《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》囚われの千夏
「約束通り來てやったぞ!! 千夏を解放しろ!!」
「それは聞けない相談ね。この子もまだ遊び足りないみたいだし」
「このっ……!!」
「おっと、いちゃ駄目よ」
これ見よがしに手持ちの縄を振るう神崎。
「彼を傷にしたくなければ、そこでジッとしていなさい」
「くっ……!!」
これでは助けようにも助けられない。それに神崎がどういうスキルを所持しているか分からない以上、不用意な行に出たら千夏を危険に曬すことになる。
「実は私、今日一日ずっと貴方達二人の様子を遠くから見てたのよ。痣が反応しないギリギリの距離を保ちながら監視するのは骨が折れたわ」
それで千夏が一人になったタイミングを狙って人質に捕った、と。しかしまさか監視されていたとは……デート中は々なことに頭が一杯で全く気付かなかった。というかその間は常に春香に見られていたから、視線をじたところで気にも留めなかっただろう。
「お前の目的は何だ!? 俺の命か!?」
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「當然じゃない。他の參加者を落させて最後まで勝ち殘ることが、この転生杯のルールなんだから」
「……どうして俺が參加者だと分かった?」
「あら、知らないの? 貴方って參加者の間では結構有名になってるのよ。仮転生してからまだ日が淺いのに、既に五人もの參加者を落させた男がいるってね」
まじかよ。どうやら知らない間に俺は有名人になっていたらしい。でも俺が倒した參加者は三人だぞ、噂に尾ヒレが付いてやがる。
「それにしても、今日はだいぶメンタルが削られちゃったわ。なんせ貴方達のイチャイチャをずっと見せつけられてたんだもの。それはもう嫉妬で気が狂いそうだったわよ。まったく、ラブラブなカップルで羨ましい限りね」
勝手に監視しておきながら隨分な言いだな。それはそうと、だ。
「お前、さっきから彼氏彼だのカップルだの言ってるけど……勘違いしてないか?」
「勘違い? 何を?」
「その、なんだ。俺達はそういう関係じゃないってことだ」
「……は? いやいや、何言ってるの? あんなにイチャイチャしておいてそれはないでしょ。ねえ?」
神崎が千夏に水を向ける。千夏は暗い顔で俯き、靜かに口を開いた。
「秋人さんの言う通りです。それに私……。つい先程、フラれてしまいましたから」
「え!? 噓でしょ!?」
「…………」
「ご、ごめんなさい。その場面は見逃していたわ……」
三人とも無言になってしまい、しばらく居たたまれない空気が流れる。
「……ちょっと貴方、どういう神経してんの!? なんでフッたのよ!? 貴方のようないかにもモテなさそうな男がこんな可い子に好かれることなんてもう二度とないわよ!?」
「余計なお世話だ! こっちにも事があるんだよ!」
「貴もあまり落ち込んじゃ駄目よ。いつかきっと、あんな奴より遙かに魅力的な男が貴の前に現れてくれるから」
「そうでしょうか……」
「そうよ! だから元気出して!」
「……ありがとうございます」
あれ、今ってどういう狀況なんだっけ? 神崎が千夏を人質にして俺を追い込もうとしてるんだよな? その神崎になんで叱られたり勵まされたりしてるんだろ。
それはさておき、神崎の顔、やはり見覚えがある気がする。だが直接見た記憶はないので、おそらくはネットかテレビ……。
「あっ、思い出した!! お前アイドルグループ〝アステロイド〟のメンバーだな!?」
「あら、私のこと知ってるの? それは栄ね」
「これでも生前は結構なアイドルオタクだったもんでな……」
実は今もメジャーマイナー問わず、アイドルのことは逐一チェックしている。子二人と暮らしている手前、CDを買ったりだとかグッズを集めたりだとか、大っぴらな行は控えてるけども。確かアステロイドは三人グループで、あいつ――神崎奈はその中心的存在だったはず。
「まだ知名度は低いけど、それも今だけよ。いずれアステロイドは日本一、いえ世界一のグループになるわ。なんせこの私がいるのだから」
「へえ、そいつは楽しみだ。でも転生杯の最中にそんな寄り道をしていいのか? アイドルも結構だが、今は転生杯に勝ち殘ることを優先すべきだと思うけどな」
高校に通ったりしてる俺もあまり人のことは言えないけども。
「それに參加者の仮転生に使用期限があることはお前も知ってるだろ。仮に誰もが認めるトップアイドルになったとしても、お前がアイドルとして生きられる時間は短いぞ」
「アイドルの壽命なんて元々短いでしょ。仮転生という形とはいえ、せっかくこの世に蘇ったんだし、やりたいことをやっていいじゃない」
俺の近くにも似たような考え方の奴がいるな……と、春香の顔が頭に浮かんだ。
「アイドルをやるなら転生権を獲得して新しい人生で、とは考えてないのか?」
「勿論考えてるわよ。今もアイドルをやって、転生してからもアイドルをやる。それで何か問題ある?」
「……よっぽどアイドルが好きらしいな」
「ええ。私は生前、アイドルを目指してたのよ。志半ばで死んじゃったけどね。だからどうしてもアイドルになりたかったの。きっかけは私が小學一年生の頃……」
よし、上手いこと自分語りに導できた。この隙に千夏を救出しようと、俺は一歩前に出た――
おかげさまで50話&5000ブクマ突破しました。皆様の応援がなければここまで書き続けてることはできませんでした。引き続き見守っていただけると幸いです。
《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自動レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜
【書籍化&コミカライズ決定!!】 アルバート・ヴァレスタインに授けられたのは、世界唯一の【全自動レベルアップ】スキルだった―― それはなにもしなくても自動的に経験値が溜まり、超高速でレベルアップしていく最強スキルである。 だがこの世界において、レベルという概念は存在しない。當の本人はもちろん、周囲の人間にもスキル內容がわからず―― 「使い方もわからない役立たず」という理由から、外れスキル認定されるのだった。 そんなアルバートに襲いかかる、何體もの難敵たち。 だがアルバート自身には戦闘経験がないため、デコピン一発で倒れていく強敵たちを「ただのザコ」としか思えない。 そうして無自覚に無雙を繰り広げながら、なんと王女様をも助け出してしまい――? これは、のんびり気ままに生きていたらいつの間にか世界を救ってしまっていた、ひとりの若者の物語である――!
8 166平和の守護者(書籍版タイトル:創世のエブリオット・シード)
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