《【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】》両手に花
「あ、皆さんこんな所にいたんですね」
とそこに、千夏がドアの隙間から顔を見せた。
「あら千夏ちゃん。どうしたの?」
「なかなか皆さんがリビングに來ないので、心配になって。呼びに行ったはずの春香さんも戻ってきませんし……」
「あー!! そういえば朝ご飯まだだった!! 早くしないと學校に遅刻しちゃう!!」
慌てて飛び出していく春香。書庫に殘った俺と真冬は、しばらくその場で立ち盡くしていた。春香の過去、そして春香の覚悟は、俺の想像を絶するものだった。それで普段あんなに明るく振る舞えるのだから、大したものだ。
「春香って、何気に俺達の中で一番メンタル強いよな……」
「……同意」
神年齢は六歳なのに神力が一番強いというのは、なんともおかしな話だな。そこは俺も見習いたい。
「さて、俺達も朝食にするか」
「…………」
「真冬? どうした?」
真冬はなにやら考え事をしているようだった。
「……さっきの春香の話に、一つだけ引っ掛かる點があって」
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「引っ掛かる點?」
「ん。乙木先生という人が殺された時、その部屋は氷で埋め盡くされていたと春香は話していた」
「その男が氷系のスキルを使ったんだろうな。それのどこに引っ掛かるんだ?」
「そんな普通では有り得ない狀況、支配人が放っておくとは思えない。間違いなく痕跡を消したり、人々の記憶を改竄したりしたはず。実際、その事件のことは世間に広まっていないみたいだし」
スマホで調べながら真冬が言う。俺も一緒に覗いてみたが、確かにそれらしき記事はどこにも見けられなかった。
「そうか。なのに何故か、春香の記憶だけは殘っていた……」
「そういうこと」
當たり前だが、當時の春香は転生杯の參加者ではなくただの子供なので、支配人によって記憶を改竄されたはず。なのにその時の記憶が殘っているのは、確かに変だ。
「當時は記憶を消されていたけど、転生杯の參加者に選ばれた時に記憶が戻った、もしくは記憶を戻されたとか?」
「參加者の選出基準は、強い憎しみや悲しみを抱いて死んでいった者のはず。記憶を消されていたならそんなは生まれようがないから、參加者に選ばれることもないと思う」
「そうか……。なら六歳の子供の話なんて誰も信じないだろうから改竄しなくても問題ない、と判斷されたとか?」
「わざわざそんなリスクを冒すとは思えないけど、これまでの支配人の傾向からすると、全くないとは言い切れないかも……」
だいたいあの支配人が何を考えてるかなんて分かるはずもなく、いくら考察したところで明確な答えは出てこないだろう。
「真冬ー!? 秋人ー!? 二人とも何してんのよ! 秋人は遅刻しても知らないわよ!」
リビングの方から春香の聲が響いた。これ以上は長話が過ぎるな。
「行くか」
「……ん」
思えば、この謎の現象は千夏にも起きていた。何故か記憶が改竄されなかった春香は、その後命を落とし、結果として転生杯の參加者に選ばれた。今後、全く同じ道を千夏も辿ることになるとしたら――
「……考えすぎか」
一抹の不安を振り払い、俺はリビングに向かった。朝食は案の定すっかり冷めていたのであった。
學校の支度を終え、俺は春香、千夏と共にアジトを出た。今日が三人での初登校だ。
「なんだかこうして秋人さん達と一緒に登校するのって、不思議な気分です」
「良かったわね秋人。両手に花よ!」
自分で花とか言うなよ。いやまあ確かにそうだけども。二人と肩を並べて登校なんて、生前の俺では考えられないことだ。
「真冬さんは高校には通ってないんですか?」
「ああ。真冬はほら……な」
「あっ……そうですよね。ごめんなさい」
イジメを苦にして自殺したという過去の傷は、そう簡単に癒えるものではないだろう。だけどいつかそれを乗り越えて、再び高校生活を送れるようになる日が來れば――
