《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》口封じ
「……東雲さん!」
千夏がベッドから立ち上がり、真冬の方を真っ直ぐ見る。
「どうした千夏? まだ安靜にしてた方が――」
「ごめんなさい!!」
深々と頭を下げる千夏。突然の行に、俺の頭上にクエスチョンマークが浮かんだ。
「私、東雲さんが當時イジめられているのを知ってたのに、何もできませんでした。何とかしなきゃとは思ってたんですけど、私も標的にされるのが怖くて……。あの時イジメを止めることができていたら、東雲さんは命を斷たずに済んだかもしれないのに……!!」
聲を震わせながら、千夏が語る。二年前、千夏は沢渡達のイジメを止められず真冬が死んでしまったことを、ずっと悔やんでいたようだ。だから自分が沢渡達からイジメをけても、誰にも助けを求めなかった。千夏がそんな資格はないと言っていたのは、そういうことだったのか。
「……顔を上げて、大宮さん」
優しい聲で、真冬が千夏に聲をかける。
「大宮さんは悪くない。もし私と大宮さんが逆の立場だったら、私も何もできなかったと思う。だから大宮さんが謝る必要はない」
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「でも……!!」
「苦しい思いをしたのは、大宮さんも同じはず。だからこれ以上、自分を責めないで」
「うっ……ううっ……!!」
涙を流す千夏を、真冬は靜かに抱き寄せた。
「良い話ね……!! 秋人、ハンカチ!」
「……どうぞ」
何故か春香は千夏以上に泣いていたのであった。
「……でも、びっくりしました。東雲さんとまたこうして會えるなんて。一度亡くなった人達が蘇ってるなんて半信半疑でしたけど、もう信じるしかなさそうです。東雲さんも転生杯の參加者なんですよね?」
「そうだけど……。どうして大宮さんがそのことを?」
「ああ、それはだな……」
俺は事の経緯を真冬に話した。
「要するに秋人のせいで、大宮さんに全てを知られてしまったと」
「……アンポンタンですみません」
「だ、大丈夫です! 絶対にしますから!」
千夏は誰かに言いらしたりするような子じゃないだろうし、そこは全く心配していない。問題は他にある。
「私達のことは気にせず今まで通り普通に生活してください、なんて無理な話よね。どうしたものかしら」
「……そのことなんだけど、俺に一つ考えがある」
「考えって?」
「とりあえず、俺と千夏を二人っきりにしてくれないか? 二人には後で話すから」
俺の提案に、春香と真冬は顔を見合わせる。
「まあ、別にいいけど……」
「まさか秋人、大宮さんに変なことをするつもりじゃ……」
「するか!!」
春香と真冬は部屋を出て、俺と千夏の二人が殘った。
「……なんというか、ごめんな。俺に関わってしまったばかりに、千夏には々と迷をかけてしまった」
「そんな、秋人さんは何も悪くありません。それどころか一度ならず二度までも助けていただいて、秋人さんには謝しかありません」
千夏は優しいな。そう言ってもらえるだけで、心が軽くなる気がする。
「昨日、會うのを最後にしようと言ったのは、私を巻き込まないようにという秋人さんの思いから……だったんですよね?」
「……ああ。あの時はあんな方法しか思いつかなかった。しかも結局巻き込んでしまったし……。本當にごめん」
「あ、謝らないでください! 私の方こそ秋人さんの気持ちも知らずにメソメソ泣いたりしちゃって、ごめんなさい!」
別に千夏が謝る必要はないのに。何も事を知らなかった千夏が俺の気持ちを察しろという方が無理な話だろう。
「あの時、秋人さんはただ私を突き放したくてあんなことを言ったものとばかり思ってましたけど、全ては私の為を想っての言葉だったんですね。なんだかそれを知ったら、ますます秋人さんのこと……。す、すみません。何でもないです」
恥ずかしそうに布団で顔半分を隠す千夏。その仕草に俺の男心がくすぐられた。
「で、本題だ。千夏には転生杯とか俺達の正とか全部知られてしまったし、もうただの一般人として扱うことはできない。だから――」
「……分かっています。口封じ、ですよね」
ん? 今なんて?
「覚悟はできています。私の命は秋人さんに救われたようなものですから、秋人さんに奪われるのなら、悔いはありません。ですが最期に一つだけ、私のお願いを聞いていただけますか……?」
そう言いながら、千夏は一つ一つ、服のボタンを外していく。
「私、今までそういう経験をしたことがなくて……。せめて最期に思い出を作ってから、死にたいんです。私なんかので満足していただけるか分かりませんが、秋人さんが良ければ、今から私を――」
「ストップストップ!! 何か誤解してないか!?」
俺は慌てて千夏の手を摑んだ。見かけによらず大膽なことをするものだ。昨日間違えてラブホテルに連れて行った時もなんかノリ気だったし、意外とそっち方面には積極的なのか……?
「えっ……違うんですか?」
「口封じなんて騒なことはしないって。そもそも俺が勝手に全部話してしまったことが原因なんだから、俺にはそんなことをする資格もない」
「そ、そうでしたか。私、とんでもない勘違いを……」
千夏は気まずそうにボタンを付け直す。俺は安堵する反面、なんだかとても惜しいことをしてしまった気がした。
早く10萬円給付してくれないと……やばいです。
それはさておき、ブックマーク・評価を何卒よろしくお願いします。
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