《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》【釘付け】のスキル

「きゃあああああっ!?」

千夏の悲鳴が聞こえる。神崎の奴、まさか千夏の服を!?

「お、おい!! 何してんだお前!!」

「ふふっ、これで分かったでしょ? この子を人質に捕った真の理由は、私のスキルの保険だったのよ。私の代わりにこの子がを見せてくれるんだって」

神崎め、今度は【釘付け】の対象を千夏にするつもりか!? だが無駄だ、目を閉じている限りそのスキルが発することはない!

「あら、可いブラ付けてるじゃない。どうやら新品みたいね。今日のデートの為に買ったのかしら?」

「へっ!? それは……!!」

目を閉じて……いる限り……。

「でも邪魔だし、これ外しちゃうわね」

「や、やめてくださ――いやあああああ!!」

目を……閉じて……。

「あら、綺麗なピンクね。貴でしょ? 全然穢れてるじがしないもの」

「ううっ……!!」

「ところでそこの男子。さっきからずっと目を閉じてるけど、いいの? 見たいでしょ、この子のおっぱい」

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「秋人さん!! 絶対目を開けちゃ駄目です!!」

「…………」

俺はうっすらと目を開けた。うおおおおお千夏のおっぱいが丸出しに!! 春香よりも大きいんじゃないか!? なるほど確かに綺麗――

「秋人さん!?」

「あっ、すまん!! 俺の目が……勝手……に……」

再びかなくなる。俺の意識が千夏に強く向けられたことで【釘付け】が再発してしまったようだ。ちくしょう何やってんだ俺!!

「同じ手に二度も引っ掛かるなんて、男ってホント馬鹿ね」

全くもってその通りである。でもこんなの見るなという方が無理だ。求に抗えなかった俺をどうか許してほしい。

「もう十分楽しんだし、そろそろ終わりにするわね」

神崎が今一度俺に近づいてくる。こうなったらさっきのように真冬と春香のを思い出して意識の上書きを――駄目だ、千夏のおっぱいの威力が強すぎて上書きできない!!

「秋人さん!! うっ……ぐうっ……!!」

千夏はなんとか拘束から逃れようと藻掻いており、その度に千夏のおっぱいが揺れる。気持ちは分かるがそんなことされたら余計に意識を逸らせなくなるんだけど!!

考えろ、何か手はないのか!? 千夏のおっぱい以上に衝撃的な出來事が発生すれば、それに意識が上書きされて【釘付け】を解除できるだろうが、そんな奇跡には期待できそうにない。スキルを使おうにもこの狀況ではどれも役に立たない――

いや、待て。俺にはあと一つ、持ってるスキルがあったじゃないか。ここは廃工場、ならばこのスキルを使えるはず。衝撃的な出來事なら自分で起こせばいい。どこかにお誂え向きのものは……あった!

「最期に言い殘したいことはある? と言ってもその狀態じゃ喋ることも――」

直後、音が鳴り響くと共に廃工場の壁が盛大に吹き飛んだ。

「ちょっ、何!? きゃあっ!!」

大量の壁の破片が襲い掛かり、神崎が床に倒れる。想像以上の衝撃と景に俺は度肝を抜いたが、おかげて【釘付け】は解除された。

俺が発したのは【縦】。このスキルで外に放置されていたショベルカーをかし、工場の壁に激突させたのだ。まさかこのスキルに救われる日が來るとはな。

「千夏!!」

俺は千夏のもとに駆け寄り、縄の拘束を解いた。

「ごめんな、怖い思いをさせて。もう大丈夫だ」

「はい……ありがとうございます……」

潤んだ目で俺を見つめる千夏。だが間もなく今の自分の姿を思い出したらしく、その顔は真っ赤に染まっていった。

「秋人さん、その、恥ずかしいです……」

「あっ。す、すまん」

俺はすぐさま自分の上著をぎ、千夏に被せた。

「ゲホッ、ゴホッ。一どういうこと……!? 貴方のスキルはパワーアップ系じゃなかったの……!?」

瓦礫の山の中から神崎が起き上がる。俺が複數のスキルを所持しているなんて想像もしなかったのだろう。

「どういうことだろうな。で、どうする? 続けるか?」

人質を失ったことで、神崎の目論見は崩れた。形勢逆転というやつだ。

「お……覚えてなさい!!」

神崎は下著姿のまま、その場から逃走した。千夏を抱えた狀態で追いかけるのは厳しいので、見逃してやることにした。せめてスキルだけでも奪えればよかったが……。まあ、あんなスキルを手にれたところで使いこなせる気がしないけど。

しかしあの格好だと癡として通報されそうだな。いやもう夜も遅いから目撃される可能は低いだろうけど。

「秋人さん、お聞きしたいことがあるんですけど……」

千夏の言葉で息が詰まる。そうだよな、スキルを使って超常的な現象を起こしていた俺や神崎を見て、何も疑問に思わないはずがない。どう説明すれば……。

「真冬さんと春香さん、でしたよね? そのお二方とはどういうご関係なのですか?」

そっち!?

「もしかして、秋人さんには既にお付き合いされている方がいたのですか? 私に迷が掛かると言ったのも、そういう意味だったのでしょうか……」

「違うからな!? 俺には彼なんていないぞ!?」

「でも、を見せてくれるようなご関係なんですよね……?」

「それは不可抗力というやつで……。とにかくそいつらとはそういう関係じゃない! だいたい彼がいたら千夏と二人っきりで出掛けたりしないって!」

「そ、そうですよね! ごめんなさい、疑うようなことを言って……」

俺は安堵の息をついた。誤解が解けてなによりだ。

調だいぶ回復しました。やはりコロナではなかったようです。お騒がせしました。

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