《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》支配人の布石

「その転生権だけど、最後まで勝ち殘ることができたら本當に貰えるんだろうな?」

「ええ、勿論。それは貴方自が証明しているではないですか」

「……どういう意味だ?」

「さて、どういう意味でしょうね」

またその回答かよ。要領を得ないとはこのことだ。

「そうそう、俺が々と暴れた後その痕跡が消えてたり一般人の記憶が改竄されてたりしたのは、全部アンタの計らいってことでいいんだよな?」

「はい。私としても転生杯のことが世間に広まるのは本意ではありませんから。でもそれって結構大変なんですよ? 貴方に限った話ではありませんが、參加者の皆さんにはもっと慎みを持って行してもらいたいものです」

愚癡をこぼす支配人。なんか初めてこの子の人間らしい一面を垣間見た気がする。いや人間なのかどうか知らんけど。

「なら、俺が黒田を殺した時の痕跡を消さなかったのは何故だ?」

「あれはまあ、放置しても問題ないと思ったからです。事あるごとに痕跡を消していたらキリがありませんからね」

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真冬の推測通りかよ。案外適當なんだな。もう過ぎたことだからとやかく言うつもりはないけども。

「おっと、そろそろタイムリミットのようです。短い時間でしたか、私とのお喋りに付き合っていただいてありがとうございました。お禮というわけではありませんが、最後に一つだけ、貴方の質問に何でもお答えしましょう」

「……何でも?」

「はい。その質問にだけは、はぐらかさずに答えることをお約束します」

俺を死刑に追いやったあの事件の日と第八次転生杯の開始時期に何故矛盾が生じているのか。その事件を起こした真犯人は一どんな奴なのか。まだまだ聞きたいことは山ほどあるが、一つだけと言われたら……。

「千夏というの子について聞きたい。あの子は一般人でありながら、アンタの記憶改竄の影響を一切けなかった。それは何故だ?」

「ふふっ。自分ではなく他人に関しての質問ですか。お優しいんですね」

「……いいから答えろよ。アンタが意図的に改竄しなかったのか? それとも千夏には特別な〝何か〟があるのか?」

「そうですね……。強いて言うなら〝布石〟でしょうか」

「布石……?」

「現時點での転生杯の參加者は、既に落した者も含めると97人。もうすぐ百人目に到達します。その記念といいますか、せっかくなのでしばかり趣向を懲らそうと思ったんです」

「……分かるように説明してくれ」

「これでもかなりヒントを出したつもりですけどね。全部話してしまったら面白くないので、これ以上は何も言えません」

なんか結局はぐらかされた気がする。

「お喋りはここまで。またお會いできる時を楽しみにしています、月坂秋人さん」

支配人が指を鳴らす。間もなく視界が暗転し、俺の意識は途絶えた。

「…………」

カーテンの隙間から差し込む朝の日差しで、俺は目が覚めた。なんだかとても奇妙な夢を見た気がする。いや、果たしてあれは夢だったのか……?

顔を洗ったついでに作戦會議室に立ち寄ってみると、そこには複數の巨大モニターと睨み合う真冬の姿があった。

「おはよう真冬」

俺が聲を掛けると、真冬はこちらに顔を向けた。

「……おはよ。どうしたの、浮かない顔だけど」

「なんか変な夢を見ちゃってさ。支配人が出てくる夢」

「支配人って、あの?」

「ああ。でも夢にしては妙に現実があったというか……。々話した気もするけど、ぼんやりとしか覚えてないんだよな」

「ふーん……」

興味なさそうだな。まあ他人の夢なんてそんなもんか。

「真冬は報収集か? 朝から大変だな」

「私は秋人のように闘ったりできない分、それ以外のことで力になりたいから」

「……そうか。まったく、春香にも見習わせたいもんだ」

「あら、呼んだかしら?」

エプロン姿の春香が顔を出した。なんと間の悪い。

「アタシだって大いに秋人の力になってるじゃない。死にかけてた秋人を救ったのはどこの誰だったかしら?」

「はいはい、謝してますよ。それより真冬、42の痣を持つ參加者についての報はどうだ?」

俺が尋ねると、真冬は力なく首を振った。

「ごめん。できる限りのことはやってるけど……」

「ああいや、真冬が謝ることじゃない」

42の痣を持つ參加者――生前俺に殺人犯の濡れを著せた、俺が復讐すべきもう一人の人。その正は未だに摑めていなかった。

「ま、転生杯で勝ち続けていればいずれ會うことになるだろうし、焦る必要はないんじゃない? もしかしたら既に他の參加者に倒されて落してる可能だってあるし」

呑気に言う春香を、俺は目を細くして見る。

「何よ。そんなに変なこと言った?」

「そういや、まだ春香の復讐のことを何も聞いてないと思ってな」

「……アタシの?」

春香達と出會ったばかりの頃、春香は絶対に復讐したい人がいると確かに口にしていた。だがここ最近の春香は、自らの復讐について一切れようともしない。そのことが俺は引っ掛かっていた。

「真冬の復讐は終わった。俺の復讐も、まあ半分はし遂げたと言っていい。だけど春香の復讐は今のところ全く進展してないだろ? いいのかそれで?」

「あー、そういうことね」

「春香がむなら、俺達もその復讐に協力する。なあ真冬?」

「……ん」

俺と真冬が意気込む一方、春香は決まり悪そうに目を泳がせていた。

4月も終わり、18000ptを超えました。ブックマーク・評価をれてくださった方々には本當に謝しております。

しかし個人的な目標だった「連載3ヶ月以に20000pt到達」には殘念ながら屆かず……。

なんとか気持ちを切り替えられたらいいのですが……。

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