《凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ〜TIPS€ 俺だけダンジョン攻略のヒントが聞こえるのに難易度がハードモード過ぎる件について〜【書籍化決定 2023年】》ED.No??? あるいはある日のはじまり【冒険都市 商業區 リーゼ通り裏道】
條件達
"人知竜"の探究を終わらせる
人知竜魔式【人間奇跡"前進"】を証明する
¥5¥×々遠山¥鳴+♪¥→☆11ーーー
〜????にて〜
「え、うそ、なんだ、なんだったんだ、ここ、お前、誰だ」
人間だ。
黒髪、見慣れない栗の瞳。濃い人の香り。とてもとても古い香りだ。
わたしのが勝手に言葉を綴る。
未來より降りてきたわたしの意思がいまの私のがで言葉を紡ぐ。
「いってらっしゃい、上手く使いたまえよ。それは私からキミへの報酬だ」
ふむ、報酬、ときたかい。竜が人へ報酬を與えるということはこの人間は何かの試練を変えたわけだ。
すぷぷ、ああ、知的好奇心がざわめくなあ。
「進め、凡人探索者。人間の力を、きせきを、証明しておくれ」
おっと、驚いた。勝手にから溢れる言葉に込められた気持ち、これは期待と、願い。
驚いた。"未來の私"は人に願いを託すわけか。
へえ、実に、興味深いねえ。
男は目をぱちくりさせたまま、異空間に墮ちていく。ふむ、魔式による空間転移とも違うな。
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"塔隠し"の時と同じ力場をじる。原理は不明、ふんむ、未知だ。素晴らしい。
ああ、私が思考の海にり始めたときにはもう、人間は消えていた。
……し會話してみたかったものだが……。
まあ、いずれ出會うのだろう。この好奇心はその時までとっておくことにするか。
わたしはミラスタの蕓都市にいるお気にりの職人に作らせたガラス窓から降り注ぐ日にれる。
そのままレジカウンターに腰を掛け、複雑な反とともに差してくるうららかな日のにし、まどろんだ。
………
……
…
「ふう、やれやれ。未來の私からの同期か。慣れないものだね」
し眠った。
予想通り、大抵のことが分かった。未來、時を超えて己の意識を別の時間軸にいる自分と共有する魔式。
それは今、現在まさに自分が開発していた新たな式。
己の意識を限定的ではあるが時を、世界を、全てを超えて別の自分に託す新たなる世界の法則。
煮詰まっていたが、今ここに証明された。おのれがその魔式を完させることに。
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「何よりの証明だねえ。すぷぷぷ。未來、時に干渉する魔式はとりあえずこれで立証されたわけだ。他ならぬ未來の私によって、ねえ」
はて、未來?
ふむ、だがあの人間から古い匂いがした。第三文明初期、それどころか第二文明ですらない、古さ。
ふんむ。すぷぷ、まあいいか。
時間はたくさんある。新たなる知見が見つけられるのら、未知とはやはり喜んでけれるものだろう。
「ああ、だが気分は悪くないね。ここまで未來の私は人にれ込んでいるのかい。すぷ、ああ、これもまた新たな知見だねえ」
たのしみだった。私は未來、ここより先で人のために探究を深め、最後には人の手により滅ぼされる。
ふむ、殘念なのはあの忌々しい""に関しては、未來の私が呆けている為にはっきりとは分からないことか。
だが、ふうんむ。人のために滅ぶのか。この私が。
「悪い気分はしないけどねい」
ここまでれ込むには何か、そう、きっかけがあるはずだ。
今も別に人間のことは嫌いではない、嫌いではないのだが……
「すぷぷ、まさか、私が自分の知見の果を他人に丸投げしてるなんてねえ…… 未來のわたし、君に何があったんだろう。ああ、知的好奇心が疼くのをじるよ! 人間のは心地いいものだ、がこんなにも響くのだから」
あの言葉は願い、あの言葉は憧れ。
"全知竜"たる己が、人間にその全てを預けたわけだ。
それはわたし、あるいは、ぼくにとってとても魅力ある未知だった。
何かあるのだ。これからこのにある脳みそのじ方が変わる瞬間が。
人にあれほど焦がれ、人に託し、人に願うように自分は変わっていく。
「すぷぷ、これだから長生きはやめらないねえい。炎竜、君の炎に焼き盡くされなくて本當によかったよう…… さて、今度こそ、そろそろ時間かな」
たのしみだ。私はこれから人をするようになる。
己に燻る知への。全知の竜はいずれ、人知の竜になるのだろう。
[えーっと、商業區の…… リーゼ通りの裏道…… 突き當たりを曲がって左、だっけ? くっそ、看板の字読めねえのはやっぱいてーな。ラザールはパン作りに集中させなきゃだからなー。……恥を忍んでラルちゃんに教わるか? んーむ]
店の前に仕掛けておいた知型の式に反応がある。
水晶に映る映像。し、驚く。息を呑んでしまった。
