錠前がかけられてるわ。中を見たいんならまず、所有者の許可を得てくれないと」

「あ、アシュフィールド?」

「ハァイ、タダヒト。大変だったわね、お子さまのお話に付き合うの、退屈だったでしょ」

アレタ・アシュフィールドがそこにいた。

いつもと同じ、をにやりと吊り上げた不適な微笑みをたたえて。

「……いい趣味していますね、アレタ・アシュフィールド。盜聴ですか? よほど味山さんがご心配なようで」

「あら、當然でしょ? タダヒトはあたしのチームの一員で、あたしの補佐探索者だもの。カンリセキニン……ってやつがあるの。何もないあなたと違ってね」

「ふふ、傲慢…… あなたの國の人ってみんなそうなんですか?」

「國という縛りで個人の特を決めつける方が傲慢だと思うけど…… あら、ごめんなさい、あなたは傲慢なだけじゃなく強でもあるわよね。他人のものばかりしがるんだから」

「クスクス、なんのことですか? もし味山さんのことを言ってるなら、そちらのほうが傲慢で強、人をモノみたいにいうんですね。おまけに嫉妬深いなんて…… 原罪、とはよく言ったものですね。あ! あなたの國の宗教じゃないですか」

綺麗な顔をしたが2人、笑顔のままに毒を吐き続ける。

なにこれ、なんでこうなるの。

ばちばちと火花が飛び散る錯覚。あれ、なんか間がひゅんとしてきた。足の裏もおぼつかないし、ザワザワしてる。

味山はついさっきまで完全にお一人様の時間を楽しんでいたことを忘れた。

TIPS€ 逃げたほうがいい

耳に聞こえるヒント、やかましいわ、わかり切ったことをヒントヅラしてんじゃねえ。もう、ここは自分の病室、プライベートな空間ではない。

バベルの大と同じほどに、を持って行しなければならない修羅場だ。

「タダヒト」

「味山さん」

「はい」

唐突にかけられた聲、そのどちらにも反応した味山がびくりと背筋を正す。

「ノド、乾いてるでしょ? 下のカフェにでも行ってゆっくりしてきたほうがいいわ」

「味山さん、お腹空いてませんか? 購買のクッキー味しいんですよ」

「あ、はーい…… じゃあ、ちょっと行ってきまーす……」

味山は許可が出たのでゆっくりと、なるべく2人の注意を引かないようにこうとして。

ぐい。

「あ?」

「待っててくださいね、もう予約してますから」

コツン。

元を、貴崎に引っ張られた。の辺り、鎖骨らへんに貴崎のおでこが當たり、離れる。

「にひ」

ゔぁ。

やばい。

味山は反的に立ち上がり、出口を目指す。アレタの顔が見れない。

味山が近付くと、アレタが扉から離れる。そのままアレタを背に、味山は出口へと。

「……あの時、待ってたわ。気づいてくれてありがとう」

「え」

肩にかけられた手。背中、肩甲骨にじる人間の

アレタが味山の背中に顔を寄せ、うずめた。

長の関係で、アレタがわずかに屈んで行うそれは、側からみたら奇妙な絵であっただろう。

「暖かいのね、タダヒトの背中」

「あ、はい」

拘束はすぐに解かれる。味山は2人のの匂いを鼻腔に燻らせたまま、足早に病室から逃げ去った。

読んで頂きありがとうございます!

宜しければ是非ブクマして続きをご覧くださいませ!

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