《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》協力関係

「どうして二人は一緒にいるんだ? 自分以外の參加者は全員敵のはずだろ?」

「そうね。でもこの転生杯って生き殘れるのは四人でしょ? それはつまり四人までならチームを組めるって考え方もできるわ。そのチームの全員が最後まで生き殘ればいいわけだし。だからアタシと真冬は協力関係を結ぶことにしたの」

「……なるほど」

確かに他の參加者と協力してはいけない、なんて支配人からは言われていない。一人だけで闘うより生存確率はグンと上がるだろう。

はもう大丈夫でしょ? ちょっとこっちの部屋に來てくれる?」

「? ああ」

春香に言われるまま、俺達は隣りの部屋に移した。そこには複數の巨大モニターやパソコン、その他見たこともないような機械があちらこちらに置かれていた。なんだかこの部屋だけSF世界のようだ。

「ここはアタシ達の作戦會議室ってところね。実を言うと私達、昨晩の貴方の闘いをこの部屋で見てたのよ。路上の監視カメラをハッキングしてね」

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「監視カメラをハッキング!? そんなことできるのか!?」

「真冬がそういうの得意なのよ。ね、真冬」

「……ん」

その程度のことはできて當然と言わんばかりに、小さく頷く真冬。機械オンチの俺からすればハッキングなんて別世界の話に聞こえてしまう。

真冬がモニターのスイッチをれて椅子に座り、慣れた手つきでキーボードを作し始める。間もなくモニターに二人の人の姿が映し出された。間違いなく俺と鮫島だ。あの絶妙なタイミングで春香が俺の前に現れたのは、監視カメラを通じて俺達の闘いを見ていたからだったのか。

「どうしてすぐに助けに來なかったのかって言いたいんでしょ? 殘念だけどアタシも真冬も戦闘向きのスキルじゃないから、闘いにしたところで何もできなかったわ。だから悪く思わないでね」

「いや別に……助けてくれただけでも謝してるよ」

そもそも春香達には俺を助ける義理も義務もなかったわけで、そこを咎めるつもりは全くない。

「だけど驚いたわ。正直アタシも真冬も、その鮫島って男が勝つと思ってたから。まさかあの狀況を覆しちゃうなんてね。その時の映像もちゃんと殘ってるけど、観る?」

「結構だ」

俺は即座に拒否した。全だらけになった自分の姿なんて観たくない。

「突然相手の男がスキルを使えなくなって、秋人がそのスキルを使っていたことから推測すると――相手のスキルを奪い取ること、それが秋人のスキルね?」

「……ああ。俺のスキルは【略奪】だ。発條件はまだよく分かってないけどな」

もはや隠しても無駄だと思い、俺は認めた上に自らスキル名を明かした。

「強力なスキルね……。発功した時點で勝ち確と言っても過言じゃないし。スキルの強さは死んだ時の負のの強さに比例するって話だけど、秋人がどんな死に方をしたのか興味があるわね」

「……やめてくれ。もう思い出したくもないんだ」

しかし鮫島を倒すことができたのは紛れもなくこのスキルのおかげなので、生前の壯絶な験も無駄ではなかったのかもしれない。そう考えると僅かながら心が軽くなったような気がした。

「その【略奪】の発條件についてだけど、多分〝スキルを奪うという意志を持った狀態で対象に接すること〟じゃないかしら。あくまでアタシの推測だけど」

確かにあの時俺は「鮫島のスキルを奪い取れ」と強く念じながら奴の拳を喰らい、その直後に【怪力】を手にした。〝瀕死の狀態で対象に接近すること〟だろうかと考えたりもしたが、それなら春香も俺を助けた時にスキルを奪われているはず。【怪力】以外のスキルを得た覚はないので、その可能は低いだろう。

意志の有無は関係なく単に接するだけで奪えるのではないかと最初は思ったが、それなら鮫島の一発目の拳が俺の頬を掠めた時點で奴のスキルを奪い取ることができていたはずだ。となると春香の言う通り、奪うという意志は必要だと思われる。

「そういえば、まだ質問に答えてなかったわね。私が秋人を助けた理由。だけどもう、だいたい察してるんじゃない?」

「……俺を仲間に引きれるため、か?」

「ピンポーン」

人差し指を立てる春香と、無言で◎が描かれた札を見せる真冬。わざわざ用意してたのかそれ。

「さっきも言ったけど、アタシと真冬は戦闘向けのスキルじゃないから、二人だけでこの転生杯に生き殘るのは厳しいと思ってたの。だから戦闘向けのスキルを持った仲間がずっとしかったのよ」

「そこで【怪力】のスキルを手にした俺に、白羽の矢が立ったというわけか」

「そういうこと」

「……どうでもいいけど、もし勝ったのが鮫島だったらあいつを仲間にしてたのか?」

「んー、それはないわね。アタシ達だってちゃんと人は選びたいし。秋人が勝ったのを見て仲間にしようって決めたじかな」

つまり俺は二人に見初められたというわけか。悪い気はしない。

「見たところ、秋人はまだ仮転生したばかりでしょ? きっとこの転生杯について分からないことも多いはず。アタシ達は秋人より転生した時期が早いぶん々な報を持ってるから、秋人にとっても悪い話ではないはずよ」

「もし拒否した場合、秋人の靴に大量の納豆を投する」

「かなり嫌だなそれ……」

いつ用意したのか、手元の納豆をかき混ぜ始める真冬。マジで投する気なの? でもなんか真冬って本當にそういうことをやりそうな雰囲気があるから怖い。

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