《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》煩悩との闘い

「きゃあっ!!」

「……千夏!!」

しかしその瞬間、神崎が千夏のに激しく縄を打ち付けた。

「私が自分語りに夢中になってる隙に、この子を助けるつもりだった? 殘念、私はそんな間抜けじゃないわよ」

俺は歯噛みした。チョロそうな奴だと思ったが、意外と抜け目ない……!!

「千夏、大丈夫か!?」

「……はい。私のことは、気にしないでください……」

そんなの無理に決まってるだろ。考えろ、千夏を助ける方法を。せめてあいつのスキルが分かれば……。

「さて。お喋りはこれくらいにして、そろそろ貴方の命を頂こうかしら。それが済んだらこの子はちゃんと解放してあげるから安心しなさい」

廃材の上で靜かに立ち上がる神崎。あいつが千夏から離れてくれたら救出のチャンスが生まれるが、そこまで馬鹿ではないだろう。一何をする気――

「は!?」

思わず俺は聲を上げた。なんと神崎が自ら服をぎ始めたのである。そしてあっという間に下著姿となった。上下共に水玉模様のピンクである。

Advertisement

「どう? いずれトップアイドルとして君臨する私のあられもない姿。冥土の土産によーく拝んでおきなさい」

「待て待て!! お前何を……し……て……」

突然口がかなくなり、俺は言葉を出せなくなる。いや口だけじゃない。手も足も、のどこもかせなくなっていた。何だこれは、一何が起きている? まさか……!!

「まんまと掛かったわね。私のスキルは【釘付け】。私が選んだ対象に強く意識を向けた者は、その瞬間から行不能になる。対象は勿論この私。そう、今の貴方は私の姿に文字通り〝釘付け〟になってるのよ」

やはり神崎のスキルか。駄目だ、どんなに気張っても一ミリもかない。瞬きすらできないから目が乾いて地味にツラい。

「人質を捕られてる狀況じゃどのみちけないだろうけど、念には念をれないとね。貴方のスキルがパワーアップ系ってことは巖を落とした時に確認できたし、今の狀態じゃそのスキルも役に立たないでしょ?」

「……!!」

河原で千夏と遊んでる時に巖石が落ちてきたのはこいつの仕業だったのか。その時點で參加者の存在を察知するべきだった。つくづく自分の危機意識のなさが嫌になる。

「覚悟はできた? まずは縄で両手両足を縛り上げて、それからゆっくりじっくり、絞め殺してあげる。ふふっ……」

妖艶な笑みを浮かべながら、俺に近づいてくる神崎。トップアイドルを目指してるだけあってつきは非常にエロ――じゃない!! このままだとマジで死ぬぞ俺!!

どうやら奴は俺のスキルが【怪力】だけだと思い込んでいるようだが、いずれにせよこの狀態では【略奪】も【潛伏】も役に立たない。敗因がの下著姿とか笑えないぞ。何か手はないのか……!?

おそらく神崎から意識を逸らすことができれば、自ずと【釘付け】も解除されるに違いない。その為にはまず神崎の下著姿を見ないようにする必要があるが、そもそも目が閉じられないのでこの方法は使えな――

いや待て。一つの考えに囚われるな。見ないようにすることだけが意識を逸らす方法ではない。つまり!

「……うおおおおおおおおおお!!」

俺は両腕を広げ、雄びを上げた。狙い通り【釘付け】の解除に功したようだ。

「なっ……噓でしょ!?」

の自由を取り戻した俺を見て神崎は素早く後退し、元の位置に戻った。

「どういうこと!? 確かに貴方は私に釘付けになっていたはず……!!」

「ああ、さっきまではな。だが……」

俺は神崎に人差し指を突き立て、こう言い放った。

「真冬や春香のに比べたら、お前の下著姿など取るに足らん!!」

「……ま、まさか、他のを想像することで強引に私から意識を逸らしたというの!?」

そう。俺は真冬や春香のを思い出し、それらに意識を上書きさせることで神崎の【釘付け】を無力化したのである。二人の謝だ。

「なんてこと……!! 貞だと思って油斷してたけど、とんだプレイボーイだったようね……!!」

いや貞だけどね?

「もう一度俺を釘付けにしたかったら、お前もになることだな!!」

「私がに……!? む、無理!! 今だって実は結構恥ずかしいのに、なんて無理に決まってるじゃない!!」

思ったよりピュアだなこいつ。

「ま、仮にになったとしても俺には通用しないけどな。俺はお前のスキルの攻略法に気付いた」

「攻略法……!?」

「それは……こうだ!!」

俺は勢いよく目を閉じた。単純な話、見なければいい。そうすれば神崎のに釘付けになることもない。

「はっはー、どうだ! これなら【釘付け】も役に立たないだろ!」

「……確かにね。で、それからどうするつもり?」

「ん!? それは……」

やばい考えてなかった。目を閉じたところでこの狀況は何も変わらない。おまけに何らかの攻撃がきたら回避できないし……駄目じゃん。

「まあいいわ。どうせ貴方はまたすぐ目を開けることになるだろうし」

「……どういう意味だ?」

「私のスキル【釘付け】の対象は、必ずしも私である必要はない。つまり……こういうことよ」

間もなく服が裂けるような音が響いた。

調を崩してしまいました。癥狀的にコロナではないと思いますが、しんどいです。

更新は続けますのでブックマーク・評価をいただけると勵みになります。よろしくお願いします。

    人が読んでいる<【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください