《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》登校準備

い出すのに功したとして、場所はどこにするの?」

「さすがに校は厳しいよな。それ以前に真冬は校れないし」

「……學校の近くに廃工場がある。そこなら人目に付く心配もないと思う」

真冬がモニターを作して、今にも崩れそうな工場の畫像を映し出した。ここなら誰も近寄ってはこないだろう。

「よし、そこにしよう」

「問題は、沢渡達がそんな思い通りにいてくれるかってところね」

「全部思い通りってわけにはいかないだろうが、その時は臨機応変にやろう」

「學校は監視カメラの數も限られてるから、ハッキングで沢渡達を捕捉するのは難しそう。だからあまりサポートはできないと思うけど……」

「大丈夫だ真冬。俺達に任しとけ」

ひとまず作戦はまとまった。あとは実行に移すだけだ。

「なんか浮かない顔ね、真冬。何か不満があったら遠慮なく言っていいのよ?」

「ううん、不満はない。ただ……」

「ただ?」

短い沈黙の後、真冬は靜かに口を開いた。

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「今思い返せば、私はもっと目の前の現実と戦うべきだった。だけど當時の私には、沢渡達に立ち向かう勇気がなかった。だから自ら命を斷つ道を選んでしまった。結局私は現実から逃げただけ。そんな私が復讐したいだなんて、自分勝手すぎるのかも――」

「ふざけんな!!」

思わず俺はを乗り出し、真冬の両肩を摑んだ。

「秋人……?」

「どうして真冬が自分を責めるんだ!? 悪いのは全部イジメた奴等だろ!! 真冬は何も悪くない!! 次そんなこと言ったら許さないからな!!」

ここまで的になったのは一いつ以來だろうか。しばらく真冬は潤んだ瞳で俺を見つめていた。

「……あ、秋人。痛い……」

「え? あっ、すまん」

思いの外力がっていることに気付き、俺は真冬の肩から手を離した。

「へー、秋人って意外と男らしい一面もあるのね。ちょっと見直したわ」

「……意外とは余計だ」

だが今のは紛れもなく、俺の本心から出た言葉だ。すると真冬は俺の手を強く握りしめてきた。

「ありがとう、秋人。春香も。私の為に……」

「水臭いわね。アタシ達は仲間じゃない」

「いつでも俺達を頼ってくれていいからな」

「……ん」

必ずし遂げよう、真冬の復讐を。俺は心の底からそう思った。

二日後の朝。ついに真冬の復讐に向けての作戦を実行する日が來た。そして陸奧高校の登校初日でもあり、張でが強張る。まさか生前と合わせて二度も高校生をやることになるとはな……。

ちなみにクラスは俺が二年A組、春香が二年B組とのこと。できれば春香とは同じクラスがよかったが、一つのクラスに二人の転生というのは不自然だろうから仕方ない。

「見て見て秋人、アタシの制服姿! どう!?」

支度を終えて自分の部屋を出ると、セーラー服にを包んだ春香がスキップしながら近づいてきた。

「うん、似合ってる。凄く可いぞ」

「ちょっ! そんなにハッキリ言われると恥ずかしいでしょーもー!!」

照れ隠しなのか、俺の背中をバシバシ叩く春香。あれだけ俺にを見せておきながら今更恥ずかしがることなんてあるのか。

それはそうと制服姿を見て改めて思ったけど、春香ってかなりのだよな。なくとも俺の學生時代にここまでの子はいなかった。生の登場にB組男子達が熱狂する景が目に浮かぶようだ。

「秋人も似合ってるわよ、制服。顔の方は相変わらずパッとしないけど」

「お褒めの言葉どうも」

「あ、そうそう。アタシも晴れて子高生になったわけだし、せっかくだから下著も大人っぽいものにしてみたんだけど、どうかしら?」

春香はぴらりとスカートを捲り、俺に紫のパンツを見せた。

「ぶっ!? おま、學校では絶対そういうことするんじゃないぞ!!」

「分かってるわよ。アタシだって気を許してる人にしかこんなことしないわ」

「あとそのパンツは面積がなすぎだ!! 子高生にはまだ早いから普通のにしろ!!」

「えー、良いと思ったのに。秋人は堅いなー」

「ここでぐんじゃない!!」

まったく春香は。いくら気を許してると言っても、もうちょっと節度を持ってもいいだろうに。

「二人とも、準備はできた?」

「お、真冬。悪いな朝から騒がしくて」

「平気。それより秋人にプレゼントがある」

「プレゼント? 何だ?」

真冬が俺に手渡したのは、一臺のスマホだった。

「今時の高校生がスマホを持ってないのは変だと思うから、昨日用意した」

「なるほど、確かに。わざわざありがとな」

「大丈夫? おっさんの秋人にはガラケーの方がよかったんじゃない?」

「俺のこと馬鹿にしてんな!? スマホくらい余裕で使いこなせるわ!」

早速俺は攜帯を開き、二人とLINEを換した。こういうやりとりは高校生ってじがするな。しかし待ちけが初期畫面のままというのは、なんだか味気ない。

「……なあ、このスマホで二人を撮ってもいいか?」

「別にいいけど、なんで?」

「いやまあ、ただの試し撮りだ」

春香と真冬の顔を待ちけにしたいから、なんて気恥ずかしくて言えない。

「私、撮られるのあまり好きじゃない」

「まあまあ、そう言わずに」

「こんなじでいい?」

春香が真冬に寄り添うと、すかさず俺は撮影ボタンを押した。後でこっそり待ちけに設定しよう。

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