ギルドへ依頼し、派遣された冒険者だろう彼の髪は先程現れた異なる場所からの客人と同じ、だった。
「すぷぷ、問題、髪に見られる共通點、同じ素で構された伝形質の理由…… 答えは簡単、ああ、なるほど、同(・)郷(・)な(・)の(・)か(・)な(・)」
すぷ、面白い。
"蒐集竜"のお気にり、ギルドで"パン屋付き"や"竜の巫のヒモ"、"ロリコン"など數々の名前で呼ばれているイロモノ冒険者。
想像以上にキミはどうやら面白そうだ。
名前はたしかーー
「あ、すんません。 あのギルドからの依頼で開店の準備のお手伝いにきました! あのー!」
新たなる知見の予。
さて、君はわたしに何を教えてくれるんだろうか。
「名前」
ドア越しにわたしは過の魔式を起する。
ドアを閉めた狀態でも、彼の姿がよく、見えた。
「……はい?」
容姿も似ている、ね。栗の瞳もおそらく伝形質、生息域が同じで、伝子配分が似ているせいだろう。
答えは簡単、先程の奇妙な男と、同じ文化圏、あるいは國の生まれの可能が高い。
「すまないね、この都市もそれなりに騒だろう。私はこれでも非力で、か弱いんだ。ギルドからの手紙と同じ名前なことを確認させておくれよ」
だが目つきがし違うね。
先程の彼が一目でわかる"のりで錆びた手斧"だとすれば、今の彼はまるで、"鞘に収められたナイフ"
分厚い鞘に隠れて、その刃の鋭さがわかりにくい。
ふうん、これは後天的なものかな。うん、きちんと面白い。
それなりに手れされた軽裝、革の手袋に、革のマント。……おや、中に著ているのはチュニックかと思えば…… 未知の素材で作られている服裝……
へえ、なくともこの冒険都市、いや、"帝國"の文化圏では見たことない服飾だ。
うん、いいね。とてもいい。
「はあ、まあ、確かに言われてみればそーっすね。俺の、いえ、僕の名前はーー」
ドアの向こう、無理して取り繕っているのがバレバレの禮儀正しさ。
ああ、うん、君の名前は覚えておこう。
ーーーークン。
すんすん、ああ、やはり。
ドアを開けて、確信する。
「やあ、初めまして、冒険者クン。……ああ、君、やはり……におうねえ」
「は?」
とても古い匂い、とても古い香り。先程突如現れ、すぐに消えていった奇妙な客人と同じ香り。
未來、訪れるわたしの死と同じ、古い人の匂い。
ひとの匂いを私は思い切り吸い込んだ。
ああ、これ、わりと癖になるなあ。
また一つ、わたしの知に新たなる知見が1つ加わって。
「……マジか。やっぱ手作りの石鹸じゃ限界があんのか? それともお湯をあんま使えねえからか? 沸かすのもタダじゃねーし、あのドラゴンに借りはあんま作りたくねえし。……自宅サウナ化計畫を急がねーとな……」
ぶつぶつと呟き始める彼を見て、し笑う。
君なのかな? これからの私に、未來の私にあのようなことをさせるきっかけをくれるのは。
この私、全知竜の未來を決めるのは。
「ああ、すまないね。決して悪い匂いじゃないんだ。し、驚いただけさ」
「あ、い、いえ、こちらこそすみません。……生まれの賤しい冒険者でして…… このたびはご指名での依頼誠にありがとうございます」
分厚い鞘、それと同じくその本を隠すことのできる程度には知能も高い。
へえ。
ああ、なるほど、これは興味だ。
このヒトのことをもう、私は知りたいと思えてきた。匂いを、味を、心を、知を、を。
実に、興味深く、新たなる知見の予がする。
……ふむ、アムネハーブを乾かしたお茶葉、どこに閉まっていたかな。
「すぷぷ、これはこれは、ご丁寧に。まあ、ギルドからここまでそれなりに遠くて疲れただろう? いいお茶があるんだ。まずは、そうだね、一息つきなよ、冒険者クン」
「……いえ、お構いなく。依頼人様のお手を煩わせるわけには」
しの恐怖と、警戒。
すぷぷ、ああ、いい。賢い小は好みだよ。
私はにこりと笑い、彼を店に招きれる。
彼はらざるを得ない、ギルドへの指名依頼という強制力は図らずも役に立った。
何から始めるべきか。もう、私の脳みその中には當初の狙いはなく、ただ、この目の前の古い古い人のことを知りたくて仕方なかった。
ある日のはじまり、私は彼と出會った。
ああ、古き人の知見もまた、私の知を深めてくれるのだろう。
私の終わりは既に決定した。全知の竜は、人知の竜にり果て、人を知り、人のために、人によって滅ぼされる。
ならば過程を楽しもう。
人よ、君を教えてくれ。君がわたしを変えてくれるのかな?
ああ、その変化はきっと得難い知になるのだろう。
あるいは、これが私の新たなる探究の始まりなのかもしれないなあ。
「すぷぷ」
がちゃり。
ドアが閉まり、店の鍵が閉まった。
もうし、あと、ほんとにもうすこしだけ、つづくんじゃよ。
しば犬部隊の脳だけで連載している異世界ファンタジー、次回作の予定。
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