《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》やり殘したこと

「昨日のお禮に真冬が秋人のを洗ってたら、途中で真冬が気を失っちゃったと。なるほどねー」

やや遅めの晩ご飯を食べながら、俺は事の経緯を春香に話した。春香が來てくれて助かった。もしあのまま俺が気を失ったの真冬と一緒にいたら……間違いなく俺のが暴走してどうにかなっていただろう。

「真冬にそんなお願いをするなんて、秋人って実はスケベでしょ」

「あ、あれはほんの冗談のつもりで……」

「真冬も見かけによらず大膽なことをしたものね。ま、その程度で気絶するようじゃまだまだだけど。アタシなんて秋人のを見ても、わーまた大きくなってるって面白がってるくらい――」

「それ以上言うな!!」

今思えばタオルくらい腰に巻いておくべきだったか。だけど真冬が全で洗ってくれてたのに、俺だけ隠すというのも不公平な気がしたし。

「ごめん、秋人。隅々まで洗ってあげるという約束だったのに」

「いや、逆にこっちが禮をしたくなるくらい十分満足したから、気にするな」

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「……ならよかった」

幸い真冬の調に問題はなく、気を失った數分後には目を覚まし、今こうして普通に晩ご飯を食べている。あんなことがあった後だから揺していると思うのだが、なんとか平靜を裝っているのだろう。

「そういえば、まだ二人の退學手続きをしてなかった。今日中にもしようと思うけど、それでいい?」

「えっ!? アタシの高校生活もう終わっちゃうの!? アイドル部にもってこれからって時なのに!!」

「二日も満喫したんだから十分だろ」

「たったの二日よ! 真冬、あと一日だけ待って! 一生のお願い!!」

両手を合わせて頭を下げる春香。明日になったらまた「あと一日だけ!」とか言ってそうだな。

「……あまり高校生活に夢中になりすぎると肝心の転生杯が疎かになりそうだから、できるだけ早く退學すべきだと思う」

「そんな! 高校生として溶け込んでた方がカモフラージュになるし、他の參加者に狙われる可能も低くなると思わない!?」

一理ある……のか? よっぽど春香は高校生を続けたいらしい。

「秋人はどうしたい?」

「俺? 俺は別に未練もないし、今すぐ退學にしてもらっても――」

その時俺は、千夏というの子から借りたハンカチのことを思い出した。今日は學校に行かなかったので、あのハンカチはまだ返していない。借りパクしたまま學校を辭めるのも、なんだか目覚めが悪い。

「すまん真冬。あと一日だけ待ってもらってもいいか?」

「……どうして?」

「ちょっと學校でやり殘したことがあってな。春香もあと一日だけと言ってることだし」

「まあ、秋人がそう言うなら……」

「やった! ありがと秋人、してる!」

「ちょっ!?」

俺のに抱きつく春香。らかいの子特有の良い匂いに、俺の神がされる。鎮まれ煩悩、相手は中が六歳のだぞ。

「そ、それに沢渡達が死んだ後の學校の狀況も確認しておきたいしな」

「それは春香に聞いた方が早い気がする。今日登校したんだし」

「……確かに。春香、何か學校で変わったことは――」

「明日は朝練があるから、それに備えて今日は早めに寢るわね! おやすみ!」

「あっ、おい!」

俺が尋ねる前に、春香はリビングから飛び出していった。まあいい、この目で直接確かめるとしよう。

陸奧高校、登校三日目。結論から言うと、一昨日の事件のことは誰一人として認知しておらず、沢渡達三人は一年前にバスの通事故に巻き込まれて死亡した、ということになっていた。これは転生杯の支配人が人々の記憶を改竄したと考えて間違いない。事実、三人の子高生が殺害されたというニュースはどこも報じていなかった。黒田を殺した時と違って、今回はあの支配人もちゃんと仕事をしてくれたようだ。

さて。無事に確認を終えたことだし、あとはハンカチを千夏に返すだけ。それで俺の二度目の高校生活は終わりだ。

「あっ、秋人さん!」

晝休みに俺が三年生の教室に向かおうとした時、一人の子がこちらに近づいてきた。千夏だ。向こうから來てくれるとは、探す手間が省けた。

「良かった、今日は來てたんですね。昨日は欠席していたようなので心配してました」

「……ちょっと調を崩してな」

どうやら千夏は昨日も俺に會う為に二年の教室まで來ていたようだ。

「ハンカチ、ありがとな。ちゃんと洗ったから」

「あっ、わざわざありがとうございます。そのまま差し上げてもよかったんですけど」

俺は千夏にハンカチを返した。

「それで、俺に何か用か?」

「その、どうしても秋人さんにお伝えしたいことがあって……」

「俺に伝えたいこと?」

「はい」

まさか告白……なわけないよな。こんな廊下のど真ん中で告白するような勇者はいないだろうし、この子にそんな度があるとも思えない。一回會っただけで惚れられるほど俺は男前でもないし。

「どういうわけか、沢渡さん達が學校にいないです。欠席とかじゃなくて、まるで存在そのものが消えたかのような……」

「……ん!?」

「その上誰に聞いても、彼達は一年前に通事故で死んだって言うんです。二日前まで沢渡さん達は確かにこの學校にいたはずなのに。もうワケが分からなくて……」

「…………」

一瞬、思考がフリーズした。ちょっと待てよ。まさかこの子……記憶を改竄されていない!? おいどうなってる支配人、ちゃんと仕事してないぞ!!

おかげさまで10000ポイントに到達しました。

まだまだ神狀態は不安定ですが、モチベが続く限り頑張って書きます。

応援よろしくお願いします。

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