っていやいや違うだろ。なんで真冬を高校に通わせる方向で考えてるんだよ。むしろ転生杯の參加者が高校なんぞに通ってる方がおかしいんじゃないか。
「ちなみにお二人は、どうして高校に?」
「そんなの高校生ライフをエンジョイする為に決まってるでしょ!」
「決まってないだろ! まあ、々と事があるんだよ」
當初は真冬の復讐の為だったが、今は違う目的がある。それがなかったら高校なんてとっくに辭めてるんだけどな……。
朝のホームルーム前。俺は二年A組の自分の席で、一人考え事をしていた。
千夏にハンカチを返したあの日、間違いなく俺の痣は反応した。だが千夏が一般人だと分かった以上、あの時近くには未知なる參加者がいたことになる。そいつを見つけ出すまでは高校を辭めることはできない。參加者がいるかもしれないような所に春香を一人で通わせるわけにはいかないからな。
問題は、如何にしてその參加者を探し出すか。今のところ手掛かりは何もなく、それらしき人も見當たらない。もしかしたら俺達を警戒して既にこの高校から姿を消した可能もある。その場合、高校で過ごしてるこの時間は完全に無駄だな……。
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【コミカライズ&書籍化(2巻7月発売)】【WEB版】婚約破棄され家を追われた少女の手を取り、天才魔術師は優雅に跪く(コミカライズ版:義妹に婚約者を奪われた落ちこぼれ令嬢は、天才魔術師に溺愛される)
***マンガがうがうコミカライズ原作大賞で銀賞&特別賞を受賞し、コミカライズと書籍化が決定しました! オザイ先生によるコミカライズが、マンガがうがうアプリにて2022年1月20日より配信中、2022年5月10日よりコミック第1巻発売中です。また、雙葉社Mノベルスf様から、1巻目書籍が2022年1月14日より、2巻目書籍が2022年7月8日より発売中です。いずれもイラストはみつなり都先生です!詳細は活動報告にて*** イリスは、生まれた時から落ちこぼれだった。魔術士の家系に生まれれば通常備わるはずの魔法の屬性が、生まれ落ちた時に認められなかったのだ。 王國の5魔術師団のうち1つを束ねていた魔術師団長の長女にもかかわらず、魔法の使えないイリスは、後妻に入った義母から冷たい仕打ちを受けており、その仕打ちは次第にエスカレートして、まるで侍女同然に扱われていた。 そんなイリスに、騎士のケンドールとの婚約話が持ち上がる。騎士団でもぱっとしない一兵に過ぎなかったケンドールからの婚約の申し出に、これ幸いと押し付けるようにイリスを婚約させた義母だったけれど、ケンドールはその後目覚ましい活躍を見せ、異例の速さで副騎士団長まで昇進した。義母の溺愛する、美しい妹のヘレナは、そんなケンドールをイリスから奪おうと彼に近付く。ケンドールは、イリスに向かって冷たく婚約破棄を言い放ち、ヘレナとの婚約を告げるのだった。 家を追われたイリスは、家で身に付けた侍女としてのスキルを活かして、侍女として、とある高名な魔術士の家で働き始める。「魔術士の落ちこぼれの娘として生きるより、普通の侍女として穏やかに生きる方が幸せだわ」そう思って侍女としての生活を満喫し出したイリスだったけれど、その家の主人である超絶美形の天才魔術士に、どうやら気に入られてしまったようで……。 王道のハッピーエンドのラブストーリーです。本編完結済です。後日談を追加しております。 また、恐縮ですが、感想受付を一旦停止させていただいています。 ***2021年6月30日と7月1日の日間総合ランキング/日間異世界戀愛ジャンルランキングで1位に、7月6日の週間総合ランキングで1位に、7月22日–28日の月間異世界戀愛ランキングで3位、7月29日に2位になりました。読んでくださっている皆様、本當にありがとうございます!***
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